名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180120

2018-01-20 | 大山将棋研究
後手番森安先生の手を考えます。

第1問


2筋はどう受けますか?
A 32銀 B 36歩 C 51金

第2問


森安流の粘っこい手です。
A 32金 B 32金打 C 56角

第3問


平凡ですが正しい手です。
A 32金 B 53金 C 36歩

第4問


攻めをけん制します。
A 29飛 B 56飛 C 74歩

第5問


飛車取りですが。
A 46馬 B 45歩 C 57歩
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大山将棋研究(770);中飛車に57金戦法(森安秀光)

2018-01-20 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180120
昭和59年1月、森安秀光先生と第42期名人挑戦者リーグです。

森安先生のほうが中飛車で、大山先生は57金戦法(金立ち戦法)です。

森安先生は銀二枚で中央を守り飛車は3筋へ。これは古い形の振り飛車です。美濃囲い登場以前の。

大山先生は銀も繰り出してゆっくり攻めだします。中央を突き

位を取ります。

森安先生が3筋の歩を交換したら

大山先生は3筋も位を取ります。

それから中央を角金でねらいますが、攻めが単調な感じがします。46銀37桂が残って玉が薄いまま。

手厚いところを攻めるのは気が引けるところですが

金銀交換から角も交換になって

飛車先を破った、のですが、22飛成は33角~45歩、23飛成は56角~47角成、どちらも反撃がぴったりです。動いたのに戦果なしでは困りました。

34歩は33角や56角を避けたものですが、森安先生は32金打。32金と寄るだけでもよさそうなのですが、模様が良いのでゆっくり指します。駒を持ったら自陣に打つというのは森安先生の将棋の特長です。

23歩には角を打って歩を払い、ゆっくりわずかな駒得を主張します。

大山先生は角銀を打って攻めるのですが、単調すぎるでしょう。

飛車を切って銀を成りますが、歩切れは痛いです。

森安先生はここに飛車を打つものなのですね。攻めをけん制しています。

歩切れをついて、とにかく攻めにくいだろうと。

金を打たせて

飛車を切って駒得を広げに行きます。

大山先生も自陣飛車を打ち

両取りで

二枚換えですがまだ駒損です。森安先生の84香が好点で

39飛から31飛寄、飛車がダブっていますが、確実です。

大山先生は桂を捨てて飛車を取りに行きますが

森安先生は と金を作って寄せに入りました。

84香が利いていて受けはありません。

入玉だけ阻止すればよく

馬を切って馬を消し

いくばくもなく投了図。

46銀37桂が残ったままで、角金+飛で攻めるというのではうまくいく感じがしないです。飛車を走ったのに成れないのではっきり悪くなりました。並の棋士なら一気に寄せてやろうと考えるところですが、森安先生は自陣に駒を打ち付け、形勢が良いのに粘っている感じがします。これが「ダルマ流」の将棋です。大山先生と似ているのですが、ちょっと違います。
この時は谷川名人1年目の年で、この勢いで森安先生が挑戦しました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:森安秀光
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 5八金(49)
10 5二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 4三銀(42)
19 3六歩(37)
20 6二銀(71)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 5七金(58)
24 5三銀(62)
25 4六金(57)
26 3二飛(52)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 5七銀(48)
30 5一角(33)
31 2六飛(28)
32 6四銀(53)
33 6六銀(57)
34 8二玉(72)
35 5五歩(56)
36 7二金(61)
37 3七桂(29)
38 5二飛(32)
39 5四歩(55)
40 同 銀(43)
41 5五歩打
42 4三銀(54)
43 5六金(46)
44 3二飛(52)
45 5七銀(66)
46 3五歩(34)
47 同 歩(36)
48 同 飛(32)
49 4六銀(57)
50 3二飛(35)
51 3五歩打
52 5三銀(64)
53 6五金(56)
54 5二飛(32)
55 9七角(88)
56 4二角(51)
57 2四歩(25)
58 同 歩(23)
59 5四歩(55)
60 同 銀(53)
61 同 金(65)
62 同 飛(52)
63 4二角成(97)
64 同 金(41)
65 2四飛(26)
66 5一飛(54)
67 3四歩(35)
68 3二金打
69 2三歩打
70 1三角打
71 2七飛(24)
72 3四銀(43)
73 7五角打
74 4三金(42)
75 2二歩成(23)
76 同 角(13)
77 4二銀打
78 7一飛(51)
79 2二飛成(27)
80 同 金(32)
81 5三銀成(42)
82 3二金(22)
83 5五銀(46)
84 5六飛打
85 6六角打
86 7四歩(73)
87 9七角(75)
88 5一飛(71)
89 4三成銀(53)
90 同 銀(34)
91 4六金打
92 6六飛(56)
93 同 銀(55)
94 2八角打
95 2五桂(37)
96 1九角成(28)
97 3九飛打
98 2八馬(19)
99 3二飛成(39)
100 同 銀(43)
101 4二角成(97)
102 7一飛(51)
103 3二馬(42)
104 8四香打
105 4三馬(32)
106 3九飛打
107 7九金(69)
108 3一飛(71)
109 3三桂成(25)
110 同 桂(21)
111 4二銀打
112 5七歩打
113 3一銀(42)
114 5八歩成(57)
115 7七銀(66)
116 6九銀打
117 8八玉(78)
118 6八と(58)
119 同 銀(77)
120 7八銀打
121 7七玉(88)
122 8七香成(84)
123 6六玉(77)
124 7九銀(78)
125 同 銀(68)
126 5四歩打
127 4四馬(43)
128 4六馬(28)
129 同 歩(47)
130 5五金打
131 同 馬(44)
132 同 歩(54)
133 6一角打
134 5六金打
135 6五玉(66)
136 3二角打
137 5四歩打
138 5三桂打
139 投了
まで138手で後手の勝ち


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20180120今日の一手(その635);反撃に転じる

2018-01-20 | 今日の一手

20180120今日の一手

10月7日の名南将棋大会から、SさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしとします。
玉の堅さは先手の方が堅いです。
先手の攻め駒は56銀1枚。
後手の攻め駒は33角45銀で2枚。75飛も加えてよさそうで、3枚に近いです。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手は玉が薄いものの攻勢をかけてきました。もっと固めてから動かれるほうが困るところですが、ちょっとありがたいです。ただ7,8筋に不安があり、破られないようにあるいは破られても反撃できるように対処したいです。
具体的には87歩97角77歩成という攻め筋と、銀を交換して77銀という攻め筋が見えます。先手玉からは遠いところなので少し余裕があります。うまい反撃があるでしょうか?


× 実戦では素直に45同銀と取りました。

45同飛46歩75飛に38飛(77銀を避けた)

ここでは87歩97角88銀というのが嫌な攻め筋で後手もちです。実戦では77歩成だったので77同角で何でもないのですが、77同桂と取って87歩

で困ってしまいました。角を捨てて攻めましたが

後手優勢です。

46歩ではおとなしすぎるので48飛と受けてみます。

87歩97角66角

穴熊だからと言って56金とぶつけるわけにもいきませんから後手有利です。


△ 78歩が堅実な受けです。

46歩37金56銀同歩

57銀も何とかなるし(67飛58銀不成57飛47歩成同金)、45飛も48歩、これらは怖くないです。73桂には48飛か。
後手が歩切れなので先手の2歩得を主張します。

攻めてもらうのは問題ないのですが54銀

と引き上げられた時は手を出すところが少ないです。後手の52金上、22玉~32金、73桂、という手の価値が高いのでどうしたものか、というのが課題です。


△ 67飛は振り飛車らしい受け方だという気がします。

56銀同歩78銀57飛89銀成

97角に99成銀か52金上か。(97角77歩成85歩なら先手よしですが。)形勢互角です。


× 46歩も堅実そうですが

56銀同金77銀

これは困っています。右側ではおとなしくしないほうが良さそうです。


○ 48飛とまわるのが攻防で

銀を渡して77銀の打ち込みを避けています。56銀には同金で

44歩~43銀を狙えます。これは先手が指しやすいでしょう。

後手が46歩も同金同銀同飛

後手は歩切れですから4筋を受けにくくなっています。

後手は4筋をいじらないで87歩

がどうか。97角77歩成には85歩

85同飛に77桂がぴったりです。

ということは後手から動けなくて52金上

くらいなのですが、45銀同飛46金75飛56金

飛をぶつけられないので手損ではありますが金を移動して4筋を狙います。43歩の受けに44歩同歩65歩

として先手好調です。77銀には97角~85歩と使えばよいです。43金右に66角74飛55金

自然に駒を進めて攻めが続く形です。

後手は銀を逃げておく我慢が最善か。

これに46金52金上45銀

駒をぶつけて指しやすくなっています。


△ 他には38飛もあるか。

46歩37金56銀同歩47銀

わざと打たせている感じですが、68飛56銀成48歩

87歩97角77歩成58飛55成銀85歩71飛54歩

後手の歩切れを突いて反撃できます。

後手は歩切れにならないように単に56銀と取って

56同歩には87歩97角66角

で指しやすいです。

56銀には同金で

47銀も37飛56銀成同歩

は銀2枚を手持ちにしています。54歩同角55銀~44歩という攻め方ができるのでまあまあ指せそうです。
後手は銀を交換しない方が良いのでしょう。すると38飛がぼけているという気がします。


△ 37金は玉を固めた手で

後手の46歩を避けてもいます。56銀同歩87歩97角77歩成85歩76飛48飛

今度は37金が攻めに使えていないのですが、守りに働いています。後手は歩切れなので4筋を受けにくいので先手よし。

56銀同歩のところで52金上

と手を戻すくらいで互角です。後手は87歩とか77銀とか(これは指さない方が良い)攻めるのは後回しです。


△ 後は43歩同金44歩

と連打するのも考慮に値します。44同金45銀同飛48飛

としておくと4筋の反撃が強力です。

とすれば43歩に52金寄か。

利かしなのですが、この後攻め続けられるかどうかです。


☆ まとめ
振り飛車穴熊では囲いに手数がかかるので、居飛車に素早く攻められた時には受けが間に合っていなかったり、囲いが完成していないことが多くなるでしょう。囲いを優先すべきか、守りを優先すべきかというのは悩みどころです。この問題では囲いを優先したのですが、代わりに7,8筋が手薄いです。受けきれないのですが、87歩97角77歩成には85歩が反撃です。68飛が移動してしまえば77銀の打ち込みは97角でかわしています。
つまりは左翼を軽く受け流して、右翼で反撃を見たいのです。後手陣は4筋が薄いので48飛が一番良い手でしょう。自然に銀交換に応じて謝るよりも、4筋の動きを逆用すれば一気に形勢が良くなる可能性が高いです。相手の動きを逆用する、カウンターで攻めるのはかなり強力なものなのです。


後手の方も攻めがたいしたことがないので、自玉の薄さが目立ちます。
7筋でややポイントを上げたところで

自玉に手を入れるほうが戦い上手だろうと思えます。少しポイントを上げたら相手が反発する(少し無理でも動いてきて)のを待ってカウンターを仕掛ける。これはクロスカウンターです。
平手の将棋では戦力互角ですから、一方的に攻め切れるということはないです。相手のミスがあった時に強く動くという呼吸を覚えたいですね。

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