脱サラして一人親方になりました

脱サラして独立。我が道を行く男の独り言

後継者⑭ 一区切り

2021年03月30日 | 職商人の道
長くなりましたが、後継者の話は、ここで一区切りします。
まだまだ想像にすらならない「妄想」の世界ですからね。
「自分の年齢的に」と考えただけです。

妄想しながら考えるのが「時代錯誤」との闘いです。
昔からの習わしを全否定するつもりはありませんが、後継者を育てるという部分では、見習えない部分が多いと感じるのです。
私が苦しんだ部分、悩んだ部分。
これは「乗り越えるべき部分」もありましたが、ほとんどが「時代錯誤で、乗り越える必要が無い部分」でした。
歌舞伎などの伝統とは違い、昔を守る必要はありません。
今に合わせた変化を肯定し「生き残る道」を示すべきです。

後継者も、ただの職業の一つなんですよ。
伝統を守りたいと「後継者が」考えるなら、そこの手助けは必要です。
が「伝統を守ることが後継者の務め」では無いのです。

ハッキリ言って、誰にでも勧めたい業界、業種ではありません。
将来性も豊かとは言えません。
ただ「魅力が無い」とは思いません。
独自性が反映されやすい商売だと考えています。

若者に限らず、同じ道を目指す人がいるなら、何かしらの手伝いはしたいなぁと思っています。
「職人」ではなく「職商人(しょくあきんど)」としての道です。

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後継者⑬ 七光り

2021年03月27日 | 職商人の道
2世タレント、2世議員。
この言葉を聞くと「親の七光り」をイメージされる方も多いかと思います。
親の権力による恩恵、これを「能力・実力以上に」与えられることが「親の七光り」です。

我々のような自営業は、権力というほど大きなものはありませんが、「取引ルート」「販売先」という「経営基盤」は持っています。
後継者には、この基盤を引き継ぐ権利(義務ではありません)があります。
ゼロから作り上げるよりは遥かに有利だと思います。

ただ、実力無く引き継げば「七光り」と言われて、かえって不利に働く事もあります。
先代(親)を知っているからこそ、比較されてしまうのです。
だからこそ「引き継げるだけの能力」に鍛える事が重要だと考えます。

そこで、取引先にも鍛えてもらうようにお願いします。
「至らない事があれば遠慮なくクレームを出して」という事です。
もし、相手が「後継者では話にならない」と、取引に難色を示すようなら、何が悪いのかを徹底的に追及して、改善できないものであれば、思い切って取引を止める事も考えます。
これは、後継者に問題があるだけでなく、取引先に問題があるケースも考えられるからです。

親(先代)の地盤が有利に働くかどうか。
これは「後継者が決める」べき問題であり、仮に、自分が築いてきた人間関係を全否定される事になっても、否定する事はできません(という覚悟で臨むべき)
また、地盤を引き継げる能力が無いと判断すれば、引き継がせないという決断も必要です(これも、そういう覚悟でという意味)
取引先には「後継者」ではなく「新しい取引」という扱いにしてもらえば良いのです。

後継者は、少なからず「七光り」の影響(恩恵だけでなく、マイナス面も)を受けます。
これを否定するのではなく「影響を受ける」と肯定し、その上で工夫しながら引き継げれば良いと考えています。

・・・・・私の見習い先は、親方(先代)が過保護にしていたので、後継者がバカにされていました。
あれも気の毒ですよ。ある意味で虐待です。
厳しくしてあげるという「姿勢」も、周囲を納得させる手段なんですけどね。

続きます。
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後継者⑫ 当たり前ではない

2021年03月26日 | 職商人の道
ある後継者(Tさん)の話。
先に結果を書きますが「結婚を機に」後継者を辞め、別の道に進みました。
勇気ある決断だったと思います。

一人の時には気づかないもの、いや、気づけないものが、友人から教わる事、赤の他人を見て気づく事があります。
結婚相手からの忠告も大きな要素かもしれません。

Tさんの父親は工務店経営。母親は、その事務職(とは名ばかりの専業主婦)
Tさんも、将来はそうなるべきだと考えていたそうです。
しかし、お嫁さんに「それで生活できるのか?」と言われ、いろいろ考えるうちに、何の具体性も無い事だと気づいたそうです。
収入面は分からない。今は見習いだから仕方ないとして(これも25歳くらいの話ですから、ちょっとおかしい)後を継いでも、どのくらい収入があるか分からないのです。
それどころか、作業場の維持にいくら掛かるのか、借り入れの返却はあるのか等、お金の事が全く分からない状態でした。

お嫁さんから、「そんな状態では、私と子供(この段階では居ません。将来の話)が犠牲になるだけだ」と厳しく言われたそうです。

Tさんは意を決し、社長(実父)に状況を聞いたら、収入、維持費は曖昧な答え、借り入れ(ローン)はある(けど金額は言わず)
が「この家、作業場もオマエのものになるんだぞ」と。

Tさんは悩みましたが、跡継ぎを辞めました。
将来性が見込めなかったのでしょう。
親は、Tさんを責めたでしょう。お嫁さんに責任を転嫁したかもしれません。

Tさんを見て気づくのは、親は「Tさんが継ぐのが当たり前」だと思っていただろうという事。
辞めるなんて思わず、何の策も無かったのです。
「親子だから」と甘えたのです。

この話は「親として見習えない例」です。

続きます。

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後継者⑪ 収入

2021年03月25日 | 職商人の道
自分の給料を子供に話すか?
幼子であれば悪影響を考え言わず、成人後はプライドが邪魔をして言えず。
親子で収入を知っているという方のほうが少数派ではないでしょうか。

私は後継者を育てるにあたり、自身の収入を伝えるつもりです。
売上、仕入、経費など、全てを伝える中で必要な事だからです。
ただ、伝え方として「月収」「年収」という単位だけでなく、「現場」「作業」「商品」という単位で説明するつもりです。
もちろん段階を踏んで少しずつですが、大枠(おおよその平均年収)は、就職前に伝えます。

後継者も、ほかの仕事も「ただの就職先」です。
収入は仕事を選ぶ上で重要です。だから伝えるべきです。

と、こういう話を職人仲間にすると「腕によって違う」とか「取引方法による」など、「伝えたところで、その通りになるか分からない」という話になります。
これが狭い世界だと感じます。職人業界の悪い部分です。
サラリーマンだって同じなんですよ。
同期入社でも差が出るし、実力だけで評価されない部分も出てくるのです。

重要なのは「私が」という基準なんです。
私と同じようにできるか、もっと上を目指せるか、そういう基準を作るべきだと思うのです。
だから「世の中が」とか「ほかの会社が」なんてどうでもよくて、「私が」という基準だけ。
それを、後継者がどう判断するか、という事なんです。

私の働き方(時間、休日)と収入だけを聞けば、かなり魅力ある仕事に見えるでしょう。
この魅力が無いなら、後継者なんて考えるべきでは無いのかもしれません。

続きます。

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後継者⑩ 禁句

2021年03月20日 | 職商人の道
「やってみなければ分からない」
私、この言葉が大嫌いです。
分からない? そんなの当たり前です。
「呼吸をしなければ死ぬ」と同じですよ。

「やってみなければ分からない」を経営者が言ったら?
無策なイメージがあり、どうしても好きになれません。
「チャレンジしてみろ」と肯定的に聞こえないのです。

いや、誰だって分からないのです。
ですが、経営者(責任者)の立場なら「こういう結果になると考えて実行する」というべきだと思います。
結果を想定したうえでの計画、実行です。

後継者を育てる事も「やってみなければ分からない」のです。
が、後継者の人生に対し「やってみなければ分からない」なんて軽々しく言えません。
「私はこうなると考えて(こうなって欲しいから)このような行動をとる」という言葉で、しっかり責任を果たしていく。
それに対し、後継者が「こうなりたいから、一緒に頑張っていきたい」と思ってもらえれば幸せです。

同じく、後継者が将来の不安を口にしたら「俺も不安だよ」なんて寄り添う事はしません。
「俺はこうやって乗り越えようと思う」と、解決策を「持っている」と伝えたいです。

・・・・これ、私の元上司の口癖でした。
何かプランを立てて「「やってみなければ分からない」
部下が「それで結果が出るか不安です」と言えば「俺だって不安だけど「やってみなければ分からない」だろ!」

やっぱり尊敬できないです(笑)
自分は部下を鼓舞しているつもりだったのでしょうけどね。

私は、この2つを禁句にするつもりです。
続きます。
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