魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

ミイラ取

2012年09月18日 | 日記・エッセイ・コラム

企業が、もうけを考えるのは当然のことだ。しかし、目先の利だけを考えて原発停止に反対したり、人口に引かれて中国に殺到するのを見ていると、企業経営者には、先見の明や大局観など全く無いということを改めて思い知る。単なるゴールドラッシュの亡者に過ぎない。

なぜ、定見もなく、こうも浅ましいのか、考えてみると、現在の日本企業の経営者には、ほとんど創業者がいない。
経営専門家や跡継ぎ経営者は、決して企業を潰すわけには行かない。

創業者は、極端に言えば、「どうせ自分が興した会社だ、潰しても文句はあるまい」と腹が据わっている。
無茶な突撃もできるし、自分の判断で撤退もできる。
経営の専門家は全くこの逆だ。失敗も許されないし、利益を捨てて撤退することもできない。良い成績のことしか考えられない。

先見の明は、商売だけとは限らない。
ある創業経営者が、およそ高級住宅街とは言えない所に、自分の屋敷を構えた。すると、その屋敷があることで地価が上がり、跡継ぎ経営者達の間で、その界隈に居を構えることがステータスになった。

つまり、成功後の日本は、この程度の、後追い経営者ばかりになった。
自分の信念で興す多彩な創業が失われた。社員も、就職システムで入社し、今日の多くの経営者も、そのレールを走った結果だ。
この逆に、現在の中韓の経営者は、みな創業経営者だ。

中国の、人口という撒き餌に群がる企業には、理念がない。
大局観や信条によって行動するのではなく、ただ目先の欲、電車に乗り遅れるなの熱狂で進出し、逆に、損失を恐れて、撤退のタイミングを失う。

企業は生産基地を海外に移した方がいいと思うが、アメリカのような移民国家と、排他的な民族国家とはまったく違う。
日本もそうだが、民族国家は他者を受け入れる気がない。吸収して自分のものにしようと考える。

高速鉄道に見るように、中国のような巨大民族国家は、もともと危険だ。ロシアもサハリンプロジェクトの例がある。
日本が40年掛かって開発した虎の子の中空紙膜を、サムソンは3年で開発したそうだ・・・???

やはり、海外移転なら南北新大陸や、法治精神のある国だろう。

「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と言うから、チャイナリスクを知りながら、入ったつもりだろうが、「ミイラ取り」はやはりミイラになる。
撤退の時には、ノウハウを含め、すべてを置いて撤退することになるだろう。

再来再見)(傾城大陸