白鳩さんがモンコレで駄弁るブログ

わたくし白鳩がカードゲームの話を書き連ねるブログ

髑髏の騎士

2010年05月16日 23時59分50秒 | 連載カード考察企画
カード考察第46回は髑髏の騎士です。
髑髏の騎士はモンスターコレクションベーシックセットから
収録され続ける不動の定番ユニットで、
そのスペックの高さ、能力の腐らなさ、
そしていつの時代も存在し続ける
聖属性の異様に鬱陶しい強力ユニットたちに支えられ
今も第一線を走り続けています。

髑髏の騎士の初登場は、ご存知モンスターコレクションの
最も古いセットであるベーシックセットです。
ベーシックセットは、最初期のセットであるだけに
レベル間のスペックの相場が定まっておらず
明らかに強いカードと弱いカードが混在する部分が今より顕著でした。
特にごく稀レアリティのカードは、
スペックの面で優遇を受けていることは客観的にも明らかであり
珍しいカードをもって居る者(つまり沢山買った者)が強い、という
TCG特有のバランス感覚が根強いセットでありました。
ただしだからといって、決して今の最新セットより
バランスの悪いゲームだったかというとそんな事もなく
鏡蟲のような封殺カードも居たけれど今もスケグルが居たし
(儀式スペルの火力はさすがに不味かったとしても)
対象の性質を問わないお手軽なダメージ、死亡系の特殊能力というのが
なかったので水準の攻撃力、防御力とスペル枠又はアイテム枠だけの
ユニットが今より活躍しやすいこれはこれで良バランスのゲームでした。

髑髏の騎士はそのなかにあってごく稀らしい異彩を放つ、
いい意味でも悪い意味でも現代的なデザインのユニットでした。
それひとつでデックの中核になり
負担の少ないコンボで誰にでも通用するようになる特殊能力です。
加えてスペック面で見ても4/3/4アイテム1スペル*は
当時の環境では能力を省いてこれだけを見てもハイスペック。
他のユニットからすれば理不尽に厚遇されている事が
客観的にも明らかなカードだった訳です。
しかしそれでも決して環境を封殺したりしかったのは、
主力の必殺技は特殊能力であったとしても
スペルアイテム枠を使い切って初めて強いユニットだからでしょう。
安定して使いきれる特殊能力に比べ、
スペル枠アイテム枠は相手に対抗できる性質のカードを
常に手札に携帯していなければ対抗数としては機能しません。
モンコレの封殺はほとんどの場合
対象範囲の広い特殊能力によって発生します。
攻撃力防御力が高くスペル枠アイテム枠が豊富と言う意味で強いカードは
どれだけハイスペックであったとしても
どうしようもない強さにはなりません。
例えばの話ですが、スティグマーターが仮にアイテム枠10個であっても
制限カードにはならないでしょう。
1枚でオールマイティに対抗できる銃弾がいくつも登場したりしない限りは。
スペルアイテム特殊能力に対応するアイテム消耗品を
常時手札に携帯するというプレイングは根本的に不可能だからです。
枠が多すぎると言う意味でのハイスペックが強すぎると言うのは
机上論であって封殺には繋がりません。
何が言いたいかというとセイクリッドバハムートは
もっと強くしてよかったという事ですよ。
あと攻撃力防御力が高くてアイテム2以上のユニットも。

髑髏の騎士に話を戻しましょう。
Gレギュレーションに復活した髑髏の騎士は
それ自体のスペックは初期から全く変更がありません。
スペックは4/3/4スペル*アイテム1、
そして聖属性のユニットを除外する闇の波動。
レベル4でスペル*にアイテム1と特殊能力の計3対抗は
英雄と比しても遜色のない数です。
非英雄のレベル4圏で最強のユニットと言っていい強さで
もし現代にデザインされていたら英雄点1が付いていたかも知れません。
ただし闇の波動を安定した1対抗として計算するには
もう1対抗を消費してコンボに昇格させないといけないわけですから
実質的には髑髏の騎士はレベル4当たりで
2対抗程度のユニットとなります。
ただしそれでも十分強いでしょうね。
リリスだってのスペル魔が腐る事が多くて
実質的にはスペル*枠2つ分の2対抗で戦っているわけですから。
レベル4の英雄は重対抗環境の主力圏で
メディア、ドリブラ、マフィンを擁するカテゴリーでもあります。
これは偶然ではなくレベル当たりの対抗数が
一番効率よく多くなるのがレベル4だからでしょう。
また即時召喚でなくなるのがレベル4ですから
制圧力の強い特殊能力が登場してくるのもレベル4以上となります。
上記の3枚は英雄点2ですが、英雄点1のレベル4は
ヘスティア、ナーガラジャ、バラック、フロマージュ、ブリキン、
ブラックホークです。
対抗数はフロマージュ以外は2枠以下になり
対抗数で勝負するユニットではなくなりますね。
ヘスティア、バラックを除けば
攻撃力防御力を飛躍的に上げる、レベルを下げる、イニシアチブを上げる、
ですから英雄点1は殴り合いの数字で勝負するユニットが多い
という事になるでしょう。
レベル4の英雄点2は能力型、英雄点1は殴り合い型となるわけです。
髑髏の騎士は英雄点2には及びませんが、
英雄点1には相当する能力を十分に持っていそうですね。

そして特殊能力の効果は
Gレギュレーションでは英雄でも持たない除外です。
除外とはゲームの盤上から取り除き、存在しないカードとしてしまう事。
相手のデック枚数を49枚にしてしまう効果という事です。
初期にデザインしたとはいえ奔放な効果を考えたものです。
モンコレはゲーム的に捨て山に行ったカードを回収する手段が
ほとんどなく、代わりに山札をいくらでも引いてこれるゲームだから
ゲーム的には破棄とそれほど変わらない強さですが、
Gレギュレーションのルールブックでの除外の定義は
髑髏の騎士のためだけにあるわけですからね。
除外の効果はゲーム的には破棄と同等で、
死亡しない効果では対抗を返せない即死効果ですが
破棄、除外が存在しなかった場合
リザレクション、サンドカーテンは
全ての効果を防げる万能の効果になってしまうから
これはこれで強すぎるものでもないかも知れません。
ただし土デックにスリープがなくなって以降は
ブライアーピットの効かないユニットからの破棄、除外効果には
土属性が一切無力になってしまいましたから、
ここだけはなにか救済があってもいいかもしれません。

再録に当たってなんの修正もない髑髏の騎士ですが
ただしその使い勝手は大きく変わっています。
属性を変更するパートナーカードが時代時代で異なるからですね。
Gレギュレーションの髑髏の騎士のパートナーは、
レベル2のパリゼットか装備品の虹を受ける聖杯です。
Sレギュ以前のパートナーカードはレベル1でしたから
髑髏パーティというとレベル1から4までのユニットを
混成させるものでしたが、
偶数構成が基本パターンになった事が
Gレギュ髑髏の一番の特徴かもしれません。

パリセットと髑髏の騎士の組み合わせはリミット6で
能力対抗1つ、スペル枠3枠アイテム枠1つの
計5対抗を完成させますが、
パーティの完成度としては強いものではないでしょう。
今の環境だとレベル3ユニット1体の攻撃力を通してしまっても
コンボが崩壊しかねませんから。
髑髏コンボは大型ユニットには強いものの、
中型以下の集団にどう対応するかがデックとしての肝になりますから
相手の攻撃力を何点以下まで下げる事が出来ればいいのか、は
パーティの強さを決める要素のひとつです。
特にレベル3が即時召喚可能になって1体の攻撃力も高いGレギュでは
油断していると主力ユニットを消しても
パーティが全滅するダメージが残る事があります。
スペル枠が2つあってもレベル2で防御力1点は使いづらいですね。
対抗可能数が重要とはいえスペルは有限ですから
枠の数だけ多くても仕方ないという事です。
特に髑髏の騎士は1体ずつユニットを削っていくユニットですから
相手のユニットの消耗と使用した対抗カードよりも
こちらが消費する戦闘スペルカードのほうが
確実に少ない状況を継続しないと勝てません。
レベル2、防御力1点のユニットの行動完了能力を
阻止すれば能力が止まるのも大きな付け目です。

どちらかといえば虹を受ける聖杯のほうが強いカードですね。
レベル4ユニット1体だけでコンボが成立するようになります。
デメリットとしては聖杯構成ではリミット6で
対抗数6回に届かせるのはほとんど無理である事、
コンボを完成させるためにユニットカードを1枚消費する点が
上げられますが、
代わるメリット面は
レベル4、防御力4点のユニットのみで
コンボが成立するので対抗を返しづらい点、
聖杯の効果には対抗を返せても
宣言能力ですから再度使用することも可能な点、
髑髏以外の前列ユニットは相手の攻撃で失っても問題ない点、
残りリミット4で殲滅力を持たせる事が出来る点、
がメリットです。
わたしの価値観でいうなら最も重要なのは
髑髏パーティに殲滅力を持たせられる点ですね。
髑髏の騎士とパリゼットの計レベル6で1体は消しても
残るレベル2の攻撃力では何も出来ません。
対しリミット4あればかなりの攻撃力が稼げます。
ディフェンダーかパーティ対象の特殊能力なら
全滅を狙えますね。
髑髏デックの弱点は進行速度が遅い事ですから
この弱点をフォローできる事が最も有利です。

Gレギュレーションの髑髏の騎士が変わったのは
コンボパートナーだけではありません。
それ以外のデックに入るカードが
全部変わってしまっています。
最大の変化はスペル魔の位置付けの変化でしょう。
髑髏の騎士はスペル*である事もあって、
対抗力の乏しい魔属性の戦闘スペルは
デックに入るカードではなかったのですが
魔属性の戦闘スペルでも戦力が完成するようになりましたから
戦闘スペルのチョイス、
さらには髑髏以外のスタッフとなるユニット構成も
大きく変化しました。
英雄の登場でデックに髑髏の騎士以上の
主力ユニットがいることも多いですから安定性が違います。
従来の魔属性を無視した構成でも何も問題はありませんから
固定されるのは髑髏の騎士と聖杯だけですから
デックの選択肢が多いですね。

髑髏の騎士はスペル*とアイテム枠があるために
スペルとアイテム両方を積めるデックであれば
あまりデックの種類を問わないカードですが、
髑髏の騎士が全時代を通して活躍し続けられる最大の理由は
コンボしなくても聖属性のユニットを狙える事です。
防御力やレベルを問わずユニットを
死亡、破棄、除外させる効果はほとんど場合
対象ユニットの種族や属性を問います。
そのために相手の属性や種族を自由に変更する効果と
コンボさせる必要があるわけですが、
もともとの対象条件がメジャーなものであるなら
コンボを成立させなくても有効である事は少なくありません。
種族ですと57種類もあるわけですから
仮にメジャーな種族が対象であったとしても知れていますが
属性は6種類しかありません。
特に聖属性のユニットは全く入っていないほうが
珍しい属性です。
千年皇国で復活した直後の髑髏の騎士は
レベル3ユニット即時可能で
大型ユニット1体除外の効果が
以前ほどのプレッシャーを与えない環境になり
総合的には強くなかったのですが、
それでも環境から失せなかったのはワルキュリアが居たから。
聖属性は6属性の中でも特に対抗力に優れ、
1枚で戦場全体に効果のあるような広域型の特殊能力を持つ
ユニットが居る属性でもありますから
どの時代にも聖属性には要注意カードが存在していました。
これからも1体除去コンボが弱体する事はあっても
髑髏の騎士に需要がなくなることはないでしょう。
スケグルが居なくなっても入れ替わりで
聖属性には何か強いカードが出てくるからです。

今の段階でも十分に強い髑髏の騎士ですが
これからにはさらに飛躍的に価値を高める要素も考えられます。
髑髏の騎士と互換する英雄の登場ですね。
今のGレギュには種族変更コンボを代表する英雄は居ます。
吹雪コンボを代表する英雄も居ます。
しかし属性変更コンボを代表する英雄は居ません。
モンコレ初期から存在する代表的なコンボであるにも関らず
対象ユニットの属性を問う効果を持つ英雄は居ないのです。
まさか居ないままという事はないでしょう。
髑髏の騎士の上位互換的な能力を持つ英雄は
いつ登場してもおかしくないはずです。
そしておそらく出るとしたら属性コンボの英雄は
英雄の中でも屈指の性能になるよう優遇されているでしょう。
前例的に、モンコレで厚遇を受ける要素のカードは
ほとんど決まっていて
属性コンボは最上位の位置にあるからです。
コンボユニットとしてはメディア以上に強いカードに
なっているのではないでしょうか。
レベルも偶数で組ませ易くなってるでしょう。
タイプ錬金銃なら微妙に偶数統一を崩されたりしますが
厚遇されている要素にはそういう事は起こらないのです。
髑髏の騎士はこれからも強いでしょうし
スタンダード落ちしても再録されると思います。
髑髏の騎士はそういうユニットなんです。

カード考察第46回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

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2 コメント

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考察ありがとうございます (佐井方)
2010-05-18 20:30:36
確かに、髑髏の騎士はAレギュからGレギュに至るまで相棒がどんどん変わっていく中でも、登場当初からまったく変化が無いユニットですね。その当時でも屈指の対抗数をたたき出し、落としにくいユニットとして活躍していたのが思い出されます。

しかし、相変わらず白鳩さんの着眼点には恐れ入ります。属性変更コンボの英雄ですか…確かにいつ出てもおかしくないですよね。もし、髑髏の騎士と組めるレベルだったらと思うと…うれしいやら恐ろしいやら(ノ∀`)

モンコレ・クロニクルも始まりましたし、6月19日が楽しみです!

さて、次のリクエストですが深き森の騎兵団をお願いします。Sレギュのころは髑髏の騎士の相棒だったのでそのつながりで…。
Unknown (白鳩)
2010-05-21 11:28:22
深き森の騎兵団賜りました。
更新が先になるかもしれませんので
気長にお待ちください。

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