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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

女流名人戦&第二部定理三七

2007-02-09 21:34:20 | 将棋
 昨日は女流名人戦五番勝負第一局も指されました。矢内理絵子女流名人に挑戦するのは中井広恵女流六段。
 振駒で中井六段の先手となり横歩取り☖3三角、☖8四飛の戦型に。矢内名人は5筋の位を取り、44手目の☖2六歩から先手の飛車を抑え込む作戦に。中井六段が右の金を繰り出し49手目の☗2六金に☖同角☗同飛☖3五金☗2八飛☖2六歩と、角金交換の駒損に甘んじても飛車を徹底的に抑え込んだ構想が好判断だったようで、62手目、☖3六銀成とした局面でははっきりと優勢に立ったと思います。ここから中井六段が勝負手を連発して追い込んだのですが、最後は92手目の☖5七角から先手玉を長手順の即詰みに討ち取り矢内名人が先勝しました。五番勝負の第一局を後手番で制したのですから大きい勝利といえるでしょう。
 横歩取りの将棋は駒の損得よりも、抑え込むか食い破るかという将棋になるケースが往々にしてありますが、この将棋もそうした将棋だったということだと思います。第二局は15日です。
 ところで、女流プロは将棋連盟から独立して新法人を組織するという動きがありますが、この対局者のふたりはその新法人設立準備委員会の委員を務めています。この件についてもいずれ書きます。

 明日から静岡記念です。

 このブログで最初にテーマにした第二部定理一二については、そのときも、また今でも僕は明確な結論を出せないでいるのですが、その中で、ひとつの解決方法として、共通概念notiones communesに訴えるという方法があるといいました。実は僕は、ここでの話は少なからずこの共通概念の理論と関係していると思っています。
 この共通概念の理論というのは、スピノザの哲学の中でも重要な理論のひとつで、また、僕が知る限りではスピノザの哲学に独特の理論なのですが、もしかするとスピノザは、事物の本性essentiaというのを第二部定義二のような仕方で定義することができたからこそ、共通概念という概念を理論的に抽出することも可能になったといえるのかもしれません。ここではその第二部定義二の方をテーマとして扱っていますので、事物の本性と共通概念の関連性を考えていくために第二部定理三七を取り上げることにします。
 「すべての物に共通であり(これについては先の補助定理二を見よ)、そして等しく部分の中にも全体の中にもあるものは、決して個物の本質を構成しない」。
コメント
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