2013年12月22日(日)~2014年2月9日(日) @京都文化博物館
「煌めきの瞬間を永遠に」。 福知山市に生まれた文化勲章受賞者。
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京都府福知山市出身の日本画家佐藤太清(1913~2004年)の生誕100年記念展。
佐藤太清は平成4年(1992)には文化勲章を受章、日本画壇を代表する作家のお一人。
展覧会のポスターにも使われている代表作「雪つばき」。 ふんわりとした雪の質感が見事!
雪や外気の「冷たさ」というよりも、動植物を優しく包み込む「温かさ」が伝わってきます。
「雪の名手」と言われた太清。 同じく雪景色を描いた「東大寺暮雪」も、印象深い作品です。
黒々とした大仏殿を背景に、しんしんと音もなく降りしきる雪。 奥にひとつ、灯明の灯り。
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だんだん暮れてゆく春景色の中、芳香を放つ梅の古木。 深山の緑の中、咲き誇る一本の桜。
華やかさと力強さの中にも、どこかしら、太清自身の宿命的な孤独が漂っているようです。
突然の夕立に見舞われるサギたちを描いた「風騒」。 大空を力強く飛翔する「行雲帰鳥」。
伝統的な「花鳥風月」画に留まらない、一瞬の煌めき、ドラマチックな要素を感じさせます。
静かな池の面に映る塔の影と、ひらひらと舞うチョウ。 この世のものとは思われない美しさ。
旅先の羽黒山を描いた「昏」という作品(1974年)も、印象に残る作品のひとつでした。