まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 2017年 わたくし的ランキング

2017-12-31 20:14:08 | kyokyo
今年聴きに行った13公演(定期は11公演)の中から、印象に残ったステージをランキングしてみました。
あくまでも、私的な意味での「素人」ランキングなので、楽曲の難易度や演奏水準とは殆んど関係がありません。

            *  *  *  *  *

●【第1位】ベートーヴェン : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品. 61
2017年7月15日(土)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
京都市交響楽団 第614回定期演奏会 / 指揮 : 広上淳一 独奏 : ピンカス・ズーカーマン

ユダヤ系ヴァイオリニストの正統的な継承者とも言える、世界の「超」の付く一流ヴァイオリニストとの初共演。
最初の一音から衝撃的でした。 大らかで、美しくかつ伸びやかな音色。 優しく包み込むような「懐」の広さ。

●【第2位】ブラームス : 交響曲第1番 ハ短調 作品. 68
2017年10月15日(日)15:00 開演 @兵庫県立芸術文化センター・大ホール
広上淳一 × 京都市交響楽団 / 指揮 : 広上淳一

私は、「アウェー」での京響も聴きたいので、でき得る限り「遠征」します。 響きの異なるホールと聴衆の反応。
とても興奮気味に、演奏の感想を語り合う人たち。 満足げな表情。 京都市民であることを誇らしく感じました。

●【第3位】ベルリオーズ : 幻想交響曲 作品. 14
2017年9月3日(日)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
京都市交響楽団 第616回定期演奏会 / 指揮 : ジョン・アクセルロッド

過去の数回にわたる客演指揮で、充実した演奏内容と共に、京響との相性の良さを評価されるアクセルロッドさん。
現在、確固とした「常任3人体制」の京響ですが、新たに首席「外国人」客演指揮者のポストを進呈したいくらい。

●【第4位】ラフマニノフ : 交響曲第2番 ホ短調 作品. 27
2017年9月17日(日)14:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
第21回 京都の秋音楽祭 開会記念コンサート / 指揮 : 広上淳一

翌日に「サントリー音楽賞」の受賞記念コンサートを控え、気持ち的には「壮行演奏会」のような雰囲気も感じる。
クラシック界最高の栄誉ある賞に恥じない実力を披露。 指揮者とオーケストラとの「幸福」な関係に満たされる。

●【第5位】ジョン・アダムズ : ハルモニレーレ
2017年11月25日(土)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
京都市交響楽団 第618回定期演奏会 / 指揮 : 下野竜也

ミニマル音楽とかシェーンベルクの和声学とか、難解そうな現代音楽の理論は抜きにして、十分楽しめる作品。
ひたすら高みを目指していく高揚感と、満ち足りた気分に抱かれるラストは、まさに「鳥肌もの」の音楽体験。

            *  *  *  *  *

●【番外・第1位】マーラー : 交響曲第8番 変ホ長調「千人の交響曲」
2017年3月26日(日)15:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
京都市交響楽団 第610回定期演奏会 / 指揮 : 広上淳一 / 合唱 : 京響コーラス・京都市少年合唱団

ベスト5まで選出したところで、大晦日のBSフジの放送を視聴。 やっぱり、これは外せないな!という熱演。
創立60周年というメモリアルなシーズンのラストを、正に「オール京都」の布陣で締めくくれた意義は大きい。



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京都市交響楽団 特別演奏会 「第九コンサート」

2017-12-29 15:55:18 | kyokyo
2017年12月28日(木)19:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 井上 道義 / 管弦楽 : 京都市交響楽団 / 合唱 : 京響コーラス
独唱 : 菅 英三子(S) 林 美智子(Ms) 笛田 博昭(T) ジョン・ハオ(B)

 
            *  *  *  *  *

● ショスタコーヴィチ : ジャズ組曲第1番
作曲年の1934年当時のソ連は帝政が終わり、アメリカや西欧以上に自由を謳歌する空気に満ちていたという。
ジャズとは言うものの、ワルツ・ポルカなど、3つのダンス曲から成る組曲。 10人程度の小編成による演奏。

サックスが3本(テナー・アルト・ソプラノ)の他、バンジョーとかハワイアンギターなど、珍しい楽器が登場。
いわゆる「アーリー・ジャズ」時代の作品。 旋律には、「ユダヤ・メロディー」の色合い(影響)を感じます。

● ベートーヴェン : 交響曲第9番 ニ短調「合唱付」 作品. 125
プログラムに「演奏時間70分」と明記されているように、かなり軽快な速度で全曲が進行していく演奏でした。
決して重々しい足どりではなく、かと言って軽薄にはならず、音楽の前へ前へという推進力を優先した「第9」。

第3楽章のアダージョでも、旋律を美しく歌わせるものの、いくぶん速めのテンポ設定は変わることなく終楽章へ。
4人の独唱者、及び京響コーラスは、近年では出色の出来映え。 何より、豊かな声量が支える安定感が頼もしい。

オーケストラ、独唱、合唱が渾然一体となった「歓喜」のクライマックスは、凄まじい燃焼度で迫力満点でした。
大編成のメンバーをしっかり束ね、ぐいぐいと引っ張っていく、その統率力と求心力。 井上道義さんの正に真骨頂。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする