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舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

祝!アカデミー賞:英国王のスピーチ

2011-02-28 15:16:01 | 映画/DVD

「英国王のスピーチ」が作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞受賞です。

あらすじ

ジョージ6世は、王などになりたくなかった。兄のエドワードが、王室が認めない愛のために王冠を捨てたことから、予期せぬ座についたのだ。しかも彼には、吃音と言う悩みがあった。スピーチで始まり、スピーチで終わる公務の数々に、いったいどう対処すればいいのか?王は何人もの言語聴覚士の治療を受けるが、一向に改善しない。心配した妻のエリザベスは、スピーチ矯正の専門家、ライオネルの診療所に自ら足を運ぶ。堅く閉ざした心に原因があると気付いたライオネルは、ユニークな治療法で王の心を解きほぐしていく。折しも第二次世界大戦が始まり、ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦に揺れる国民は、王の言葉を待ち望んでいた。ライオネルの友情と妻の愛情に支えられ、王は国民の心をひとつにするばく、渾身のスピーチに挑むのだがー。

昨夜長女と観に行ったばかりのこの作品。写真の大きな垂れ幕には「アカデミー賞最有力、映画界の王へ!」と書いてありますが、今日はきっと「祝・アカデミー賞受賞!」になっているんだろうな。とってもいい映画なので、これからご覧になる方は以下のネタバレ感想文はお帰りになってから読んでくださいね。充実の2時間でした。

 

数々の賞に輝くこの作品ですが、内容はとっても地味で誠実です。現エリザベス女王のお父様・ジョージ6世の成長の物語。
陛下(コリン・ファース)は極度の吃音でスピーチが大の苦手。おまけにかなりのあがり症。しかし、父王の死後、兄エドワード(ガイ・ピアースですよ!クール・ビューティーっぷりにハイソな香りがたまらなく素敵)が「王冠を懸けた恋」であっさり退冠してしまったため、思ってもいなかった王位に着く事に。そんな彼に言語療法を施してくれるのが名優ジェフリー・ラッシュ演じるライオネル。「ほら、パイレーツ・オブ・カリビアンの怪しい船長さん」と、長女に言ったら、「あ~!肩にサルがのってないからわからなかった」と。ハリーポッターでリチャード・ハリス氏の死後ダンブルドア校長先生を引き継いだマイケル・ガンポンが厳しい父王ジョージ5世。長男エドワードが王の器でないことを早めに見抜き、弟に期待をかけるあまり厳しく厳しく接する父。

左利きの矯正、X脚の矯正、乳母のいじめ()など、幼少期の様々なトラウマが吃音をひどくしていると見抜いたライオネルが、ジョージ6世の心を解きほぐし、「5歳の時の怖れにしばられなくていい。」と語りかける場面では本当に涙が出ました。それにしても兄エドワードひどすぎです。シンプソン夫人の前でデレデレしているところを弟にたしなめられると吃音をバカにしたり、一年足らずで元人妻との結婚のために王位をほっぽりだしたり。この事件、ウィンザー公とシンプソン夫人の「王冠を懸けた世紀の恋」と言われていて私はロマンチックな話だと思ってましたが、イギリス人的には冗談じゃないって感じだったんですね。エドワードはちゃらんぽらんなプレーボーイ、シンプソン夫人もかなりな遊び人でテクニシャン、相当ふざけんな扱いに描かれていました。でも、ガイ・ピアースは本当に素敵

 これは名作メメントのお写真

数々の試練を乗り越え、ライオネルとも一時は疎遠になりながらも英国王の自覚を少しずつ持ち始めるジョージ6世。最後に戦争に向かう国民への大事なスピーチに立ち向かう姿には本当に心打たれました。マイクの向こうで、まるでコンダクターのように見守るライオネル。寄り添う妻、エリザベスの献身的な姿にも打たれます。夫がどんなに周囲から馬鹿にされようと蔑まれようとしっかりとその手を握り、「大丈夫、大丈夫」とほほ笑む妻。で・・・できない。。私にはそして感動的なスピーチ。この実際のスピーチはyou tubeでも聞く事ができます。”W”の発音がいまひとつ・・と感想を述べるライオネルに、「私とわかるように。」と余裕さえみせるジョージ6世にくい。

正式な資格を持たない言語療法士ライオネルが実はシェイクスピア劇が大好きでオーディションに落ちまくっているというのも面白かったです。大音響の中で自分の声がきこえない状態にすると吃音が生じないという実験をする時の台詞はハムレット。オセロやリチャード3世の台詞などもちょこちょこ出てきて、イギリス人のシェイクスピア好きがよくわかります(でもライオネルはオーストラリア人)

ジョージ6世は娘である女王エリザベス2世にとてもよく似ていらっしゃいます。英国史は名前(ジョージ6世の名はアルバート・フレデリック・アーサー・ジョージ・ウィンザー)や関係が複雑でわかりにくいので苦手でしたが、こんな風に映画で接するとなかなか興味深いです。

 ともかく、おめでとうございました!

 

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