蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ゴールド・ボーイ

2024年03月13日 | 映画の感想
ゴールド・ボーイ

沖縄の大企業グループのオーナーの女婿の東昇(岡田将生)は周到な計画でオーナー夫妻を崖から突き落とし殺害する。中学生の安室朝陽(羽村仁成)は偶然に突き落とす場面を動画撮影し、継父になじめず家出してきた友人の上間兄妹とともに東昇にこの動画を買い取ってもらおうとするが・・・という話。

いやー、もしかするとエンタメ作品としては、これまでみた映画で最高の出来だったかも。
とにかくテンポがよくて、説明は最小限なのに五転六転?くらいするストーリーを実にわかりやすく、「次、どうなるの」感満載でスピーディーに展開して、文字通り時間の経過を忘れさせてくれる。
まあ、反面、テーマ性とかアート性、あるいはリアリティ(実際にはこんなにうまくいかないよね)は皆無なんだけど、そんなことどうでもいいとも思えてくるほど楽しめる。

主役の朝陽とヒロインの上間夏月(星乃あんな)のセリフ回しは少々苦しいが、岡田将生、黒木華(朝陽の母役)、江口洋介(刑事役)、北村一輝(朝陽の父役)といった芸達者がカバーしてくれている。
特に岡田将生。最近の出演作を見ていると悪役の方が似合っている感じだったが、本作は本当に素晴らしい。表情の変化が特によかった。
悪役が似合いそうな北村一輝が、悪人ばかりの登場人物の中で唯一まともそうなキャラというのもいいなあ。(善人っぽい黒木華や江口洋介も実は・・・という匂わせもいいね)

監督の金子さんってガメラの監督だよね?特撮系に特化した人なのかと思っていたけど、そんなことなかったんだね。監督の編集力が本作の成功要因だと思うし、異国感を強調した沖縄の表現も出色だったと思う。タイトルロールの最後で続編作成を予告していた?ので、とても楽しみだ。あのくらいで朝陽はギブアップしないよ、きっと。

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