きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

「大人になりたくなかった少女の物語」/立原えりかさん

2019-01-16 | 読んだ本
今日一日「急がない!」をモットーにしてみました。(^_^;)なるべくその時その時をかみしめ、じっくり味わって過ごそうとしたのです。

炊きたてのご飯を少しよそって、残ったおでんをかけて食べてみたり・・・化粧水もゆっくり塗り塗りしてみたり・・・・。

あ~~~!!もうあと10分しかない!!(+_+)
慌ててkeke弁当をつめ、マヨネーズが底の方が出ないので、マヨネーズをかけるのをやめ、(ソースがあればいいか)とお弁当用ソースを小箱ごと入れてしまいました。

あ~~~!!ペットボトルにお風呂のお湯を詰めてない~!!(フロントガラスの霜を溶かすため)
慌てて入れて、駐車場まで駆け出し・・・・・

いつもより急いでいたりして・・・(^_^;)


今日最後に紹介するのは、立原えりかさんの文庫本「はかない心」(立原えりかの世界Ⅰ)。
この中の「大人になりたくなかった少女の物語」。このお話はあまり童話っぽくなく、立原さんの少女時代を彷彿させる物語になっているのです。

こちらの最後のエンディングがとても素敵だったので、それを引用します。
これはある一人の少女が、「作家になりたい」という夢を一歩一歩かなえていくお話です。

ある静かな情熱を持った「大人になりたくない」少女が、自作本を作るために昼も夜も働きます。いろいろ嫌な思いもしながら、本を作るためだけに一生懸命働きます。やがて本は完成して、とても喜ぶのですが、まもなくその夢から覚めてしまいます。作家になるなんて、とても大それたことでなれるようには思えません。
でもやはり少女はどうしても諦めきれず、また童話を書き続けます。
そして、その作品が新人賞に選ばれたという知らせがきました。

そこからが最後のクライマックスになります。

(以下本より引用)

少女はまた、本ができあがった日とそっくりの、幸福のきわみにのぼって行きました。けれどももう、わかっていたのです。その幸福も、永遠につづきはしないと。
かつては、ひとつのおはなしを書きあげるだけで、満足しました。雑誌の投稿して、おはなしが活字になったときには、天国への入り口が見つかったようにうれしく、本をつくりあげたときにはこの世に、これ以上幸福はないと感じたものです。でも、幸福はしばらくつづいて、少しづつ消え去りました。
「それからは、一生しあわせにくらしました」という、おとぎばなしの終りをしめくくる言葉が、この世に生きている人には通じないのです。

   (中略)

少女は、大人になりたくないと思っている自分を、愛しはじめていました。目につくかぎりの、あるがままのものを、いとおしむことを、おぼえていました。大人というものが、みにくく汚れはてているのなら、そのみにくさや汚れを愛してしまえばよかったのです。ゆるしてしまえばいいのです。
  (原文のまま 引用ここまで)


私はこの最後のエンディングに向けた文章がとても好きだったので、写し取っておくことにしました。
「それからは一生しあわせにくらしました」というおとぎばなしの終りを締めくくる言葉は、この世に生きている人には通じない・・・いったい私は何回その終りを夢見ていたのでしょう。

手に入っては次を求め、またその繰り返し・・・・
いつまで経っても望みは尽きることが無い。。。

今、目に見えるものの全てを、受け入れ許してしまえば良かったのですね。(^_^;)

そのことをまた1年後も思い出せるようにこうして今日は書いておくことにします。