金木犀、薔薇、白木蓮

本の感想、ときどき映画。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

【覚え書き】関東旅行③ 鎌倉

2022-06-30 13:37:00 | おでかけの記

川越から移動して、鎌倉へ。
川越へ向かう途中で時間をロスした&
川越にとどまる気がしなかった影響で、
16:00近くにようやく昼食にありつくことに。

鎌倉駅から歩いてちょっと、「もとまちユニオン」という
スーパーの二階にある香月珈琲店。
ここにはおやつに来るつもりだったので、
昼食なのにホットケーキ&アイスコーヒー。
二階から通りが見渡せるうえ、
頭上は目につかないのか、
観光地にしてはあまり混んでいなかったから穴場かも。

鎌倉は、平日なのに結構な人出。
制服姿の中学生らしき子たちがうじゃうじゃいる。
遠足とか修学旅行の行き先になっているのかな。

鶴岡八幡宮の敷地内にある大河ドラマ館。



和田殿のゆるイラスト入り書状。

行きにも気になっていた時房邸跡。



京都の内裏跡を探しに行ったときにも思ったけど、
街の中心部や規模等、街自体の様相が
当時とはかなり変化してしまっているから、
そこに邸があったということの意味が
なかなかイメージしにくいね……
御所の近くほど身分が高いor権勢があるのだろうけれど、
地図だけでは想像が及ばない。

この日は移動三昧で疲れて、大船のホテルでぐったり。

三日目は、由比ヶ浜駅近くの鎌倉文学館へ。
今回の鎌倉行きの目的はここ。


海が見える。

カメラの設定を失敗してこのあたりの写真はえらく暗いが、
洋館の意匠は素敵だし、バラ園もきれい。

今回の鎌倉文学館の展示は、鎌倉に住んでいた作家たちの作品と、
源氏三代を描いた作品が中心。
永井路子先生の自筆原稿もあった。
そして、実朝の文学者からの愛されっぷりがすごい。
その文学性と悲劇性ゆえだろうか。
いろんな作家が彼を描いたり評論で扱ったりしている。
それに比べて頼家の不人気ぶりよ……(だいたい吾妻鏡のせい)


おまけ。
鎌倉駅近くのカーネル・サンダースおじさん。

【今回のご当地マンホール】
鎌倉駅近辺。
真ん中に笹竜胆の家紋。源氏だからだね。

由比ヶ浜近辺で見つけたもの。
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【覚え書き】関東旅行② 川越

2022-06-29 08:26:30 | おでかけの記
三日目は埼玉県の川越。

ここもかなり前から本で紹介されているのを
何度も見た場所だったのだけど、
正直なところ、行きたい気持ちはかなり萎えていた。
というのも、「いつか行こう」と思っているうちに
すっかりメジャーになってしまい、
「めちゃくちゃ商売っけたっぷりになって、
 人があふれてるんだろうな……」
と予想できたから。
川越を舞台にした創作物も
ずいぶん多くなったもんね……

しかし、もう関東には来ないつもりだから、
行っておくか……と腹を決めて向かう。

浅草→(東京メトロ銀座線・渋谷行き)→上野
→(JR山手線)→池袋→(東武東上線森林公園行き)
→川越

で1時間強。
の予定だったのに、乗り換えで手間取って2時間近くかかった。
東京に来るといつも思うけれども、土地勘がないし、
駅と駅の間の距離感もわからないし、
路線図が読み解けないので、下調べをかなりしっかりしないと
迷子になってしまう。

さて、川越。
予感は的中。
平日の昼間なのに、めちゃくちゃ人がいる……。
建物は本当に古い感じがするけれども、
ばりばり商業利用されていて、活気づいている。






人は多いし、食べ歩きに興味がないので、
本当に「行って、見た」だけ。
滞在時間は30分もなかったかも。

でも、食べ歩きが好きな人にはおもしろいだろうし、
関東在住の人にとっては、
ちょっとしたショートトリップの行き先として
人気があるのはわかる。

おまけ。
浅草で泊まっていたホテルの屋上からの眺め。

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【覚え書き】関東旅行① 佐原

2022-06-28 20:26:15 | おでかけの記
だいぶん時間が経ってしまったけれども、
6月初めに仕事で関東に行くことになったので、
ついでに気になっていた場所を回ってくることに。
「もう二度と、東京には来ないぞ」
というつもりだったので、距離や費用は無視で、
タスクを消化してきた。
 
1日めは東京、2日めは千葉県香取市の佐原へ。
「昔ながらの町並み」として紹介されているのを
何度か目にした場所。
 
浅草→(都営浅草線成田空港行き)→京成成田→(徒歩)→
成田→(JR成田線銚子行き)→佐原
 
のルートで2時間強。
2時間かけて行くならついでに千葉をめぐって……と
欲が出てしまうけれども、他の県に行く予定もあるので、
行くのは佐原だけ。
 
 
同じ名前だけど、三浦一族の佐原氏とは無関係なのね……。
 
古い町並みは、駅から歩いて行ける距離にあり。
(カメラの設定を間違えて、一部の写真が暗い)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平日だということで、人は少なめ。
地元の人にとっては、もっと人が来て
お金を落としていってくれたほうがいいのだろうけれども、
旅行客としては人が少ないほうがうれしい。
 
 
ここは伊能忠敬生誕の地だということで、
公開中だった映画『大河への道』のロケ地にも
なっていたのだった。
映画は未視聴。
 
伊能忠敬記念館へ。
 
 
 
伊能忠敬は商家に婿入りした身で、
隠居後の50歳になってから江戸へ出て
暦法や測量を学び始めたとのこと。
天文や測量のことはさっぱりわからないのだけども、
江戸時代の算法はかなり高レベルだったらしいし、
当時の知識人ってすごいのね……
 
昼食は「茶屋花冠SAWARA」。
レトロなインテリアが素敵なお店だった。
 
 
 
 
 
【今回のご当地マンホール】
 
 
佐原は菖蒲が有名みたい。
 
ポケモンマンホール。
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161:浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』

2022-06-26 23:01:20 | 22 本の感想
浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』
★★★★☆4.5

【Amazonの内容紹介】

成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考。
最終に残った六人が内定に相応しい者を議論する中、
六通の封筒が発見される。
そこには六人それぞれの「罪」が告発されていた。
犯人は誰か、究極の心理戦スタート。

****************************************

先輩から借りた本。
二日に分けて読んだ。

半分まで読んで、
「まだこんなにあるの~、もう終わってよくない??」
と思っていたのだが、読んでよかった。
後半からが怒濤の展開。
「一場面、あるいはその人の一面だけ見て判断してしまう」
ということを逆手にとったどんでん返し。

面白かった!
これは映像化するんじゃないかな?
人の善性に目を向けた結末だったのも好み。

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150-160:市川春子『宝石の国〈1〉~〈11〉』

2022-06-26 22:55:14 | 22 本の感想
市川春子『宝石の国〈1〉~〈11〉』
★★★★☆3.5

【Amazonの内容紹介】

今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、
彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、
戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。
月人と戦うことを望みながら、
何も役割を与えられていなかったフォスは、
宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。

****************************************

購入分の積読解消&無料公開で読む。

「鉱物を擬人化したキャラが出てくる」
くらいの前知識しかなかったのだけど、こんな話だったのね~。
鉱物×SF×仏教的世界観。
先生がお坊さんだったり、敵が仏像だったりしたのは
そういうわけだったのか。

消費カロリーが大きい漫画。
絵に慣れるまで結構かかったし、多い登場人物同士の関係を
整理して覚えるのも一読しただけでは無理。
しかしその分、はまったら情緒をめちゃくちゃにされるだろうな……
という酷い展開。
現時点では登場人物に思い入れはないんだけども、
作中世界の設定には非常に心惹かれる。




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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯25

2022-06-26 21:35:01 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第25話「天が望んだ男」

 序盤のナレーションで「頼朝死にまーす☆」と予告され、
40分かけてそこへ向かっていく回だったな。
主要人物が死んだというのに、
まったく悲しくないのがすごい。
工藤祐経が殺された回は、他の要素がそれなりに重かったから、
個人的な情緒としては、今回がこれまででいちばん
あっさり回だったのかもしれん。
最後、落馬した頼朝に、藤九郎が「鎌倉殿!!」ではなく
「佐殿!!」って呼びかけるところには心動かされた。
どうも安達氏は、当初、板東でそこまで大きい力を
持っていなかったらしいので、
そのせいかもしれないけれども、
本当に彼だけが、権力に関わりなく、裏表なく、
ずっと流人時代から頼朝に従っていたんだよね……。
そのことにちょっと心動かされちゃう。
(その後の鎌倉内部の抗争で、北条氏以外で最後に残った
 有力御家人が安達氏だったのも、感慨深い)

死を恐れる頼朝にすがられて、
全成がいい加減な対策を口にしたせいで、
序盤はコント仕立て。
和田義盛と巴が完全に男女の仲だったことに
動揺してしまった……。
(最初、「家人になってくれ!」って言ってたから、
 こっち方向にはしないと思ってたよ)

金剛あらため頼時に
「義母上はやめて。姫でいいですよ☆」
と応じる比奈ちゃん、
時政パパに八重と間違えて呼ばれても
「ひな人形のように可愛い比奈です」
と返す比奈ちゃん。
このユーモアと賢さ。
好きになっちゃうよ!

【その他いろいろ】

・千葉殿と土肥殿、お元気ですなあ~。
 千葉殿なんか、初登場時に
 「あの世からのお迎え」の話をしてたのに……

・蒲殿の一件に比企が絡んでると噂を流した時政パパ、
 さりげなく黒い……

・頼家は、比企の娘に子を産ませるが「妻にするつもりはない」。
 今の感覚だと、「お、お前~!」となるが、
 先週、政子が出自のことで丹後局にガツンとやられているから、
 視聴者の心理を「わからないでもない」に持って行けたのでは。

・頼時、若造の分際で御家人をランク付けするんじゃないよ。
 頼時「すべてを兼ね備えているのが畠山殿です!」
 重忠「くだらないことを考えるのはよしなさい」
 重忠の塩対応に笑っちゃった。
 でも、若造の発言で他の御家人のヘイトを溜めたくないもんね。

・「巴が握った握り飯です」と和田義盛が持ってきたやつ、
 義盛が握ったんだよね。
 せめて手のご飯粒取ってから来いよ……

・毎回、明らかに「セクシーキャラ」をアピールするためだけに
 登場させられる八田殿。

・餅に酢をかけて食べるの、まだ醤油がないからか。

・政子はずっと頼朝が好きなんだな。ううう。
コメント (2)
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146-149:最近読んだ漫画

2022-06-21 21:32:17 | 22 本の感想
 山本崇一朗『それでも歩は寄せてくる〈1〉』

可愛い二人。
男の子のほうが積極的なのが、
少女漫画以外ではちょっと珍しい感じ。
これだけの短いエピソードが1話として成立するのは
漫画ならではだなぁ。


 高田裕三『3×3EYES〈1〉』

タイトルと主人公&ヒロインのキャラデザだけ知っていた。
電子書籍がない時代に描かれた漫画だからなのか、
電子化の際の調整がうまくいってないのか、
よくわからないけれど、画面がやたらと黒くて見づらい。


 絵本奈央・岡田麿里『荒ぶる季節の乙女どもよ〈1〉・〈2〉』

おお~、これはド直球で来たなあ。
性に振り回される男子と女子、
セックスのことを考えないではいられない文化系女子の生態。
題材が題材だけに人を選びそうだけど、
可愛らしさとのバランスが取れている。
続きが気になる。


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140-145:最近読んだ本

2022-06-21 21:30:38 | 22 本の感想
 こころのたね。yasuyo『のほほん御膳: 季節を楽しむかわいい食卓』

うおー! インスタ映え、ここに極まれり!


 小田真規子『手間をかけずに この「ほめ言葉」が聞こえるレシピ』

定番メニューにも一工夫あって、おもしろい。


 鈴木義幸『新 コーチングが人を活かす』

「『なぜ』の代わりに『なに』を使う」とか、
「相手に解決策を考えさせるときに、
すぐに答えが出てこなくても待つ」とか、
ちょっと気をつけよう……と思えることが
いくつかあった。


 大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』

読んで一週間もたつと、何が書いてあったのか
ほとんど忘れてしまう……


 土橋正『モノが少ないと快適に働ける―書類の山から解放されるミニマリズム的整理術』

ATMに行くのは、混んでない月の中頃(15日を除く)に、等の
スケジュール管理の話が役立った。


 一田憲子『暮らしの中に終わりと始まりをつくる』

仕事の内容だとか形態に自分と共通点が多かったので、
取り入れられる内容が たくさんあった。
考え方にも納得できる点が多い。

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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯24

2022-06-19 22:25:49 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第24話「変わらぬ人」

落として希望を見せて、やっぱり落とす、鬼脚本。

蒲殿、確かに比企にそそのかされて早まってはしまったが、
今回のドラマでは野心ゼロ。
比企が仮病を使っているのもおそらくわかった上で
「どうぞお大事に」、
幽閉されることになっても、時政に「兄を頼む」と言える人。
自分に野心がなかったことを、きっぱり告げたのに、
その上でネチネチ揚げ足取られるんだから、
「もう結構です」になるのは、わかるよ……。
だってもう、何を言っても失脚させられるって理解できるもん。
修善寺に幽閉されるだけにとどまったかと思いきや、
再びの言いがかりで暗殺されるんだから、浮かばれない……

義高を忘れかねて、縁談もぶち壊す大姫。
木曽殿を思いつつも、前を向き、
和田義盛と仲良く暮らしている巴に諭されて、
入内に乗り気になったと思ったら、
丹後局の強烈なマウンティングで脱走→発熱→死と
あっという間に退場。
「好きに生きていい」を「死んでいい」に受け取って、
死だけが救いになるの、なんともやりきれない。
もう創作物で何度も何度も触れてきた場面だけど、
やっぱり泣いちゃった。

尼になった丹後局(京香さま)、美しかった……
「美しい」「お召し物がよく似合う」
と大姫をおだてた後で、
「田舎の人は良いわね~、どんな言葉も素直に受け止めちゃって」
「なにそのダッサイ着物」
「あんた(政子)、娘を入内させられるような身分か?」
「厚かましい!!」
と、けちょんけちょん。
でも、こんなはっきり言うなんて優しいネって思っちゃった。
今までに読んだ小説だと、丹後局も源通親も卿局も、
内心舌を出しながら、調子のいいこと言って
引き出せるだけのものを頼朝から引き出してたから……

平六が小四郎には、
「こんな鎌倉サバイバル生活やだ、隠居したい」
って言いつつも、父親と土肥殿の前では
「北条に差をつけられて悔しくないのか」
って言ってたの、何かの前振りかしら。
大姫に「好きに生きていい」っていうの、
入内話をぶち壊すためのように思えた。
もちろん、小さいころから知っている姫に対する
優しさはあるんだろうけど、
主家の方針に反する方向への誘導だもの。
平六、若者グループ4人でつるんでいるけど、
いとこの脳筋・義盛のことは嫌いだし
(初期のころ、ほんと嫌な顔して見てた)、
畠山重忠のことは微妙に苦手だし
衣笠合戦の恨みもある。
たぶん互いに友だちだと思ってるの
小四郎しかいないんだけど、三浦の跡取りとしては
わだかまりあるんだろうね。

【その他いろいろ】

・比企能員、妻に止められて会わなかったけど、
 最初は心動いてたし、「蒲殿、すまん」って言ってるから
 助けたい気持ちは一応持ってたんだね……

・大江殿、ここまで表だって誰かを陥れる言動繰り返してると
 やられちゃうのでは……
 史実の彼が最後まで殺されず天寿を全うできたのは、
 そこのあたりの身の処し方が上手かったからだと思うんだけども。

・出家して死を覚悟した岡崎義実に、梶原が
 「真っ先に挙兵に駆けつけた功を、鎌倉殿は忘れてはおらぬ」
 って言った場面、ちょっと泣いちゃった。
 息子を亡くしてるんだよね。

・一条高能、公家らしい綺麗な顔だったけど、
 声が大きすぎるしはきはきしゃべりすぎ。

・三幡、ちゃんと出てきた!

・大姫の死に、政子は
 「もうこんな思いはしたくない」
 って泣くんだけど、これから何度も何度も
 彼女は「こんな思い」をさせられるんだよね。

・このところ、もう和田義盛と全成だけが癒やしだよ……
 全成のコント、アホすぎだった。
 大姫はオカルトにはまってたくせに、
 他人のオカルトにはめちゃシビアで冷静。

・万寿と大姫が、ちゃんと姉弟らしいコミュニケーションとってて
 安心した!
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139:永井路子『美貌の女帝』

2022-06-17 21:48:29 | 22 本の感想
永井路子『美貌の女帝』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

壬申の乱を経て、藤原京、平城京へと目まぐるしく
都が遷る激動の時代。
その裏では、皇位をめぐって歴史の節目となる大変革が
進行していた。
繰り返される裏切り、陰湿なる策略。
矢面に立たされた氷高皇女が女帝・元正天皇となり、
自身のすべてを政治活動に捧げ、
守り抜こうとしたものとは何だったのか――。
悲劇の女帝を描いた長篇歴史小説。

****************************************

積読解消。
「壬申の乱」と「聖武天皇の大仏建立」は教科書の記述における
メインイベントのうちの二つだけども、
その間に帝位にあった女帝たち――中でも元正天皇に
スポットライトをあてた物語。
元正天皇を主人公にした作品は、これしか知らない。
蘇我氏の血を引く「蘇我の娘」として、
藤原氏に権力を奪われまいと奮闘する元明・元正の母娘。
藤原不比等はもちろんのこと、藤原広嗣や橘諸兄・奈良麻呂も
元正天皇の生きていた時代の人物なんだな。
ここらへん、教科書レベルのことしか知らないので、
これを読んで初めて流れがわかったところもあった。

天皇家が何千年単位という長い時間、その地位を保ってきたことは
世界でも珍しいと言われているけれども、
藤原氏も相当なものだよね。
もちろん、実権は別の人物や一族に移っているのだけれども、
格としての公家のトップは、華族制度が終わるまで
藤原摂関家がキープしたままだったんだもの。
古代氏族のほとんどが表舞台から消えていったことを考えると、
奇跡的。

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