Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

抑止力の世界観が呼び起こす祈り

2010-03-23 | 雑感
1990年までこの森に化学兵器が貯蓄されて、長く百万人もの人々を脅かしていたのでした。

感謝致します、それが一度も使用されることなく廃棄のために1990年の夏に搬出されたことを!

神、命の友よ、有難うございます。あなたの創造物の破壊から私達を護りたまえ!


日曜日に森の中を二十キロ近く行進した。そのフランス国境に近いプファルツの森にはABCの兵器が貯蔵されていた。冷戦の前線でも無いドイツ連邦共和国の奥深くにこうして隠されていたものである。もし有事があり、なにかが起こったらと思うと恐ろしいばかりの現実であった。

これをして殆ど祈りに近い形でこうした記念碑を築く気持ちは素直に理解出来よう。むしろ、ここに刻まれている言葉には、脅かされていた百万人の思いだけでは如何にしようも無い世界の現実が示されている。

そうした現実を、ある世界観を通して謙虚に見つめるところから全てがはじまる。言い方を替えれば、ある確固とした世界観が無い所では、こうした恐ろしい終末へとブラックホールのような大きな口を開ける世界も覗き込むことなどは出来まい。

東西ドイツに代表される冷戦構造や南北朝鮮の臨戦体勢に代表される社会を実感することなしに、もしくは無差別空襲や原爆などを自ら経験しない限り、民族間・内の紛争や利害関係による紛争に対する徴兵とか軍備とかを考察しても、こうした世界観を通した視座はなかなか生じないに違いない。



参照:
国家、国籍、参政権をめぐる問題 (作雨作晴)
世界のさくらが一斉に散るとき 2010-02-08 | 音
権謀術数議会制民主主義の自覚 2010-01-09 | 歴史・時事

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