年2回、夏休みの初めと冬休みの初めに、レポート採点に忙殺されます。
今年は、8月第1週まで授業という大学があり、昨日ようやく3つの大学の採点―成績評価が終わり、「今期もまた全体としては学生たちはよく学んでくれたな。教えてよかった」という満足感と同時に、どっと疲労感も感じました。
今回はタイミングが書き下ろしの原稿(仮題『仏教心理学とアドラー心理学』佼成出版社、10月初旬刊行予定)の締め切りと重なり、けっこうしんどい作業でした(でも、ちゃんとやれました!)。
若干の手直しを残しひとまず終わったところで、久しぶりに記事の更新をします。
今日も、ここのところ続けてご紹介しているノーマン・V・ピールの文章の一節をご紹介しましょう。とても素敵なエピソードです。
本文にはない、私がつけた小見出しは「朝の選択:今日一日幸福でいること選ぶ」です。
あなたが将来、幸福になるか不幸になるかを決定するのはだれだろうか。それは、ほかならない、あなた自身だ。
あるテレビ番組の有名な司会者が、一人の老人のゲストに招いた。その老人が何か言うたびに、それが実に素朴で適切だったので、観客は大声で笑い、老人を好きになった。この司会者も深い感銘を受け、ほかの人々と一緒に楽しんだ。最後に司会者はその老人に尋ねた。
「なぜあなたはそんなに幸福そうなのですか。何か秘訣をお持ちなのですか」
「いいや。秘訣など一つもないよ。平々凡々たるものさ。ただ、わしは朝起きた時に二つに一つを選ぶのさ――幸福であるか、それとも不幸であるかをね。それで、私がどちらをとると思うかね。幸福を選ぶのだよ。それだけのことさ」
これはあまりに単純すぎるように思われるかもしれない。しかしアブラハム・リンカーンの言葉なら、だれも非難することはできないだろう。リンカーンは、「人々が幸福になろうと決心すれば、それだけで幸福になれる」と言っている。
(ノーマン・V・ピール『積極的考え方の力』(ダイヤモンド社、32頁)
こうした朝の選択が、就活に何の関係があるんだろう、何の役に立つのだろう、と疑問に思った人がいるかもしれません。
しかし、実は大いに関係あり、大いに役に立つのです。
朝起きて、幸福感があるのとないのとでは、どちらが元気が出るでしょう。
元気があるのとないのとでは、どちらが今日の就活がうまくいく可能性が高いでしょう。
「でも……」と言いたい人には、過去の記事、「心の向きを変える」「心の向きを変える続」を読んでいただくといいと思います。
確かに、世界には、どこをどう探しても「幸福と感じられる理由」が一つもないように思える極度に悲惨な状況におられる方もあるでしょう。
しかし、インターネットを利用でき、このブログを読むことのできる人には、そういう人はいないと思います。
自分が見るものをちゃんと選択すれば、幸福を感じることのできる理由はいくつもあるはずです。もちろん、不幸を感じる理由ばかり見ていれば、不幸感でいっぱいになるのは当然ですが。
ぜひ、心の目の向きを変えて、探してみてください。きっとあるはずです。
例えば、「私は、こうしてちゃんと食べるものがあり、眠る部屋があって、健康で、就職活動ができるだけでも、幸福だ! それに今日は空も青いし」と。
そして、幸福を感じる理由を発見できれば、確実にメンタルは一歩も二歩もタフネスに近づきます。
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