蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

小牧長久手仁義

2022年12月22日 | 本の感想
小牧長久手仁義(井原忠政 双葉文庫)

5か国の太守となった家康は、信州の惣奉行に大久保忠世を指名。忠世配下の茂兵衛も信州に赴き「表裏比興の者」と呼ばれる真田昌幸と何度か面談する。織田信雄と同盟した家康は秀吉の大軍と対峙することになるが・・・という話。

本シリーズは、茂兵衛という兵隊クラスの視点から描かれるという、あまり類を見ない合戦場面が出色の出来。姉川も三方原もよかったが、本書の長久手の戦いが一番の出来だと思った。

兵数的に劣勢で、下手を打つと自軍の根拠地を一気に攻略されかねない状況で、家康は忠世に無理目の指示を出す。持ち帰った忠世も配下の寄騎からの反発にあう・・・といったあたりの作戦会議?の部分も、
クライマックスで井伊の赤備えが殺到する合戦場面も、
最前線で見た戦国合戦というムードが濃厚に漂って楽しめた。
コメント
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