2010年7月19日(月・祝日) @ ザ・シンフォニーホール
指揮:広上 淳一 / ピアノ:アリス=紗良・オット / 管弦楽:京都市交響楽団
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● シベリウス:交響詩「フィンランディア」 作品26
この曲はフィンランドの第2の国歌とも言われ、国民の間で広く愛唱されている曲です。
今日の演奏はトンミ・ヒルトネンが聴いたとしても、感動に胸をうち震わせたことでしょう!
人間の心の奥底には人種・民族を問わず、国を愛する気持ちがたたえられていると思います。
私は思い入れが強いのか、単に涙もろいだけなのか、早くも熱いものがこみ上げてきました。
広上さんの指揮は強調すべきところは十分に響かせ、延ばすところはたっぷりといった感じ。
それに応える京響もスタートからフルパワーのエンジン全開で、よく鳴っていました。
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● グリーグ:ピアノ協奏曲イ長調 作品16
鮮やかなグリーンのドレスで登場したアリス=紗良さん。 華やかな空気に包まれるステージ!
白い肌がいっそう輝きを増し、まるでミューズの化身のような気高い美しさが感じられました。
ピアノ演奏の合間にぼんやり中空を見つめるホーズですら、バッチリ決まっていました。
今日の演奏会を付き合ってくれた友人も、「あれで悩殺された!」なんて言っとりました。
この曲の初演はピアノ独奏によるもので、晩年になってオーケストレーションを改訂とのこと。
そのせいかソロの部分も聴き応え十分で、ピアニストの腕のふるいどころたっぷりの曲です。
あのスレンダーな身体つきからはちょっと想像もつかないような、芯のしっかりしたタッチ。
女性らしいリリカルな部分はもとより、この曲のもつドラマ性が濃密に表現された演奏でした。
ソリストの中には、全く自分だけの世界にトリップしているような方もいらっしゃいますが、
アリスさんは、広上さんやオケの方たちと常にコンタクトをとりながらの、まさに「協奏」でした。
鳴り止まない拍手喝采に応えて、アンコールもショパンとラベルの2曲を披露。
それだけでも、十分「お得感」のある演奏会でした。 ← 最後は関西人らしいコメントで。
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● シベリウス:交響曲第2番ニ長調 作品43
最後はシベリウスの大曲。 家にあるCDでは最後まで聴いたことのない、私にとっても難曲。
広上=京響は圧倒的な迫力で、私の集中力・緊張感を最後までぐいぐい引っ張ってくれました。
身を切り裂かれるような痛み、のどかな牧歌的風景、とろけるような陶酔、湧き上がる高揚感。
この曲にはいろいろな表情をもった旋律が、次から次へと断続的に表れては消えていきます。
下手をすると、ぶつぶつと途切れた印象を持たれかねない、難易度の高い曲だと思います。
この日の演奏は澱みなく流れるように、「大河ドラマ」のストーリーを紡ぎ出していました。
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● 広上淳一さん
広上さんの指揮はダイナミックでエネルギッシュで、惚れ惚れするくらいカッコいいです。
スポーツ少年がJリーガーやプロ野球選手に憧れるように、指揮者になりたい子どもたちも!
アンコール曲は北欧つながりで、グリーグの「ホルベルク組曲」から。 弦楽合奏のみの演奏。
熱狂・興奮した感情を静めるような選曲も、シェフ・広上淳一の趣味のよさが感じられました。
京都サンガF.C. VS ガンバ大阪 @ 万博記念公園競技場
角田選手の同点ゴールが決まり、1‐1のドロー。 2勝4分6敗で勝ち点10。
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■ この試合はJリーグの再開戦であると同時に、中谷選手の復帰戦ともなりました。
濡れたピッチ状態が懸念されましたが、久々に推進力のある突破が見られました。
■ GKのベテラン平井選手も、久々のリーグ戦の先発出場でした。 水谷選手はケガなの?
ダイナミックさには欠けるものの、堅実なセービングでゴールを死守といった感じでした。
■ トップの右サイド(?)には、17歳の宮吉選手が先発起用されていました。
攻撃に転じた時のシャープでセンス溢れるプレーぶりは、十分な将来性を感じさせます。
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■ 試合を重ねるたびに、ドゥトラ選手と周りの選手との連携が密になってきたようです。
大きなストライドのドリブルは破壊力十分、ピッチがよければ「あわや」のシーンも!
■ 途中交代の中村太亮、加藤弘堅の両選手も、堂々とした落ち着いたプレーぶりでした。
1対1になった時に、自分からどんどん仕掛けていく姿勢は評価できると思います。
■ 最後になりましたが、角田選手の同点ゴールも左すみを冷静に狙ったシュートでした。
これでチームの得点王だそうですが、それだけ積極的に攻撃参加している証しと言えます。
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次節は18日(日)に、最下位の湘南ベルマーレを西京極に迎えてのホームゲームです。
どちらのチームも負けられない、大変厳しいゲームになりそうな予感がします。