金木犀、薔薇、白木蓮

本の感想、ときどき映画。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

186:東直子『とりつくしま』

2021-06-28 00:19:45 | 21 本の感想
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

死んだあなたに、「とりつくしま係」が問いかける。
この世に未練はありませんか。
あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ、と。
そうして母は息子のロージンバッグに、
娘は母の補聴器に、夫は妻の日記になった…。
すでに失われた人生が凝縮してフラッシュバックのように現れ、
切なさと温かさと哀しみ、そして少しのおかしみが滲み出る、
珠玉の短篇小説集。 

*************************************

先輩から借りたもの。
著者のことは歌人として名を知っているのみだった。
今回初読み。

ものに宿る使者たちの物語。
「白檀」、片想いしていた既婚者の書家の、
夏だけ使われる扇子に宿る、というのが
慎ましくて切ない。

さらりと読めるけれども、かすかな余韻も。

どの話も、人の醜いところを封じているように思えたけれど
番外編は業のようなものを感じて恐ろしかった。

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185:原田マハ『さいはての彼女』

2021-06-27 20:53:29 | 21 本の感想
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。
猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの
結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた
秘書の高見沢さえも会社を去るという。
失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、
沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、
なぜか女満別!? 
だが、予想外の出逢いが、
こわばった涼香の心をほぐしていく。
人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、
珠玉の短篇集。

*************************************
【収録作品】

「さいはての彼女」
「旅をあきらめた友と、その母への手紙」
「冬空のクレーン」
「風を止めないで」

Kindle unlimitedにて。

さらっと読める短編集。
優しすぎる世界で展開もあっさりしているけど、
通勤時間に読むにはちょうどよかった。

「旅を~」が特に好き。

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大河ドラマ『青天を衝け』#20

2021-06-27 20:30:42 | 大河ドラマ「青天を衝け」
なんなのこのドラマの
土方推しっぷりは……??

最後10分くらい、実質、土方のPVじゃん。
栄一と土方の交流エピ、必要か??
でもファンにしたら嬉しいだろうね!

今回のメイントピックは
「慶喜、将軍に」&「栄一、幕臣に」
なんだけど、紀行も新撰組だったし、
実質土方with新撰組回だったな……

渋沢栄一のことほとんど知らないから、
今度の展開は楽しみ。
パリに行くのか~!

コメント (3)
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181-184:最近読んだ本

2021-06-26 20:02:43 | 21 本の感想

表紙に藤原秀能がいたので読んでしまった。
内容は、求めていたものではなかったけど、
検非違使に対して持っていたイメージはずいぶん変わった。



最近またモノが多くなってきた……と思ってたんだけど、
この本読んだら無駄な出費のほうが気になってきた。

わたしは文字情報の処理の方が圧倒的に速い&楽なので
動画メディアは映画以外ほとんど見ないんだけど、
ユーチューバーってほんとに職業として成り立つんだな。


梶ヶ谷陽子『忙しい人のための家事をラクにする収納』(エクスナレッジ)

あれ、これ読んだことある!!
ということに、ゲストの女性の顔を見て気づいた。


再読なんだけど、なぜか初読時の記事がない。
薄い絹を重ねた「かさねの色目」を見ることができるので
古典好き・装束好きにおすすめ。

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175-180:最近読んだ漫画

2021-06-23 09:23:23 | 21 本の感想
★★★★☆

おっ、なんやなんや『マリみて』みたいなのか……!?
と思って読み始める。
過去から続く&現在進行形の巨大感情がいいねいいね。


 早川パオ『まどろみバーメイド 1巻・2巻』
★★★☆☆3.5

思ったよりお色気要素は濃くなかった。
(気になることは、気になる)
一話完結型のほっこり話なのかと思いきや、
なかなか先が気になる引っぱり方。
カクテルが飲みたくなる。


★★★☆☆

ヒロイン、最初中学生かと思った……

漫画って描くのに大変な時間と労力がかかってると
思うんだけど、その分、
「これで1話終わっていいの!?」
ってとこあるな……。
日常系なんかとくにそうだけど、
小説では成立しないであろうストーリーの起伏のなさを、
漫画の場合は絵の醸し出すムードでカバーできる。


 手塚治虫『ばるぼら 1
★★★☆☆

なんとも不思議な話の数々。
ヒロインの知性と退廃的な言動に惹かれて
なんだかんだで縁を切れないのもわかる。


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映画:『めぐり逢わせのお弁当』

2021-06-23 09:06:38 | 映画の感想
2021年の映画⑮『めぐり逢わせのお弁当(字幕版)』(リテーシュ・バトラ監督)
★★★★☆

【Amazonのあらすじ】

インドの大都会ムンバイでは、
ダッバーワーラーと呼ばれる弁当配達人たちが
ランチタイムに弁当をオフィスに届けて回る。
ある日、主婦のイラ(ニムラト・カウル)が
心を込めて作った弁当が誤って
サージャン(イルファン・カーン)のもとに届く。
イラは料理を通じて夫の愛を取り戻したいと願い、
妻に先立たれたサージャンは久々の手料理の味に心動かされる。

*******************************************

Amazonプライムにて。

まだレンタルDVDを利用していたころ、
この映画を見たくて、でも常に借りられていて……で
見ないままになっていたもの。
歌いもせず、踊りもしない、しっとりとしたインド映画。

「こうなってほしい!……でも、インドの価値観からすると
 無理だろうな……」
という予感通りのラストなのだけど、これはこれでアリ。
むしろ、この方が余韻があってよいかもしれない。

日本の感覚だと
「人を雇って弁当を届けてもらうくらいなら、
買って食べたほうが安上がりじゃないか?」
と思ってしまうのだけど、
インドと日本では食費と人件費のバランスが
違うんだろうな。



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169-174:村山渉『それでも僕らはヤってない 1~5』

2021-06-21 23:22:47 | 21 本の感想
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

時田晃介(29歳)は大手住宅メーカーに勤め、
充実した社会人生活を送っていた。
この年になっても女性経験がないことが悩みの彼は、
かつて想いを寄せていた同級生と再会する。
昔と変わらない笑顔に、相手もまだ処女かもしれないと
期待する時田だが…。

*************************************

Kindle unlimitedにて。

表紙やタイトルから予想したよりも、エロは少なめ。
知り合いの輪の中でいくつかのカップルができて、
恋人とは別の相手にも心揺らいで……と
内輪ですったもんだしているところで、
『ビバリーヒルズ高校白書』を思い出した(めちゃ古い)。

凡庸な主人公?にも、ヒロインズにも好感が持てず、
すったもんだに「もうええわ……」と思いつつ
(特に「子どものころに会っていた」展開は
 興ざめだった)、
それでも5巻まで読んでしまったので、
ストーリー展開がうまいのだと思う。
この繰り返されるすったもんだを、
好きな人がたくさんいるのもわかる。

キャラ単体では春木くんと桐島さんが好きなので、
それぞれのカップルにときめくことができたら
はまっただろうな~と思う。


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大河ドラマ『青天を衝け』#19

2021-06-20 21:01:51 | 大河ドラマ「青天を衝け」
頭は切れるし、有能ではあるのだけども
毎度毎度、確実に敵をつくる慶喜の言い方。
「私が将軍になったところで、誰もついては来ぬ」
って言うの、
「ほんとに実際そうなるやろな……」
って思えるだけに、今からすでにつらい!!

商売の経験と、それによって磨かれた商才で
一橋家の財政を救うべく大活躍する栄一。
第1話から丹念に村での生活を描いてきたことが
ちゃんとストーリーに活きている。
成功体験を積んでいくのにわくわく。

それを「せっかく武士になったのに」と
喜作が蔑むのが、腹立たしいけれど、
「わかる~! ありそう~!」
という説得力もあり。
事務職って地味で見下されがちなんだよね……。
失礼なこと言う喜作に
「道は違えるが、ともに一橋を支えよう」
なんて思える栄一。君は聖人か??

岩倉具視は養子だけど、岩倉家自体は、
村上源氏の源通親の子孫なんだなあ。
断絶することはあっても新規参入することはないから
当然と言えば当然かもしれないけど、
平安末期~鎌倉初期に成立した公家の「家」が、
本家・分家にかかわらず
明治まで残ってるってすごいね。
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168:万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』

2021-06-20 20:10:09 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

かのこちゃんは小学1年生の女の子。
玄三郎はかのこちゃんの家の年老いた柴犬。
マドレーヌ夫人は外国語を話せるアカトラの猫。
ゲリラ豪雨が襲ったある日、玄三郎の犬小屋に
マドレーヌ夫人が逃げこんできて……。
元気なかのこちゃんの活躍、気高いマドレーヌ夫人の冒険、
この世の不思議、うれしい出会い、いつか訪れる別れ。
誰もが通り過ぎた日々が、キラキラした輝きとともに蘇り、
やがて静かな余韻が心の奥底に染みわたる。

*************************************

Kindle unlimitedにて。

思いがけず、終盤で泣いてしまった……!

小学生のかのこちゃんと、猫のマドレーヌの関係が
メインではなく、それぞれの世界と人間(猫〉関係があり、
それが交差してじんわりと染み入るようなラストに。
玄三郎のための願いを叶えてくれたかのこちゃんに対する
マドレーヌの感謝、美しい。

著者の作品、6冊しか読んでないけど、
これがいちばん好き。
トイレのネタがなければ★5だった!

コメント (2)
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映画:『本能寺ホテル』

2021-06-18 15:33:47 | 映画の感想
2021年の映画⑭『本能寺ホテル
★★★☆☆

【Amazonのあらすじ】

倉本繭子(綾瀬はるか)は、会社の倒産を機に
恋人の吉岡恭一(平山浩行)にプロポーズされ、
恭一の両親の住む京都へ向かう。
京都に着いた繭子は、路地裏にある“本能寺ホテル”に導かれ、
気が付けば1582年の本能寺にいた。
繭子は現代と1582年を行き来しながら、
織田信長(堤真一)や森蘭丸(濱田岳)と交流を果たす。
その日は信長が暗殺された本能寺の変の前日だった。

*******************************************

Amazonプライムにて。

万城目学氏と揉めてた記憶だけあって、
見るつもりがなかったのだけど、
アマプラに入っていたので
どんなもんだいと視聴。

ヒロインの言動がすごい不気味。
ホテルのスタッフに対する態度、
ただの頭のおかしい人だよ……。

ヒロインと信長それぞれの行動のちぐはぐさが
説明不足によってただの「キャラのブレ」に
なってしまっていた。

そして終盤、ものわかりがよいうえ、
勝手に話をすすめてくれる婚約者の都合の良さよ……

釈然としない点がてんこ盛りの映画だった……

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