梅津和時+トム・コラ『Abandon』(Umiushi Records、1987年)を聴く。
Kazutoki Umezu 梅津和時 (as)
Tom Cora (cello)
横田庄一郎『チェロと宮沢賢治』を読んだらなんだかチェロが聴きたくなって、中古棚にあったこれを買った。
梅津和時のサックスには艶も情けもあってとても好きである。しかし今は、何しろトム・コラの素晴らしいチェロ演奏で鼓膜がひたすら共振する。ドライな音を自在に操っていて、奇妙な明るさと奇妙な哀しさが共存している魅力がある。人生はお祭りだという意味での祝祭感も、トリスタン・ホンジンガーに負けていない。とにかく、聴いている間は気持ちが浮き立ち、また、なにやら悲喜こもごもを思い出してしまうのだ。
生前にライヴを体感したかったな。