金木犀、薔薇、白木蓮

本の感想、ときどき映画。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

64:市川ジュン 『燁輝妃 後宮の女帝 高階栄子の生涯』

2021-03-29 18:14:43 | 21 本の感想
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

時は平安末期、女帝でも帝の母でもない、
一貴族の娘が己の美貌と才知を持って
権力を手に入れた高階栄子という女性がいた。
夫、平業房の死後、後白河法皇の寵愛を受け、
後に中国の“楊貴妃”にたとえられるほどの
権勢を誇った女性政治家を描いた大長編歴史ロマン。

***********************

漫画。
丹後局が主人公とは珍しい。
この作者さんの作品は2作しか読んでいないのだけど、
「こういう髪型の男、こういう性格の女が
 好きなんだろうな~」
というのがにじみ出ている。

成親の妻で俊成の娘の京極局が出ていたのが
うれしかった。
反・兼実としてすり寄ってくるのが、
この作品では兼子ではなく範子。

序盤を見ると、兼実がライバルキャラとして
描かれるのかと思うんだけど、
成人した兼実の顔がいかにも弱そう。
そして栄子にやられっぱなし。

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映画:『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』

2021-03-28 21:18:29 | 映画の感想
2021年の映画⑤:『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』(佐古忠彦 監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイのあらすじ】

大阪府の内政部長だった島田叡氏は
沖縄県知事に任命され、1945年1月31日、
前年のアメリカ軍による沖縄大空襲で
壊滅的な状態だった那覇の地を踏む。
彼は仕事に取りかかるとすぐに大規模な疎開を促進し、
さらに食料不足を解消すべく台湾に飛ぶなどして
米の確保にも精力的に取り組む。
だが、戦況は悪化の一途をたどり、
彼の努力もむなしく多くの県民の命が失われていく。

***********************

映画館にて。

史実をもとにしたヒューマンドラマかと思って見たら
ドキュメンタリーだった。
島田叡は、アメリカ軍の上陸が必至とみられていた沖縄へ、
本土へ逃げた前知事に代わり、知事として赴任した人物。
多くの民間人を巻き込むことを厭わない軍部に抗うものの、
南下作戦を止められず、行政官として自らも南下、
遺体は発見されていないものの、
おそらく自ら命を絶ったのだろうと言われているとのこと。

戦争ものは見ると苦しくつらく、気が滅入るのだけれど、
こういう記録がないと、忘れて同じ愚行を繰り返すから、
こうして証言を集めて残していくことは
必要なのだと思う。

海軍中将が大田実が自決直前に打った電報の

「沖縄県民斯ク戦ヘリ
 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ 」

は、いまだに沖縄に負担を強いている現状を考えると
本当に胸が苦しくなる。

島田氏、当時にあってはそういう始末のつけ方しか
なかったのだとわかる気がするけれど、
「生きろ」「死ぬな」と人に言うのなら、
死なないでほしかったよ……。
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大河ドラマ『青天を衝け』#7

2021-03-28 20:54:05 | 大河ドラマ「青天を衝け」
毎回恒例「こんばんは、徳川家康です」が
本編に入り込む形で始まったかと思ったら、
「インテリ農民も漢詩を作りました。
 現代語で紹介するね☆」
と長七郎の送別会で兄ぃが披露した漢詩を
結構な長さで紹介。
「なぜこんな尺を取るの??」
と不審に思ってたんだけど、タイトル回収のためだった。
このころに栄一の作った「青天を衝く」を含んだ漢詩を
披露したかったのね。

千代をめぐる恋の話、
ちょっとひっぱりすぎじゃないかと思うんだけど、
政局がめまぐるしく変化しているのに対して
栄一の周辺に対してエピソードがないから仕方ないのか。
歩調を合わせなきゃいけないから大変だ。
政局にのみフォーカスしすぎると、
『麒麟がくる』みたいに
「光秀が主人公じゃなくてよくない??」
ってなるしな……。

あいかわらずの独断専行で、
「ハルリスの首を刎ねよ!」
「メリケンにわしを派遣しろ!」
と騒ぐ斉昭だけど、
「わかっておる、わしの役目が終わったことなど」
と口にしたり、理詰めで慶喜に淡々とたしなめられて
反発できなかったり。
もう開国するしかないと頭ではわかってるのよね。

慶永、慶喜推しすぎてちょっと気持ち悪い。
コメント (2)
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大河ドラマ『青天を衝け』#6

2021-03-21 20:27:02 | 大河ドラマ「青天を衝け」
放送を忘れていて、約10分遅れでOPから視聴。

今日のトピックは、

▪慶喜の結婚
▪道場破りから恋の目覚め
▪栄一と慶喜の邂逅(立ちション)

の三つ。

千代ちゃんを意識するあまり、
「触るな」と言っちゃう栄一だけど、
この子、千代ちゃん好きだって自覚なかったん……?
小さいころから好きなんかと思ってた。
自覚はしてたけど、道場破りの登場を機に
自分の弱さとかきれいな千代ちゃんとの釣り合いとか
考えるようになってもやもやしてるんだろうか。
喜作が、千代ちゃんを嫁にしたいと千代ちゃんの兄に言い出し、
危機感をあおられてしばらくは恋話が続きそう。

慶喜に嫁いできた美賀ちゃん、アグレッシブでいいね~。
しら~っとした慶喜にそっけなくされても
泣き寝入りするどころか、
「徳信院に汚らわしい恋心抱きやがって!」と
慶喜が義理の祖母と仲良く過ごしているとこに乗り込むわ、
刃物振り回して暴れるわ。
なかなかにいいキャラで楽しみ。

阿部君は順調にフラグ回収。
異国の脅威にただでさえストレスマックスなのに
斉昭が好き勝手しすぎて本当に心労たまったよね……

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映画:『花束みたいな恋をした』

2021-03-19 21:42:31 | 映画の感想
2021年の映画④:『花束みたいな恋をした』(土井裕泰 監督)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

ある晩、終電に乗り遅れた
大学生の山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)は、
東京・京王線の明大前駅で偶然出会う。
お互いに映画や音楽の趣味がよく似ていたこともあり、
瞬く間に恋に落ちた二人は大学卒業後、
フリーターとして働きながら同居を始める。
ずっと一緒にいたいと願う麦と絹は、
今の生活を維持することを目標に、就職活動を続ける。

***********************

映画館にて。

映画館のチラシを見たときには、
「美男美女のキラキラした恋物語なんていらねー!!」
とスルーしてたんだけど、Twitterで劇薬扱いされていたので
見てしまった……。

※ 以下、ネタバレ含みます

序盤はサブカル好きの選民思想みたいなのが
こっぱずかしくて直視できず、中盤は、
「学生時代に実績も出さず、イラストレーターで
 食ってこうなんて、やめとけ、なっ!」
「最寄り駅から30分っていったって、
 こんな広い部屋。大丈夫?」
とおせっかいおばさん視点でハラハラ。

結論から言うと、見に行ってよかった。
恋人たちの出会いと別れ、
好きなこと(夢)と生活(現実)の衝突を
描いているという点では『ラ・ラ・ランド』と同じ。
あっちで免疫ができてたために
「ちょっと涙ぐんじゃった」で終わったけど、
最初にこれだったら泣いてたわ……。

序盤のさりげない仕込みが終盤で活きているとか、
小道具の使い方がうまいとか、
感心するところもあったのだけど、
映画としてどうなのかはよくわからない。
ただひたすら、
「恋はいつか終わる。どんなに美しくても、楽しくても、
 その季節が二度と戻ってくることはない」
ということをストレートに描いていたと思う。
いざ別れるという段になって、
楽しかった時間を手放すのが惜しくなってしまい、
結婚すれば家族としてうまくやっていけると
思ってしまうのだけど、
かつての自分たちのようなカップルを見て
「いや、もう、あの時間や気持ちは戻らないのだ」
と思い知らされる展開とか、
出来すぎなんだけど、泣いてしまう。

イラストを安く買いたたかれていた麦くんが
会社に入ってきちんと給料をもらい、
それなりに達成感も得て、
仕事に依存していってしまうのもわかるし、
それと並行してかつて好きだった
映画も漫画もゲームも摂取できなくなって
パズドラしかできなくなっていくというのも
「あるある」なのでは。
(これはサブカル好き設定が効いていた)

「好きなものや考え方がこんなに一致するなんて、
 こんなことある!?」
と運命を感じて付き合い始めふたりが、
「人は変わっていく」というシンプルかつ残酷な現実に
負けていくのが切なくてね~。

似た体験をしたかどうかで、
共感の度合いとか評価が変わりそう。
こんな長々とした記事を書いてしまうあたり、
わたしにとっても好きな映画だったんだろうか……。
単純に「好き!」と言えない複雑な気分。
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大河ドラマ『青天を衝け』#5

2021-03-14 21:13:12 | 大河ドラマ「青天を衝け」
ロシア船が嵐にあったとの報に、
徳川斉昭「ざまーみろー!😝
阿部正弘「天災に遭った者にそんな言い方しちゃダメでしょ!😠
藤田東湖「夷狄にだって家族や友達がいるんですよ!😠
徳川斉昭「知るか―!!😬
と理性的な常識人に諭されても露悪的な斉昭。
聞き分けのないじいさん(身分高いとこが厄介)、
マジで迷惑……と思ったら、
終盤、大地震で東湖を失い、
斉昭は大泣きしてようやく諫言を理解するという流れ。
川路様もロシア人を助けるためにめちゃ頑張ってて、
この幕臣たち、人としてまっとうすぎるよ……。

流行りにのって、アマビエもちゃっかり登場。
そして迷信つながりで、後半は
インチキ霊能者を栄一がやりこめる
ドラマ「トリック@幕末編」。

「徳川家康です。今日も出てきましたよ」
と家康による解説も健在。
「士農工商」を出してきた時点で結構ハラハラしちゃったんだけど、
これらはもう教科書に載ってないよと
「常識」をアップデートしてくれるところ、いいね。


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大河ドラマ『青天を衝け』#4

2021-03-07 20:54:23 | 大河ドラマ「青天を衝け」
給仕しろと言われた平岡円四郎が
めっちゃ汚く盛り付けたうえに
「へいお待ち!」ってやったのに
めちゃ笑ってしまった。
家で盛り付けの練習してるの可愛い。

栄一の作った藍づくりの番付で
すわトラブルか!? と思いきや、
優しい世界……。
しかし、終盤には優しくない世界。
古いタイプの悪代官だ。

【その他いろいろ】

・松平慶永と橋本佐内の入浴シーン、
なんだあのねっとりしたムード!!
サービスシーンか? 怪しい構図……。

・「こんばんは、徳川家康です」
今日はオープニングのあと。

・阿部正弘の目がうるうるしてて、
憐れを誘う……。

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映画:『レンブラントは誰の手に』

2021-03-07 19:38:04 | 映画の感想
2021年の映画③:『レンブラントは誰の手に』(ウケ・ホーヘンダイク 監督)
★★★★☆3.5

【Amazonの内容紹介】

現代の若き画商ヤン・シックス氏は貴族の家系に生まれ、
一族の先祖を描いたレンブラント作の肖像画を
代々受け継いできた。
ある日、ロンドンのオークションハウス「クリスティーズ」で
オークションにかけられていた「若い紳士の肖像」を見た彼は、
レンブラントの真筆だと直感して安値で買い取る。
もしその絵が本物なら、レンブラント真筆の作品としては
数十年ぶりの発見となり、真贋論争に美術界は騒然とする。
 
***********************

映画館にて。

事前に情報を収集せずにフィクションだと思って見に行ったら、
ドキュメントだった。

放題は『レンブラントは誰の手に』だけど、

【1】ヤン・シックスが手に入れた絵が
  レンブラントのものかどうか
【2】ロスチャイルド家が手放した絵をめぐる
  ルーブル美術館とアムステルダム国立美術館の争い
【3】バックルー公爵が所有して愛玩する絵

の三つが入り混じった構成で(ほとんどリンクはしていない)、
邦題にあうのは【2】と【1】の終盤のみ。
原題の『マイ レンブラント』のほうが内容には合っているけど、
興味を惹くのは邦題のほうだよな~。
最初は構成がよくわからず、疲れていたのもあって
ちょっと寝ちゃった。

【2】の体面とお金のからむ争奪戦、
そして【1】のレンブラントのものか? を
明らかにしていく過程が面白かった。
【3】の「この絵だーいすき💛」な公爵も可愛い。

人を選びそうな映画だけど、結構好き。
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映画:『春江水暖』

2021-03-06 22:41:24 | 映画の感想
2021年の映画②:『春江水暖』(グー・シャオガン 監督)
★★★★☆3.5

【Amazonの内容紹介】

富春江が市街地を流れる中国浙江省の杭州市富陽区では、
再開発が進んでいた。
ある晩、顧(グー)家の家長である母親の誕生日を祝うため、
レストラン「黄金大飯店」を経営する長男、
漁師として働く次男、裏社会で生きる三男、
独身生活を謳歌(おうか)する四男をはじめ、
親戚一同が集まる。
ところが、母親が脳卒中を起こして倒れてしまい、
やがて年老いた母親は認知症が進んだため
介護が必要となる。

***********************

映画館にて。

ある大家族三代の物語。
富春江の情景が美しく、モチーフになったという
山水画のよう。
ずーっと「金がない」という話をしているんだけど、
その俗っぽさが美しい風景で相殺されて、
なんだか不思議なテイスト。
視点人物を限定せず、家族それぞれにスポットをあてて
描いているため、
全体を俯瞰するような視点で映画を眺めることになる。
そんなふうに中国の社会を描く、
その手法は嫌いじゃないんだけど、
とにかく長すぎる~!
物語全体の大きな山場というのもないので
上映中、何度か時計を見てしまった。
しかもラスト、「第一巻」完、って。 

グーシー役のポン・ルーチーさん、
たたずまいが美しい女性だなあ。

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59-63:最近読んだ本(記録だけ)

2021-03-05 00:30:22 | 21 本の感想
感想を書き残す余裕がないので、記録だけ。
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