魯生のパクパク

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ウナギ病

2012年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム

今年の丑の日は27日だ。ウナギは嫌いではないが、この種の縁起物は、まったく気にしないので、ほとんど食べたことがない。
節分の丸かぶりも、バレンタインのチョコレートも参加しないことにしている。負け惜しみではない。義理チョコも断る。断れない場合は手を付けない。

節分の鰯の頭や、正月のしめ縄ぐらいなら良いが、商売人のセールスイベントに、おめおめと釣られるのは面白いことではない。
「土用のウナギ」は、この種の販促では、最も古い方ではないかと思うが、200年も続けば、もはや伝統だ。

蒲焼きという美味い食べ方を編み出した日本人の他は、それほど好まれる食材ではないにもかかわらず、稚魚の乱獲でウナギが食べられなくなった。明らかに、日本人の責任だ。

数の子も、エビもタコも、ナタデココも、ワッと買い付けて、パタッと買わなくなったり、ウナギや木材のように、資源そのものの枯渇を招いたりしている。

こういう行動を取るのは、何も日本人だけではない。
油を取るために、鯨やペンギンを乱獲したり、毛皮のためにラッコやビーバーが壊滅状態になった。
鯨が絶滅寸前になったのは、日本人が食べるために捕ったからではなく、今「かわいそうだ」と言っている欧米人が、油のために殺したからだ。

ここまでの乱獲が可能になったのは、これもまた、大量の工業生産をする産業革命パラダイムのおかげだ。
伐採や捕獲をする機器の大量生産、大量の輸送をする機器。一つ弾みが付けば、バッタの大群のように、行くところまで行ってしまう。
アメリカの銃社会が止められないのも、銃器産業のためであり、二つの大戦を始めとする戦争の時代も、産革パラダイムによるものだ。

代用品
ウナギで儲けていた業者が、何とか代用「商品」を探し出そうと苦労しているそうだ。穴子やウツボ、南方の大ウナギまで「丑の日」商品を探して、世界中を駆け回っている。

夏負けしないウナギの効用があるとすれば、ビタミンA、Bだそうだから、レバ焼きを食べる日に変えればいいような気もする。
しかし、なんと言っても、寿命が延びる「美味いものの効用」ということもあるのだろうから、そういう人にお勧めしたいのが、キャットフィッシュだ。

ウナギにこだわる日本人が、意外に食べないのがナマズだ。
食習慣というものは、ほんとうに、習慣がなければ食べない。
しかし、ナマズはウナギより遙かに美味い。と言っても、たまたま釣った人がいて、食べさせてもらっただけなのだが、肉厚の高級ウナギより、もっちりとして美味い。

これは、もちろん蒲焼きにして食べたが、アメリカ人の友人は、車ではるばる「キャットフィッシュ」を食べにいった話をしてくれた。
フライで食べるのだそうだが、それでも美味いと言っていた。
キャットフィッシュとは、ナマズのヒゲからそう呼ぶらしい。

アブラボウズ2