まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 第621回定期演奏会

2018-03-20 18:42:16 | kyokyo
2018年3月18日(日)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : ジャンルイジ・ジェルメッティ / 独奏 : ルイジ・ピオヴァノ(チェロ)/ 京都市交響楽団


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● ロッシーニ : 歌劇「ウィリアム・テル」序曲
この曲を聴くのは、おそらく小学校か中学校の音楽の授業以来になると思います。 亡くなった父も好きだった曲。
標題が付けられた、4つの独立した情景が続けて演奏されますが、各々のシーンが目に鮮やかに浮かぶようです。

ジェルメッティさんは、イタリアの「ロッシーニ指揮者」としても有名な方。 やはり、お国柄が出るのだろうか?
重心を少し軽めに置いた響きですが、整然とした美しい音の流れをコントロールしながらの指揮。 威厳と風格。

● ドヴォルザーク : チェロ協奏曲ロ短調 作品. 104
独奏者のピオヴァノさんも、同じくイタリア人のチェリスト。 重厚で渋い響きというよりは、明快で端正な音色。
とりわけ、弱音部の美しさが印象に残りました。 チェロと絡み合うように歌う、管楽器のパートも魅力的でした。

楽曲解説によると、ボヘミアへの強い郷愁に加えて、病床に伏す義姉ヨゼフィナへの思慕が影響を与えているとか。
思慕と恋愛感情との境目は曖昧ではあるけれど、情感あふれる旋律には、単に懐かしさだけではない思いも籠もる。

● ラヴェル : 道化師の朝の歌 / 亡き王女のためのパヴァーヌ / ボレロ
後半は、ラヴェル管弦楽集。 但し、これらを別個の作品というより、ひとつの「交響曲」として捉えるという趣向。
曲と曲の間の拍手はなしに、「楽章」に見立てて続けて演奏。 なかなか秀逸なアイディアで、興味深い音楽体験。

やはり、圧倒的な「ボレロ」の印象。 冒頭の最弱音からフル・オーケストラによる最強奏に至るまでのクレシェンド。
集中力とエネルギーを持続させつつ、到達するクライマックスの高揚感と燃焼度。 京響管楽器陣の力量も再認識。

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この3月定期では恒例(?)となった、卒団される楽団員さんへのセレモニー(花束贈呈)も感慨深いものでした。
今年は、コンサートマスターの渡邊穣さんと、第2ヴァイオリンの後藤良平さん。 スピーチも聞きたいところ。



コメント
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