老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

絶望の同盟

2015-04-30 17:01:43 | 安全・外交
安倍首相は日米同盟を【希望の同盟】と名付けたが、今回の改定は、日本にとってどう考えても【絶望の同盟】としか言いようがないものである。

【絶望】を【希望】と言い換える、どう考えても【戦争法案】としか言いようがないものを【平和支援法案】と言い募る。「魚は頭から腐る」でも指摘したが、この言いかえ、詭弁、誤魔化しこそが、安倍ファッショ政権の本質である。

今回の安倍訪米、米国の歓待。この姿を見ただけで、日本崩壊がカウントダウンに入った事を感じる事が出来ない人間は、ジャーナリストや政治学者、経済学者を名乗る事を辞めた方が良い。

安倍政権が、ちぎれんばかりに尻尾を振り、ユダヤロビーに依頼、イスラム国の日本人テロの引き金にもなったネタニエフ首相とのツーショットなど、阿諛追従の限りを尽くしようやく許された両院合同会での演説。事前に米国から内容に至るまで注文をつけられ、演説ライター(谷口智彦内閣官房参与)などはそれこそ寝る間も惜しんで考え尽くしているようだ。脳漿を人を騙すために絞りつくす仕事はさぞかし疲れるだろう。

バンドン会議での演説も米国議会での演説の予行演習。それでなくて、バンドン会議の精神である侵略などの文言を引用する知恵など浮かぶはずもない。安倍首相の高揚したどや顔を見ていると、燃え尽きる前のローソクの炎を思い出すのは私だけではないだろう。

何故日本崩壊なのか。詳細に見て見よう。

★日米ガイドラインの改定⇒「切れ目のない日米共同対応」と言う理屈で、「周辺事態」の項目が削除されている。これは、世界中で日米が共同で軍事行動を行うことを意味している。明確な憲法違反であり、許されるものではない。

日本弁護士連合会は会長名(村越進)で厳しい批判声明を発表している。「・・・・すなわち、新ガイドラインは、米国又は第三国に対する武力攻撃に対処するため、日米両国が当該武力攻撃への対処行動をとっている他国とも協力することを取り決め、集団的自衛権に関しては、自衛隊が、機雷掃海、艦船防護のための護衛作戦、敵に支援を行う船舶活動の阻止及び後方支援を行うこと等を具体的に定めている。また、これまでの「周辺事態」にとどまらず「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」への対応、及びアジア・太平洋地域を越えたグローバルな地域の平和及び安全のための対応として、自衛隊と米軍が、実行可能な限り最大限協力するとし、後方支援を行うこと等を定めている。

しかし、国の安全保障・防衛政策は、日本国憲法の前文と第9条が掲げる徹底した恒久平和主義の下になければならない。集団的自衛権の行使はもちろん、世界中に自衛隊を派遣して米軍等の戦争を後方支援し、戦争時においても機雷除去等の処理をして、自衛隊員を戦闘行為の危険に晒し、武力の行使への道を開くことは、日米安全保障条約の範囲すらも超えて、明らかに恒久平和主義に違反するものである。また、そのような武力の行使等について、憲法改正手続を潜脱して、政府間で合意することは、立憲主義の根本理念を踏みにじるものである。・・・」

前のガイドラインの時も米国の厳しい要求を受けながら、辛うじて【周辺事態】という概念で、平和憲法との整合性を図っていたのだが、今回の新ガイドラインは米国の軍事行動に地球の果てまで付き合う、という内容になっている。まだ、国会に提出されていない新安保法制は、この事をにらんで作られている。

安倍政権の危険さと姑息さは、まず日米間でガイドラインについて合意し、その既成事実のもとに日本の法律を変えようとしている点にある。アメリカからの圧力を言い訳に使い、既成事実を積み重ね、自分たちが思う方向に進める手法。これは、戦前の軍部(陸軍)の独走と同じだ。既成事実を積み重ね、やってしまったものは仕方がないで日中戦争・太平洋戦争まで突っ走り、日本を敗戦に追い込んだ。

藤原直哉氏は、「噛ませ犬をやらせてくださいと言ってカネと命の危険を渡して安倍は米国の戦争屋にすり寄った」と評している。
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/143.html

★アベノミクスという経済政策
「出口はまだ考える段階ではないというより、考えること自体が悪夢だ」-。内海孚元財務官は日本銀行の異次元金融緩和からの出口戦略についてこう指摘する。巨額の国債購入で膨らんだ日本銀行のバランスシートを民間部門が円滑に吸収する可能性は低いとみている。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NN6GQJ6JTSEG01.html

経済学者浜矩子氏は、以下のように黒田日銀の政策を切って捨てる。
「日銀が「チーム・アベ」の一員としてやってきたのは、国債の買い支えと株価の押し上げ、それと円安誘導ですね。突き詰めれば、この3つのために、大量の資金を市場に流し込んできたわけです。・・・このような政策は金融政策の名に値しない
・・
チーム・アベは日本経済をうまく回るようにしたいなんて考えていませんよ。目指しているのは富国強兵路線です。アホノミクスによって、強いものをより強く、大きいものをより大きくする。大手企業の収益が改善し、勝ち組の勝利度がさらに高まればいいのです。それが富国の部分であり、あとは憲法改正で強兵を確実なものにして、大日本帝国を取り戻すという筋書き。大企業の収益が改善すれば、コップにいっぱいになった水が滴り落ちるように中小企業にも恩恵が行き渡り……とか言ってトリクルダウン理論を持ち出しているのは、オマケというかアリバイ。そんなふうになると思ってもいないし、目指してもいないくせに、あたかも好循環が生まれ、みんなが幸せになるかのような幻想を振りまいているのです。 」・・日刊現代

評論家田中宇氏は「出口なきQEで金融破綻に向かう日米 」で以下のように書く。

・・「3月以来の翁(元日銀)、岡本(日本生命)、内海(元財務省)、小林(財界トップ)といった4人の専門家の、QEに対する危険の指摘、出口戦略の不在、金利高騰の懸念は、いずれもブルームバーグとロイターが報じたものだ。日本のマスコミは、この手のQEをめぐる危険性をほとんど報じない。
朝日新聞たたきやNHKへの介入など、安倍政権のマスコミへの脅し策は大きな成果を上げている。日銀は、QEを縮小する予定がなく、逆に拡大の選択肢を保持している。専門家の警告は無視されている。
日本では、安倍政権を批判する者を「売国奴」扱いする風潮が席巻しているが、こうした風潮こそが日本を経済破綻に近づけている。国民のほとんどが何も知らされないまま、日銀のQEは、国債金利高騰、政府財政の破綻へと向かっている。」
※QE⇒金融緩和政策

★さらに大手メデイアはあまり報じないが、人口問題研究所(PRB)が行った調査で「急速な勢いで人口が減少し、絶滅の危機に瀕している5つの民族が挙げられ、その筆頭に日本が入った。」というニュースがある。
http://jp.sputniknews.com/life/20150426/249777.html

その他の国は、ウクライナ、ボスニア・ヘルチエゴビナ、ブルガリア、グルジアだそうだが、日本はその筆頭になると報じられている。世界では、21世紀、日本は内部崩壊し絶滅する民族世界第一位と認定されている。ワシントン条約風にいうならば、日本人は、【絶滅危惧種】というわけである。

★さらに、前の投稿でも触れたが、TPP交渉では、大企業に国権が屈服する可能性が高い。(ISDS条項) 中国の覇権拡大に対抗し、自由主義圏の貿易権確立を図ろうという狙いがあるようだが、韓国を見れば一目瞭然だが、それこそ禿鷹のような貪欲な大企業の横暴に国内産業に食い散らかされるのが目に見えている。農業・医療その他国内産業は苦境に立たされる事は必至だ。いったん衰退した産業はほとんど再生不可能だという事を国民はもう一度考えた方が良い。

世界の大状況から言えば、米国の覇権に陰りが見え、その緩やかな衰退がはっきりしている。AIIB参加騒動を見ればはっきりしているが、世界は、中国など覇権の多極化の時代に突入している。

アメリカは、それこそ世界のどこにも行くところが無くなったので、アジア回帰しただけだ。英国も、ユーロ圏も、中国、ロシアも一筋縄ではいかない。南米も手を付けられない。インドもアフリカも中東も、思った通りに行かない。だから、仕方がないから帰ったのがアジア。要するに「リバランス政策」なんていうのは、アメリカのご都合主義。力がなくなった証拠だ。

そんな時代に日本は米国追随政策を明らかにした。「どこまでもついて行きます。下駄の雪」というわけである。そりゃ、アメリカは大喜びだろう。お世辞の一つ二つ言っても損はない。

安倍首相の口癖は、【戦後レジームからの脱却】であるが、この時代に入ってもなお米国追随という戦後レジームを後生大事に守り続けると宣言したのである。政権延命の為には、自国の国民の生活・財産・もろもろの富を売り渡しても構わないという姿勢だろう。文字通りの売国政権である。

田中宇氏も指摘しているが、財務省の日銀支配は、とにかく自国の富(円の価値)を売り渡しても、米国に従属するというためのものだ。その為には、自国の経済が破綻しても仕方がない、と考えているように見える。

今回の安倍訪米は、財務省支配の米国隷属政策の総仕上げに等しいものである。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
流水

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明治維新、敗戦、金融破綻 (竹内春一)
2015-04-30 22:10:25
我が家は何を言っても叱られたことが無い。お蔭で発言にブレーキがかからない。おまけに家系には陰陽師の血が入っているようで、未来を占うのが好きである。私事ではあるが今年、世界一周旅行に出発する。これが人生最後の海外旅行になるかもしれない。なぜなら、日銀のQE(円の過剰発行)は、財政破綻とハイパーインフレで終わるからである。1ドル1000円になったら、1億円を持っている人でも、価値が十分の一ですからね。生きるのがやっとでしょう。のんきに海外旅行などできない。すでに旅行代金が払ってあるから、何が起きても旅行だけは行ける。

明治維新、敗戦時に何が起きたか。既得権益者の間で壮絶な戦いが展開された。日本が財政破綻すれば、金持ちが最大の被害者である。彼らは既得権益者でもある。その既得権益者の間で。財政破綻の責任のなすりあいが始まる。その中で一般庶民を巻き込んで、これからの新しい日本の在り方も議論されるであろう。それが明治維新、敗戦、来たるべき財政破たん時に起きるはずである。

1945年、第二次世界大戦により、金持ちトップ1%はヨーロッパ中の富の70%を持っていた。それが25%に激減したが、下位50%の人たちは最低賃金法で生活が守られた。同じように今日本が財政破綻しても、生活力のない人でも、生きる程度の生活は法的に保証されると思う。

ドイツではかって紙幣の価値が500分の一に下がった。日本でも起きるかもしれない。と思えば、既得権益者の壮絶な戦いが見ものでもある。

イタリアはすばらし国 (竹内春一)
2015-05-01 22:14:49
2年前にピースボートでイタリアを訪れた。チビットベキアに船が停泊して、そこから電車に乗って、1時間でローマについた。駅には切符の自動販売機があり切符を買ったが、改札には誰もいない、電車の中でも車掌は見回りに来ない、ローマの駅でも切符を回収しない。お金のない人はカネを払わなくてもいいと奨励しているのかと日本人なら思う。 ローマ市内の裏通りを歩くと、子供のミルク代を請求された。6回くらい請求されて3回ほどコインを渡した。日本の路上生活者には全身に悲哀とか僻みが溢れているが、ローマの彼らは普通の市民に見えた。ローマからの帰りのこと、停車中の車内に女性が車掌のように近づいて、私の席の前に立ち止まり手を黙って出した。切符を調べたいのかと思い、切符を出すと、nonoのしぐさをしていた。何が何だかわからなかったが、発車のベルが鳴ると彼女は急いで離れた。黙って手を出す、そのしぐさが、まるでビジネスとか業務の感じであった。

ローマはまさに人間が住む町であった。対して日本はアマゾンのジャングルである。ジャングルでは弱者は強者に食われる運命にある。弱肉強食である。弱肉強食の世界では弱者が生存しにくい。

日本の人口は2050年までに現在の1億2698万1千人から9515万2千人へと25%も減少すると予測されている。日本は世界で最も弱者に厳しい、アマゾンのジャングルではないか。江戸時代でも日本の人口は増えている。明治維新後江戸時代は暗黒の時代であると宣伝されていたが、人口推移から判断すると今の方が暗黒かもしれない。

絶望の同盟 (流水)
2015-05-01 22:56:34
世界一周ですか。
羨ましい限りですね。
おっしゃる通り、日銀のQEは出口戦略なしの状況に近づきつつあります。今回は、さらなる緩和を見送ったようですが、いずれ日本国債の暴落は避けられないようですね。
この結果は、当初から予想されたものですが、いずれ犯人探しが始まるのは目に見えています。
それがわかっているから、黒田総裁はオフレコで国債暴落の危険性について語っているようです。
暴落した時のエクスキューズでしょう。
しかも、安部訪米前の微妙なタイミングで、日本国債の格付けを下げています。
どうも、きな臭いにおいがしているようです。
金持ちからもっと税金を (竹内春一)
2015-05-02 00:28:32
金持ちからもっと税金を取ると、金持ちが海外移住するから税収が、かえって少なくなるという意見があった。しかしそれは間違いだ。

日刊ゲンダイの記事より
安倍首相の演説が笑いモノに「8割の米議員わからず」
ーーーー
国際ジャーナリストの堀田佳男氏は言う。

「テレビで見ていましたが、リズムが悪すぎて意味がわかりませんでした。米議員の半分以上がスピーチを聞かずに、紙を見ていた。文節の切り方がおかしいし、リズムもない。単語ひとつひとつを明確にしようということなんでしょうが、8割の議員がわからなかったでしょう。安倍首相は演説で自らの留学のエピソードも入れていましたが、ただ恥ずかしいだけです」
ーーーーー
世界中で相手にされないから、安倍総理といえども、何十億と資産があっても外国に住もうとは思わないはずである。
日本以外で人口減少中の国では外国移住が多い。日本は地政学的に東の果ての行き場のない国であった。希望が無くても、日本人は肩を寄せ合って生きてきた。それが中国人から見ると桃源郷に映るらしい。
東南アジア留学生には東京での生活は夢のようで、卒業しても本国に帰りたがらないらしい。

しかし、それは一部の人たちである。大多数の日本人は、今追い詰められている。弱肉強食を説く威勢のいい、安倍さんが登場したから、日本はますます住みにくくなった。

かって民百姓に責任を持つ人を武士と言った。武士とは真逆の阿部さんを見ると、この世は地獄に見える。

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