第1問
駒得になるのは?
A 85桂 B 88飛 C 79角成
第2問
味よく受けます。
A 65同竜 B 71歩 C 87角
ここからは先手番森先生の手を考えます。
第3問
穴熊ですから竜を逃げません。
A 73同竜 B 52竜 C 64歩
第4問
こういうところはしつこく切れないように攻めます。
A 52同竜 B 61竜 C 63銀
第5問
気持ちよく決めます。
A 74香 B 72同角成 C 52角成
20180104今日の一手
10月7日の名南将棋大会から、MさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
桂と歩+と金 の交換です。後手に持ち歩があるので歩はカウントせず、損得なしに近いです。
玉の堅さは守りの桂がない分だけ先手玉のほうが薄いです。
先手の攻め駒は28飛63と と持ち駒角で3枚。
後手の攻め駒は94角65桂と持ち駒桂で3枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
後手もちですが、先手の劣っているのは玉の堅さだけです。ここで何か良い手があれば逆転も可能でしょう。
終盤なので単純な駒得狙いではだめですが、攻め駒が足りないのでなにか補充する手を考えてもよいです。
玉を固めるというのは今は銀の両取りですからこれを受けることになります。しっかりした受け方があればよいのですが、平凡な受け方では逆転しにくいです。
攻め駒は3枚しかないし、28飛は受けにだけ働いている感じです。どうやって攻め駒を増やしましょうか。
後手からは77桂成同金65桂という「お代わりの攻め」があります。7,8筋に歩が打てるので受けきりは難しそうです。どこかで攻めに転じなければ勝てないでしょう。
後手玉は3,2筋に逃がすと寄せにくいです。それを考慮しなくてはならないですがどう攻めましょうか。
× 実戦では22歩と打ちました。
玉の退路をふさぐ手筋です。後手は手抜いたので左右挟撃にはなりました。77桂成同金65桂78金77歩21歩成78歩成同飛77歩
「お代わり」が厳しすぎて明確な負け筋でした。先手の応手で変化はあるにせよ手数は延びません。
× 64角は厳しそうで
後手玉の退路封鎖と飛取りです。でも逃げてもらえないと飛車を取ることになるから91角、37角、46角も同じことになります。77桂成同金65桂82角成77桂成
飛を取ったものの、67角成が厳しく残っています。
91飛が両取りですが、合駒は61歩ですまされて、94飛成78歩同飛67金
後手玉が寄らない形なので、ゆっくり攻められて負けです。91飛の合駒に金銀を使ってもらえるなら逆転しているのですが。
受けを工夫します。お代わりの65桂に金を逃げて
88歩同飛77桂成に82角成
88成桂同玉58飛
銀取りが防げなくて寄せ合い負けです。
82角成がぬるいようなので、77桂成に84金はどうか。
52銀から飛を取る手を見ています。しかし78成桂同飛67角成
これが88銀同飛76桂以下の詰めろで負けです。うまくいきません。
○ 84金を先にすると
84同飛には52銀31玉43銀成同金75角
で王手飛車の筋があります。これは逆転。
後手は77桂成とするのでしょう。
52銀31玉43銀成同金64角
やはり王手飛車があるのですが、53銀82角成88銀
88同金に67角成で詰まされます。
王手飛車の筋で銀を渡すとだめだったので、94金と角を取って
78成桂同玉77歩同玉75銀83銀
これは難しい局面ですが、先手も十分に指せます。83銀では76銀と受けるのもあります。
あるいは77桂成に同金と取って
76歩78金84飛75角
82飛に52銀同飛同と同玉92飛
で角を取る順のほうがわかりやすいか。
後手としては77桂不成
と取るのもありますが、77同金とすれば前の変化と同じ。
79玉49角成52銀同飛同と同玉71飛76歩
というのは形勢不明です。21飛成31銀で先手が良いような気もするのですが。
× 73と はと金で飛を取りに行く手ですが
これだと と金が攻め駒ではなくなります。77桂成同金65桂82と77桂成
71飛も61歩で効果がなく、先手玉は詰めろです。
△ 受けるなら66銀右
あるいは68銀右でも同じことになりそうですが、77桂成同銀76歩66銀85銀
後手は銀を逃げて先ほどの84金を避けておきます。73金81飛62金
くらい。後手としては31玉には23歩の手筋がありますし、このままの形で駒を渡すのも怖いし64角もある、先手よしなのかもしれません。
なお76歩の時に84金とすると
77歩成同金76歩78金84飛
というのは、最初に84金とした変化と比べて、57銀が持ち歩1枚と替っただけなので先手の損です。その分この図は難しくなっています。
× 76歩はおとなしい受けで
後手から76歩と打たれるのを避けています。77桂成同金65桂66銀77桂成同銀67金69桂68歩
これは次第に駒を損していくので受けが無くなっていきます。
☆ まとめ
84金と攻め駒を増やしながら駒を取る手が有力でした。こんなところで駒を取るというか交換する手は疑問手になりやすいのですが、後手から取り返すと王手飛車あるいは詰めろで飛を取られる順があるのでした。取り返されないのならば、94角に当たっているので攻め駒を責める好手になったというわけです。
先手の74金は攻め駒に該当していないので、良い使い道があれば逆転の種になります。
実戦だとおそらく64角の方が良い手に見えるのですが(飛車が逃げて84金で勝ちに見える)、これは手抜かれてしまうと好位置を移動しなければならなくなります。遅れての84金はだめでした。
受けとしては66銀右あるいは68銀右が良いのですが、これは先の84金が有効であった、というのと関係しています。タイミングがずれただけで、後手が84銀を逃げる手の価値が高くなかったのでした。
特に終盤では飛取りをかけても手抜かれて逆転する(この場合は逆転のチャンスを逃した)ことがあります。
なるべく駒を渡さずに、飛取りの詰めろは高確率で好手になりますが、
駒を渡して王手飛車は微妙なところです。悪手の可能性もあります。(ここでは金1枚渡しても大丈夫でしたが、変化の中で銀も渡して王手飛車をかけたら詰まされました。)
それを知っているだけでも上達のヒントになるでしょう。