老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

Jアラートと有識者会議の提言

2022-11-23 15:41:55 | 安全・外交
『防衛力強化を検討する政府の有識者会議(座長・佐々江賢一郎元駐米大使)は22日、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や安定財源確保のための増税などを求める報告書を岸田文雄首相に提出した。』
(東京新聞 Tokyo Web 11月22日 21時26分)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/215524

この提言に先立つ11月3日朝、北朝鮮により弾道ミサイルが発射され日本上空を通過する可能性があるとして、8時過ぎにJアラートが発令され、発令と同時に地上波、BS全てのテレビ局で番組が中断され、不快な警報音と共に、あやふやなミサイル発射情報と、宮城、山形、新潟の3県を対象にした避難の呼び掛けが、ほぼ一時間にわたって続けられた。

その間に「7時48分ごろ通過したとみられる」との情報が一旦流れたが、結局通過は確認されず、その後ミサイルはすでに日本海に落ちたか行方不明だったとの「訂正」が発表され、結果としてJアラートは当該3県を始め、全国を巻き込んだから騒ぎに終わった。

後日、テレ朝のモーニングショウは、この事例を「検証」する特集時間を設けたが、「弾道ミサイル情報」を「地震」や「大雨」、「洪水」などの自然災害情報と同等に位置付け、「例え不発だったとしても、命を最大限守るために警報は出すべき」との結論に導き、「不正格、遅すぎ、役に立たない情報」発令の是否ではなく、「警報に際し国民がどう行動すべきか不明確」なことのみを、問題点としてクローズアップしていた。

昨今の政治の動きを見ていると、国民の「不安」や一時的な「お得感」を煽って、政府の望む方向に国民世論や行動を誘導しようという意図がやたら目立つ。また、テレビを始めとするマスメディアも、その誘導に荷担する姿勢があからさまになっているように思える。

その帰結として導き出されたひとつが、今回の有識者会議の提言であり、報告書を受け取った岸田首相は、「(省庁の)縦割りを排した総合的な防衛体制の構築の検討を進めたい」と応じたという、政府の筋書き通りの展開になっている。

一方で、東京新聞は同じ紙面の中で、
『「政府の議論は極めて危うい」…研究者らが団体設立 平和外交による安保目指し提言へ』という記事も併せて報じている。

それによると、
『防衛力強化や防衛費増額を巡る政府・与党の議論を危ぶむ研究者らが「平和構想提言会議」を設立した。政府が12月末までに改定する「国家安全保障戦略」など3文書の対案として、軍事力ではなく平和外交による安全保障を目指す提言を来月中旬にもまとめ、公表する。
会議は、憲法学者の青井未帆学習院大教授や、非政府組織(NGO)ピースボートの川崎哲共同代表ら15人の有志が10月に発足させた。戦後の安保政策の転換につながる敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や防衛費の増額、殺傷能力のある武器の輸出などの議論が、幅広い視点を欠いたまま進んでいるとして、憲法の平和主義に立脚した提言を政府や国会、国民に示したい考えだ。』とのことだ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/215524

安全保障政策として日本が今まずやらなければならないのは、より正確な情報を、よりタイムリーに把握・提供することであって、不正確な情報を発して、国民の不安をあおり、その不安を背景に反撃能力を増強することではない。

「日本国憲法」の理念を大切に思う「護憲+」のメンバーとして、「平和構想提言会議」の設立を支持し、提言の行方を見守りたい。

それと同時に、生活者の一人として、コロナ感染の不安に加え、物価高騰と年金・福祉の縮小によって、ただでさえ生きづらくなっている私たちの暮らしに対して、脅しや誘導で更なる増税に導き、苦しみを与えて恥じない岸田政権には、政権内の内向きの論理を改めて国民生活に真っすぐに目を向け、本当の安全や豊かな生活を実現するために全力を尽くすことを、強く求めたいし、それができないのなら、早急に政権の座を明け渡してもらいたい。

そして、政権交代の必要性を踏まえ、立憲野党がより強く逞しくなるよう、私自身、これからも応援し続けたいし、一市民として、今後もできることを、微力ながら誠心誠意やっていきたいと思う。

「護憲+コラム」より
笹井明子

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