DIARY yuutu

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『伊勢物語』(Cf. 在原業平825-880)「第31段 よしや草葉よ」:「身分の高い女房」に同感する者からすれば、男(在原業平)は「なんと憎らしい男だ」ということになる!(「ねたむ女」!)

2022-01-04 16:54:58 | 日記
むかし、宮中で、男がある「身分の高い女房」(「御達」ゴタチ)の局(ツボネ)の前を通ったところ、その女房は男を恨みある者と思って、「まあ今はよい、しゃあしゃあと栄えている草葉め(『よしや草葉よ』)、のちにどんなひどい姿になるか、お前の本性を見てやりましょう(『さが見む』)」と言った。これに対し、すかさず男が歌を詠んだ。

「つみもなき人をうけへば忘れ草おのが上にぞ生(オ)ふといふなる」
罪もない人を呪詛する(「うけふ」誓ふor祈ふ)と、忘れ草が自分の上に生える(自分が人に忘れられる)と言うそうですよ。

この歌を聞いて、男を憎らしいと思う別の女房(「ねたむ女」)もいた。

《感想1》貴族社会の人間模様は嫉妬・悪意・羨望・敵意・不信・策略・呪詛など暗い情念が入り乱れ絡み合い凄まじい。男は何かの理由で、ある「身分の高い女房」(「御達」ゴタチ)から恨まれ呪詛された。
《感想2》だが男(在原業平)は負けていない。「あなたこそやがて美貌と権勢を失って、人から忘れられてしまうでしょう」と言い返した。
《感想2-2》発言した「身分の高い女房」(「御達」ゴタチ)に同感する別の者(女房)からすれば、男(在原業平)は「なんと憎らしい男だ」ということになる!(「ねたむ女」!)


★『伊勢物語』「第31段 よしや草葉よ」
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