まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

第24回 京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート

2020-09-21 14:06:35 | kyokyo
2020年9月20日(日)13:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 高関 健 / 独奏 : 福本 茉莉(オルガン) / 管弦楽 : 京都市交響楽団


            *  *  *  *  *

● ジョンゲン : 大オルガンとオーケストラのための協奏交響曲 作品. 81
ベルギーの作曲家ジョンゲンの1926年の作品。 日本での知名度はイマイチながら、とても充実した内容のもの。
独奏の福本茉莉さんは、現在ドイツを中心に活動とのこと。 このコロナ禍の状況下、来日するのにも様々な制約が。

個性の際立った4つの楽章から構成される。 豪壮華麗であり、なおかつ静謐深遠なオルガンの音色、技巧を堪能。
無人のポディウム席の背後に聳え立つかのように、西日本最大級のパイプオルガン。 オーケストラに堂々と対峙。

この「昼の部」では、オルガンのトラブルがあったとのこと。 楽章の間に時間をとって調整が施され、やれやれ。
改めて、ホールに備え付けの、空間を共有する楽器ということを認識。 現場での柔軟な対応力、技量が問われる。

● レスピーギ : 交響詩「ローマの松」
さすがに人気曲、ダミアン・イオリオさん指揮の「ローマ三部作」全曲演奏も含めて、京響だけでも今回が3度目。
前回は広上淳一さん指揮の大阪公演。 残響の豊かなザ・シンフォニーホールが、「箱鳴り」するかのような爆演。

比較すると、硬質でクリアな響きの京都コンサートホール。 音の抜けがよく、風通しのよい開放的な京響サウンド。
先ほどのオルガンと同様、ホールによる残響や反響の違いで印象が異なるのも、クラシックを聴く醍醐味のひとつ。

昨シーズンまで京響の要職を務められていた高関さん。 オーケストラを完全に掌中に収められている余裕と安定感。
明晰で機能的な指揮。 終楽章の「アッピア街道の松」は、古代ローマ軍の勝利の凱旋にふさわしく、圧倒的な演奏。

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コロナ禍の下、再開された演奏会は、感染症拡大防止のため選曲や規模が制限され、喜び半分も、物足りなさ半分。
そしてようやく、オーケストラの人員や配置も、ほぼ戻ったかのような感じ。 身震いするような感動も甦ってきた。



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