Sightsong

自縄自縛日記

梅津和時『竹の村』

2016-07-22 07:20:52 | アヴァンギャルド・ジャズ

梅津和時『竹の村』(Next Wave、1980年)を聴く。

Kazutoki Umezu 梅津和時 (as, ss, bcl)
Masahiko Togashi 富樫雅彦 (perc)
David Friesen (b)

梅津和時31歳のときの初リーダー作である。とは言え初々しいといったような印象は希薄で、梅津さんは既に堂々としたサックスを吹いている。この流れるようで艶やかな、上品も下品もあい混じったような音。ここに笑いや余裕や雑多さを積み重ねていった結果、さらなる「梅津和時」が次々に生まれていったのだろうなと思える。

デイヴィッド・フリーゼンの軽く中音域で歌うようなベースもいいが、何よりも感じ入ってしまうのは、富樫雅彦のパーカッションである。音の連なりは表面を端正に整えたように美しく、間もあって、まるで霧がかかって静かに時間が過ぎてゆく自然の風景のようだ。何度聴いても、誰にも似ていない偉大な匠だったのだなと実感する。なかでも、富樫のオリジナル曲「How Are You」がパーカッションを浮き立たせる繰り返しの構成で聴きどころ。

●梅津和時
くにおんジャズ(2008年)
『鬼太郎が見た玉砕』(2007年)
金石出『East Wind』、『Final Say』(1993、1997年)
梅津和時+トム・コラ『Abandon』(1987年)

●富樫雅彦
富樫雅彦が亡くなった(2007年)
『富樫雅彦 スティーヴ・レイシー 高橋悠治』(2000年)
富樫雅彦+三宅榛名+高橋悠治『Live 1989』(1989年)
内田修ジャズコレクション『高柳昌行』(1981-91年)
富樫雅彦『セッション・イン・パリ VOL. 1 / 2』(1979年)
富樫雅彦『かなたからの声』(1978年)
翠川敬基『完全版・緑色革命』(1976年)
富樫雅彦『風の遺した物語』(1975年)
菊地雅章クインテット『ヘアピン・サーカス』(1972年)
小川紳介『1000年刻みの日時計-牧野村物語』(1968年)
『銀巴里セッション 1963年6月26日深夜』(1963年)


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