名南将棋大会ブログ 名古屋

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20180122今日の一手(その636);きれいな形で受ける

2018-01-22 | 今日の一手

20180122今日の一手

10月7日の名南将棋大会から、HさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが と金を作っています。よって先手の駒得です。
玉の堅さは先手の方が堅いです。58金と41金の違いだけですが。
先手の攻め駒は28飛88角21と で3枚。
後手の攻め駒は45桂1枚。34飛24角はすぐに使えそうなので3枚に近いです。

総合すれば先手が指しやすいです。

☆ 大局観として

先手は と金を作って駒得、その代わりに攻められているのですが、後手は44銀が負担です。34飛をさばいてしまうと44銀を取られてしまうのが難点なのです。先手は特におかしな配置の駒もなく、十分な形勢だと言えるでしょう。
まずは後手に攻められるのがどれだけ怖いかを確認しておきますが、44銀が浮いている、玉が堅い、ということから、結構強く対応できます。
あとは棋風によりますが、自玉を整備して安全重視、駒得だから長期戦で良し。というのもありますし、攻めさせてカウンターで仕留めるというのもあるでしょう。


△ 例えば96歩と損のない待ち方をしてみます。

後手からの攻め筋は36歩、これに同銀と取って57桂成25銀58成桂同金

飛角の両取り、さらに44銀も取れそうで、先手有利です。

後手は36歩同銀に37桂成

かもしれません。この時にも25銀28成桂34銀と取り合って、38飛には37飛

37同飛成同桂38飛44角57角成68金寄

これも先手の駒得が大きいです。後手は攻め駒が足りません。

もう一つの攻め筋は46歩で

さすがに取りにくいですが、56銀36歩同歩同飛には44角

と銀を取れます。39飛成17角47歩成同銀57桂成に24飛

69飛成同玉58成銀同銀24歩54歩

最後の54歩で53角成は57歩が嫌味です。結局は先手の駒得、後手の攻め駒が少なくて先手有利になりやすいのです。

後手の工夫は36歩同歩に47歩成と成り捨てます。

つまり46歩56銀を入れないと36歩に同銀だったので、1歩使って36同歩の形に限定しました。47同銀57桂成46歩

と我慢しておいて、58成桂同金45歩には26桂

飛車をどかして44角狙いで先手が指せます。つまり46歩34桂47歩成同金

これでも先手有利です。

後は37桂成

と捨てる攻め筋ですが、37同桂36歩45桂47歩成同金(これを入れなければ先手26桂がある)37歩成35歩

45銀34歩56銀同金28と

これでも先手が駒損ではないので22飛から攻めて指せそうです。

あるいは35歩に同飛として

24飛同歩44角47と

35角38飛68銀打(88の地点をカバーしておく)35飛成53桂不成

これも先手が指せています。

まあこんな激しいことをしなくても、46歩に38銀

と引いておけば37桂成の攻めがないので受けやすいのです。


△ 実戦では38銀と受けたのですが

良い形ではありません。43歩22と36歩23と46角

後手は46歩を打たないで銀を引いてもらえた形なので、46に角を逃げることができました。これでかなり受けにくくなっていて、33と同飛22飛成32飛

で飛交換、後手に飛までさばかれてしまいました。37歩成や57桂成が残っているので明らかに後手有利です。


○ 受けておくなら68銀

57の地点をきれいな形で受けておきます。舟囲いはここに銀を上がるほうが堅くなっています。
36歩には同銀~25銀ですから(後手から57桂成がない)、46歩ですが、素直に同銀と取っても、36歩同歩46角23飛成

33飛同竜同銀同角成か、36飛44角か、先手が指せます。

あるいは36歩に同歩ではなく11と

香を取っておいて、37歩成に35歩で返すのだってあります。28と34歩46角44角

これも先手が指しやすいです。

もっとも46歩には38銀

と受けを続けるほうが堅実なのですが。これで22と から活用していけば十分です。

もちろん38銀ではなく56銀で

攻めさせても構いませんが。


△ 68金上

と金無双の形にするのもあります。8筋を攻められる形ではないので、68銀のほうが良いとは思いますが。


△ 66角

でも57の地点を受けてはいますが、やはり68銀のほうを勧めます。


○ 他に考慮に値するのは48金で

金が離れて行くのですが、46歩に58銀

と引いて守れるというのが主張です。

36歩の攻めには同銀57桂成25銀

48成桂と取られても駒に当たっていないので飛車を取ることができます。


△ 守らないのなら11と

香を取ったらどうか。これに36歩や46歩なら十分に対応できますが、一度43歩と備えられて、68銀37桂成

と攻められそうです。(11と のせいで22と からの催促が利かない)
37同桂36歩同銀同飛47金76飛(31飛か)77香

76歩をかすめ取られるのは嫌ですが、ちょうど香を打てます。46飛同金同角23飛成37角成43竜

直線的な変化は先手よしなので、変化はあっても悪くはならないでしょう。


○ 22と と引けば催促になっていて

36歩には同歩と取って57桂成に23と

というのが継続した指し方です。47成桂に24と36飛47金39飛成25飛

先手の駒得で同時に後手の攻め駒が少ないので先手よしです。

後手は角をさばきたくて57角成なら

馬を取らずに46歩24歩23と(後手はこの交換を入れた方が良い)39馬24と31飛25飛

銀取りと桂取りが残っていますから先手よしです。


☆ まとめ

1手パスでも後手からの攻めには十分対応できるところでしたが、せっかくなら有効な一手を指しておきたいです。

堅実なのは68銀と57の地点を受けておいて、(36歩には同銀で指せるのを確認しておいて)46歩には38銀とがっちり守ります。後手から46歩は角筋が止まりますし、43歩と銀を守る手も消していますから、打ちたい歩でもないというのがつけ目でした。

37の地点を受けるならば、実戦の38銀では形が悪いです。46歩を打たれたら仕方ないかもしれないですが、自分から指したくはないです。
48金と寄るほうが(この場合は割打ちの変化がないので)しっかりしています。

あとは11と と22と のどちらが有効かの比較です。
11と~26香は飛車先が重くなるので、11と が香車を入手しただけの手、と金が働かないので香と二歩どちらが得かということだけです。
22と~23と で催促するほうが有効という場合のほうが対抗型では多いでしょう。

形勢が良いのならば自然な手を心がけるというのが基本です。それが駒の働きを考えていることになります。
受けに回るならばきれいな形を目指したいものです。そのほうが読み抜けが少なくなっていると思います。


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