施川ユウキ『バーナード嬢曰く』が好きである。
ということで、
「このマンガに出てきた本を何冊読んだか数えてみよう」
との企画。前回の1巻に続いて、今回は2巻です。
■『ドグラ・マグラ』夢野久作(未読)
ド嬢言う通り、読むことに「アピール」の要素が入る作品は、なんとなく手に取りにくい。自意識過剰。
■『白鯨』メルヴィル(未読)
読んだフリをしたければ、池澤夏樹『世界文学を読みほどく』の解説がオススメ。
■『老人と海』ヘミングウェイ(未読)
ヘミングウェイとか三島由紀夫とか石原慎太郎とか、「おまえ本当は軟弱なんだろ系マッチョ」は苦手。
そういえば、レイ・ブラッドベリがヘミングウェイをリスペクトする小説を書いたら、萩尾望都さんが巻末の解説ですごい嫌がってたなあ。
■『バラークシの記憶』マイクル・コーニイ(未読)
『ハローサマー・グッドバイ』の続編。積読。
■『Bloodline』フェリックス・フランシス(未読)
パパのディック・フランシスを長いこと読んでなかったけど、こないだ『興奮』読んだら超おもしろかった。
■『ダヴィンチ・コード』ダン・ブラウン(未読)
「脚本や構成はイマイチ練れてないけど、エンタメとしてはそこそこ」
というのは、一番燃えない評価であるなあ。
■『サラダ記念日』俵万智(未読)
読んだフリをしたければ、斎藤美奈子さんの『文壇アイドル論』がオススメ。
■『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』村上春樹(未読)
春樹は全然興味がない。
■『ノルウェイの森』村上春樹(読了)
『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』とこれはおもしろかった。
ただし、主人公が地図マニアのことをコケにしながら女の子に話すところで、本を放り投げそうに。
陰キャを笑って、女を口説く。嫌なヤツだ。
■『海辺のカフカ』村上春樹(未読)
内田樹先生をはじめ「村上春樹の魅力」を語る本でも、全然その良さが伝わってこない。なんでだろう?
■『グレート・ギャツビイ』スコット・フィッツジェラルド(未読)
昔、読もうとして挫折した。
■『キャッチャー・イン・ザ・ライ』サリンジャー(未読)
昔、読もうとして挫折した。
■『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー(未読)
ハードボイルドはハメットの方が好き。
■『ティファニーで朝食を』カポーティ(読了)
おもしろかった。映画版のオープニングは何度見てもマヌケだ。
■『一杯のかけそば』栗良平(未読)
うさんくさかったなあ。
ド嬢の感想は100%正しいけど、当時それを言ったら冷血人間扱いでした。
泣く子と「お涙頂戴」には勝てない。
■『ハイペリオン』ダン・シモンズ(未読)
長いので未読
■『ブラインドサイト』ピーター・ワッツ(未読)
未読。
■『SFが読みたい! 2014年度版』(読了)
いつもお世話になってます。
■『11/22/63』スティーブン・キング(未読)
長い小説は、長いというだけで手が伸びなかった。
それを打破できたのは、藤田宜永『鋼鉄の騎士』と船戸与一『砂のクロニクル』から。
「一気読み必至」な極上エンタメを一回読んだら、長編苦手意識は払拭できると思う。
■『2』野崎まど(未読)
野崎まどは、2冊ほど積読。
■『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹(未読)
なんてしゃらくさいタイトルだ。大御所じゃなきゃ、ゆるされないぞ!
■『春と修羅』『雨ニモマケズ』宮沢賢治(未読)
アンデルセンとこの人の人生を知って、「リリカル」≒「ボンクラ」という方程式が確立された。
■『きまぐれロボット』星新一(読了)
10代のころ山ほど読んだ。最相葉月さんの伝記『星新一 一〇〇一話をつくった人』も超オススメ。
■『虚胸の供物』中井英夫(未読)
このあたりの古典は読まなきゃなあ。青空文庫もあるし、老後の楽しみかな。
■『黒死館殺人事件』小栗虫太郎(未読)
同上。
■『シャーロック・ホームズの宇宙戦争』マンリー&ウェイド・ウェルマン(未読)
『ベネディクト・カンバーバッチのシャーロックでスピルバーグの宇宙戦争』のコラボで映画化してほしい。ホームズには巨大化して戦ってほしいね。
■『少女地獄』夢野久作(未読)
『ドグラ・マグラ』と同じ理由で手が出ず。
■『黙示録3174年』ウォルター・M・ミラー・ジュニア(未読)
未読です。
■『銀河ヒッチハイク・ガイド』ダグラス・アダムス(読了)
「地上げで地球滅亡」というオープニングにシビれる。
■『松岡正剛千夜千冊』松岡正剛(未読)
すいません。著者のこと知りませんでした。
■『星の王子さま』サン・テグジュペリ(読了)
語るのが少々めんどくさい作品。なぜなら、この小説を愛する人は「全員神林しおり」だから。
ちなみに、リリカルなイメージのあるサン・テグジュペリだが、『人間の土地』とか読むと、この人の本質はそこではなく
「硬質な文体で説教くさい人」。
宮崎駿が好きというのも理解できる。同じタイプだから。
■『シャーロック・ホームズの冒険』コナン・ドイル(読了)
ホームズはバカミスだよね。大好き。
■『注釈版 シャーロック・ホームズ全集』小池滋(未読)
小池滋さんは『ロンドン』もおすすめ。
■『オシムの言葉』木村元彦(読了)
ユーゴ紛争については、ややこしいところも多いけど、これと高木徹『戦争広告代理店』から入るといいと思う。
■『屍者の帝国』伊藤計劃&円城塔(未読)
伊藤計劃はいいけど、円城塔は苦手。『ゴジラSP』は大傑作。
■『深夜特急』沢木耕太郎(読了)
読書人生オールタイムベスト候補。
沢木さんって、「カッコイイ」と「痛い」の境界線上に立っていて、「カッコイイ」側に振れている人という印象。
多くの「沢木耕太郎」あこがれな作家やライターは「痛い」に振れている人が散見されて、読んでてトホホな気分になることも。
あと学生のころ宴会芸で
「深夜特急を桂ざこば風に朗読する」
というのをやったら、沢木ファンであろう女学生に、
「アナタが沢木耕太郎を嫌いなことがよくわかりました。才能に嫉妬してるんですか?」
とか言われて、
「ドアホ! んなわけないやろ! オレは沢木作品全部読んでるどころか、『深夜特急』は50回以上読み直してるんや! この芸も暗唱できるくらい読んでるからできるわけで、オドレみたいな文学かぶれの小娘に、そんなん言われとうないわ!」
……とは、もちろん言いませんでした。エライぞ、男の子。
■『失われた時を求めて』マルセル・プルースト(未読)
読んでるわけがない。
■『さまぁ~ずの悲しいダジャレ』さまぁ~ず(未読)
この回のオチはまったく感動的だ。神林の言う通り!
■『華氏451度』レイ・ブラッドベリ(読了)
おもしろいけど、「本ってステキ!」系作品は苦手です。
■『WORLD WAR Z』マックス・ブルックス(未読)
映画はバカバカしくて好き。
■『高い城の男』フィリップ・K・ディック(読了)
ディックは得意な方ではないけど、これはおもしろかった。
■『ヴァリス』フィリップ・K・ディック(読了)
ディックがラリラリで書いたそうだけど、「気ちがいなのにおもしろい」という不思議な小説。
■『虐殺機関』伊藤計劃(読了)
もっと生きていてほしかった……。
■『WATCHMEN』アラン・ムーア(未読)
アメコミは全然知らないなあ。
■『ノーストリリア』コードウェイナー・スミス(未読)
『新世紀エヴァンゲリオン』がブームのとき有名になった作家。読んでないけど。
■『オルタード・カーボン』リチャード・モーガン(未読)
全然知らない作家。不勉強ですね。
■『冷血』トルーマン・カポーティ(未読)
50ページくらいで挫折。評価の高い作品を読み切れなかったって、ものすごく言うのが恥ずかしいねえ。
■『69 sixty nine』村上龍(未読)
村上龍ファンの友人が多いんだけど、自分はそうでない。
■『伝奇集』ボルヘス(読了)
ラテンアメリカ文学は大好きだけど、なぜかボルヘスだけはダメ。
■『容疑者Xの献身』東野圭吾(読了)
傑作だけど、ただでさえ根性の悪かった著者の性格が、直木賞受賞で拍車がかかった。
■『モルグ街の殺人事件』ポー(読了)
ポーはミステリの祖であり、バカミスの祖でもあるという偉大な人。
■『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー(読了)
途中で犯人がわかって、すごくガッカリした作品。
ミステリを読んで「犯人当て」をする人の気持ちがわからない。ビックリしたいじゃん。
■『ラヴクラフト全集』ラヴクラフト(未読)
学生のとき手に取って読みにくかったので、「いつか読まないとなー」と言ってるうちに今に至る。
■『真昼の暗黒』アーサー・ケストラー(未読)
未読。なんか、日本と因縁がある人らしい。
■『ムーン・パレス』ポール・オースター(未読)
柴田元幸先生のファンだけど、意外と訳書は読んでない。アメリカ文学が苦手なのかな? ミステリは死ぬほど読んでるのにねえ。
■『第四解剖室』スティーブン・キング(未読)
キングは意外とハマらなかったが、『キャリー』読んで目覚めた。現在、読み直し中。
■『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー(読了)
世界の終りはやはり、悪いモヒカンと改造バイクが出ないとねえ。小説自体はさすがの名作。
■『嫌われる勇気 自己啓発の源流〈アドラー〉の教え』(未読)
アイリーンの教えだったら読みたいかも。
■『異邦人』カミュ(未読)
沢木耕太郎の影響で手に取ったが、20ページほどで挫折。
■『怪人二十面相』江戸川乱歩(読了)
乱歩チルドレンなので、そりゃもう読んでます。仏像に変装した小林少年萌えジュブナイル。
■『孤島の鬼』江戸川乱歩(読了)
乱歩先生のエッセンスが詰まった大傑作。真犯人の壮大なる夢に戦慄するとともに爆笑。
■『ペスト』カミュ(未読)
『異邦人』挫折組なので手を出さず。
■『はつ恋』ツルゲーネフ(未読)
そういや、ツルゲーネフって読んだことないなあ。
■『ジーキル博士とハイド氏』スティーブンスン(未読)
古典だから「読了したっぽい雰囲気」になってるよね。
■『二十日鼠と人間』スタインベック(未読)
なぜか妹が読んで、おもしろかったらしい。
■『春琴抄』谷崎潤一郎(読了)
高校生のころ読んだ。先端恐怖症の人は注意。谷崎は『痴人の愛』がバカっぽくて好き。
■『サロメ』オスカー・ワイルド(未読)
高校生のとき読んだ記憶があるけど、読んでない気もする。どっちだろう。
■『ハイ・ライズ』J・G・バラード(未読)
ニューウェーブは読んでないけど、たぶん苦手。
■『ファイト・クラブ』チャック・バラニューク(未読)
映画版を熱く語る人は友人に多い。
「肉体的な強さへのあこがれ」ってのが、全然自分にはないあな。
■『カッシアの物語』アリー・コンディ(未読)
未読。
■『火刑法廷』ジョン・ディクスン・カー(読了)
高校生のころ読んで、メチャクチャおもしろかった。
でも、その後長くカーを読まない時期が。翻訳のせいかな? 今は読みまくり。
■『皇帝の嗅ぎ煙草入れ』ジョン・ディクスン・カー(読了)
大人になって新訳で読んだ。傑作。
■『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』ウィリアム・ブリテン(読了)
こういうバカミスは大好き。
■『六枚のとんかつ』蘇部健一(未読)
「おもしろいことやりまっせ」感がどうもなあ。
■『火星の人』アンディー・ウィアー(読了)
絶望に対して徹底して「知恵とユーモア」で立ち向かう主人公の姿に感動。
■『サンリオSF文庫総解説』(読了)
図書館で借りて読んだ。
■『21世紀の資本』トマ・ピケティ(未読)
経済について語るには避けて通れない人らしいが、経済について語らないので読んでない。
■『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ(未読)
映画は良かったです。
■『電気風呂の怪死事件』海野十三(未読)
青空文庫収録作は、どうしてもあとまわしになってしまう。
■『万物理論』グレッグ・イーガン(未読)
SFファンの前で、イーガンにピンとこないというのは、とてもとても勇気がいります。
■『競売ナンバー49の叫び』トマス・ピンチョン(未読)
読んだふりをしたい人は、池澤夏樹『現代文学を読みほどく』がオススメ。
■『走れメロス』太宰治(読了)
勝手に「激怒」したあげくに、死刑を延期してもらう理由が「結婚式に出たい」だったり(出てから「激怒」しろ!)、そのエゴでセリヌンティウスを人質に差し出すし(鬼か!)、あげくに飲み食いしすぎて寝坊し遅刻しかけるとか、メロスのバカっぷりに本を投げそうになる。
……て、今気づいたけど、この物語の主人公って、きっとセリヌンティウスだったんだな。
「どんな愚かで自分勝手な男だろうと、キミは友を信じるべきだ」という。
これ、カットバック形式で、2人の心境を交差させて書くという設定にしたら、作者によっていろんな書き方がありそうだ。
(3巻に続く)