名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20171215

2017-12-15 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


金を出られたので少し戦線を広げて考えます。
A 55角 B 44銀 C 35歩

第2問


どこに逃げるのも悪くはないのですが。
A 22角 B 42角 C 51角

第3問


ここもどれでも悪くはないのですが。
A 22飛 B 34飛 C 34金

ここからは先手番桐山先生の手を考えます。

第4問


チャンスがやってきました。
A 22歩 B 73歩成 C 44馬

第5問


これで逆転です。
A 74歩 B 75飛 C 66桂

第6問


飛を取られても大丈夫なように。
A 62飛 B 95歩 C 73飛成
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大山将棋研究(734);中飛車に45歩急戦(桐山清澄)

2017-12-15 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171215
昭和58年9月、桐山清澄先生と第22期十段戦です。

大山先生の中飛車なのですが、後手番で54歩を突くと

32金が間に合わず、桐山先生の45歩急戦ということになりました。

対策は32金44歩同銀~42飛もあるのですが、大山先生は55歩を選びました。少し前に55同角32金37桂54飛、というのがありましたが、桐山先生の55同歩というのは見たことがないです。

桐山先生らしい、形にこだわらないというか、独特の感覚が出てきました。金で抑え込みに行きます。

大山先生は3筋に手を付け

飛を5筋にまわられたら銀を戻します。

桐山先生は端角で使いますが

66金は攻め駒ではないです。飛角だけでは足らないでしょう。45桂と跳ねる展開にならないといけないのですが

角交換は歓迎ではないです。

歩を使って動いてみますがここまで。

75歩は74歩同歩53歩成同歩41角、というくらいの狙いでしかありません。大山先生はそれを封じておくくらいでも十分ですが、金を出ていき36歩がまわれば勝ちです。

桐山先生はやむなく飛を切りました。

74同歩65角成を大山先生は面倒と見たか

角筋を避けて62金は少し損をした感じがします。金を打たれて

かわせばまだまだ良いのですが、馬を作られて怪しくなってきます。

角を打って銀を守り、45馬に54歩が問題の手で、74歩と懐を広げておくべきだったか。

角を取られて62角をうっかり。この時に54歩よりは74歩のほうが良いのです。

飛車を殺されてどうしたものか。

なるほど、自陣飛車を打って清算してしまえばまだ良さそうです。

ところが金を取って

詰めろの55角ですが

桂を攻防に打たれて困りました。

飛車を取られて

金を渡してから金を受けるというのもおかしな手順です。

なかなか74飛を取れず、銀も使われて

端が厳しいです。

投了図。

大山先生が優勢のはずですが、ちょっと見落としがあって、まだまだ良いのだけれど、簡単に勝ちだと思ったらそうではなかった、という将棋です。桐山先生は拾い勝ちでした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:桐山清澄8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 6八銀(79)
16 7二銀(71)
17 3六歩(37)
18 5四歩(53)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 4六歩(47)
22 4三銀(42)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 4五歩(46)
26 5五歩(54)
27 2四歩(25)
28 同 歩(23)
29 5五歩(56)
30 4五歩(44)
31 3七桂(29)
32 3二金(41)
33 5七金(58)
34 3五歩(34)
35 2六飛(28)
36 3四銀(43)
37 3五歩(36)
38 同 銀(34)
39 5六飛(26)
40 4四銀(35)
41 6六金(57)
42 4三金(32)
43 9七角(88)
44 3二飛(52)
45 5四歩(55)
46 5二歩打
47 3六飛(56)
48 6四歩(63)
49 2二歩打
50 同 飛(32)
51 6四角(97)
52 3二飛(22)
53 3四歩打
54 4二角(33)
55 同 角成(64)
56 同 金(43)
57 3三歩成(34)
58 同 金(42)
59 3四歩打
60 4三金(33)
61 2六飛(36)
62 3四金(43)
63 7五歩(76)
64 3六歩打
65 同 飛(26)
66 3五金(34)
67 4三角打
68 3一飛(32)
69 3五飛(36)
70 同 銀(44)
71 5三歩成(54)
72 同 歩(52)
73 7四歩(75)
74 6二金(61)
75 5二金打
76 6三金(62)
77 3二歩打
78 7一飛(31)
79 3四角成(43)
80 4四角打
81 4五馬(34)
82 5四歩(53)
83 4四馬(45)
84 同 銀(35)
85 6二角打
86 同 金(63)
87 同 金(52)
88 4一飛(71)
89 7二金(62)
90 同 玉(82)
91 5二銀打
92 4二飛(41)
93 4三金打
94 6五歩打
95 同 金(66)
96 6二飛打
97 7七桂(89)
98 6五飛(62)
99 同 桂(77)
100 5五角打
101 7三歩成(74)
102 同 桂(81)
103 同 桂成(65)
104 同 玉(72)
105 6六桂打
106 8五桂打
107 7四飛打
108 8二玉(73)
109 4二金(43)
110 7七歩打
111 7九玉(78)
112 7八金打
113 同 金(69)
114 同 歩成(77)
115 同 玉(79)
116 7七歩打
117 同 銀(68)
118 7三金打
119 9五歩(96)
120 5六角打
121 6三銀成(52)
122 7二金打
123 9四歩(95)
124 7四金(73)
125 同 桂(66)
126 同 角(56)
127 9三金打
128 8一玉(82)
129 9二金打
130 投了
まで129手で先手の勝ち

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20171215今日の一手(その617);寄せ合いに行くタイミング

2017-12-15 | 今日の一手

20171215今日の一手

9月17日の名南将棋大会から、TさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
仕掛けから見てみます。

角交換四間飛車に右四間飛車で対抗しました。45歩は1歩持とうということですが、45同歩に同飛は無理ですから45同銀。47歩同飛28角

と打たれて、しまった、という図です。飛が向き合って間に自分の駒があるときは危険です。香取りは防げません。困って43歩に同金

と取ってもらって助かりました。42飛を逃げられたら困っていたのですが。44歩同銀同銀同金31角43飛32銀

今度は飛の間に後手の44金があります。これで大成功。46歩同飛45歩48飛19角成43銀成46香というのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
香と飛の交換で馬と成銀を作り合っています。成銀よりも馬のほうが大きいとはいえ、先手の大きな駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅い(というよりは戦場から遠い)です。49金も考慮すれば同程度か。
先手の攻め駒は31角43成銀と持ち駒飛で3枚。
後手の攻め駒は19馬46香と持ち駒銀で3枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手が確実に上回っているのは駒得だけですが、飛取りで返されました。この処置をどうしようか、というのが問題です。飛車を逃げて成銀を取られて(というやり取りは得ではないですが)、それでも2枚換えですから何とかなりそうです。
駒得の時はなにか嫌味がついているもので、なるべくすっきりした形で駒得を保ちたいです。一昨日もそうでしたが、駒得は怖いのです。


× 飛を逃げるとしたら58飛ですが

49香成44成銀なら先手よしです。43金に39金47香成59飛

うまく飛金をにげた(29桂を守った)感じなのですが、48銀同金同成香79飛32金

と角を殺されたらまずいのです。これは逃げ回ったのが失敗しています。一つ前の図でも2枚換えですから先手よしとは言えません。


△ 実戦では47歩と打ちました。

これが自然な対応だという気はしますが、47同香成同飛29馬

ここで飛を見切って44成銀47馬48香

馬を追ったつもりが、19飛59金打(79飛はあったか)48馬同金左46香

うまい受けが無くなりました。やむなく53角成48香成22飛49飛成71角92玉

寄せ合いに行きましたが駒が足りません。21飛成は2手すきですが、79金88玉85桂

が詰めろ。これは明確な一手負けです。

途中48香が甘く、53角成

から寄せ合いならば攻め駒4枚で勝ち筋でした。19飛に62香71金41飛

という寄せ方です。

では47歩で先手勝ちかと言えば、後手は清算せずに43金

と成銀を取る手があります。46歩29馬22角成47銀

これでも先手駒得なので悪くはないですが、互角に近いです。


○ 46同飛

と香を取るほうが明快です。46同歩44成銀として金得なのです。29馬53角成47歩成62香

4つ前の図と似たようなことで、駒損の後手が粘る手順は少ないはずです。どこかで71に銀を埋めるくらいですが、先手は攻め駒4枚ですし44成銀を使うこともできます。


○ 44成銀でもよさそうで

48香成同金59銀に手を抜いて53角成

48銀成31飛59飛69香

香を打たないといけない分だけ劣りますが、どこかに金を打たれても馬を切って寄せていけます。


△ 53角成を先にすると

43金同馬48香成同金52銀

先手の駒得がほとんど消えています。しかし44馬28飛58金右29飛成56香

後手が歩切れなので先手よしではあります。


× 22飛だと

43成銀47歩29馬

後続の攻めがなくて失敗です。46歩47銀では少し悪いでしょう。


× 41飛なら成銀にひもがついていますが

43金同飛成52銀

なので効果なし。


☆ まとめ

駒得を意識しすぎると守ろうという心理が働いて失敗しやすいです。
実戦の47歩(飛取りは避ける)同香成同飛29馬、となったところで飛を見切ったのは良い判断でしたが、まだ駒得だからと香を打って受けたら受けになっていませんでした。手駒を受けに使ったので攻め駒不足、寄せ合い負けになりました。受けずに寄せ合いなら勝っていたでしょう。
将棋は駒得だけで勝てるゲームではないので、(入玉を除けば)どこかで攻めに転じないと勝てません。攻め駒が4枚になったとしたら、受ける方は適当なところで切り上げて寄せを考えましょう。


46同飛と取ってしまうのが明快で、駒得は消えますが金を取れば再び駒得です。同時に53角成とすれば攻め駒4枚になるわけですから寄せ合いに出るチャンス。この時に「一段金に飛捨て有り」なので、46で飛香交換するほうが優ります。

後手から48香成とされると48同金の形が少し弱いです。とはいえ44成銀48香成同金59銀の時も寄せ合いに出るチャンスです。(もらった香を受けに使うので、48香成の時に寄せ合いでも同じようなことになりましたが。この時は44成銀も攻めに使うことで対応します。)

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