Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

早落としの村名ピノノワール

2013-08-01 | ワイン
赤ワインを開けた。日曜日にステーキを食したときである。ブルゴーニュのシャンボール=ミュジニーの村名ものである。Saar Weineさんに20ユーロ以下のピノノワールということで現地で購入してきて貰ったものである。現地からと言ってもネゴシアンであるル・デュモンのものなので割高であることは承知していた。

更に試飲の感想からかなりベリーの香りの甘い感じが伝えられていたので、2009年産と2010年産の両方のオファーを受けたが、より繊細なはずの2010年だけを譲り受けた。あまったらしい味の強さを予想させられたからである。

開けてみると全く異なっていた。なぜこれほどに伝えられていた感想と第一印象が異なるのか、未だに理解できないでいる。要するに彼の集落から集められた葡萄は、未成熟な落としようの葡萄である。その酸味は、ドイツのシュペートブルグンダーでも殆ど無いほどの酸度である。しかしこれ自体はそのコンセプトもあり、仕上げの妙でもありえるので決して否定的ではない。但し、2010年の葡萄からすれば明らかにこれは生物学的に未成熟であることには変わりなく、決して自己の地所の瓶詰めではやらない手法であろう。

それを示すかのように色もあまり良くなく、アルコール13%にしては明らかに薄作りなだけではなく、収穫量が殆ど絞られていない葡萄というか落とし用の葡萄で間違いない。そうなれば肝心のミネラル風味どころかテロワーも殆ど反映しないのである。要するに何処の地所の葡萄であってもそれほど変らないはずである。しかし、最終的な仕上げとしてフランス製らしい香りはクラムベリかなにかの感じでその点だけは正しい。

相対的に見ると、例えばハイデルベルクのゼーガー醸造所のフランス種のピノノワールよりも遥かにシュペートブルグンダー味であり、その酸も荒いのだ。その点で似ているのは、アールのそれかもしれない。総合的には、クリストマンのSCを想起させるが、質としては丁度同じぐらいであろうが、価格がSCの方が安いのである。しかし、ドイツの10ユーロ以下のものよりは流石に良いように思われる。

逆にこうした10ユーロを超え、20ユーロまでぐらいのPCぐらいまでのピノノワールは、ドイツにおけるその価格辺りのものと比較してよい勝負をしているということでもあり、10ユーロ以下の商品におけるような不戦敗は少ないように思われる。言い換えれば、最低村名以上のブルゴーニュを飲まない限りは御話になら無いと言うことのようである。



参照:
アスパラガスで一杯 2013-04-29 | 料理
子供錠剤の甘味料に注意 2013-03-01 | 生活
裸の王様を斜に見ながら 2013-05-05 | 試飲百景

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3 コメント

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2010の赤… (ラブワイン)
2013-08-01 08:27:47
2010の赤は全般に色も薄めで、確かに裾ものクラスはあまり良くないものもありますが、
良いつくり手の村名、あるいは一級以上は結構緊張感があるエレガント系で僕は好きです。
ACブルゴーニュだと水っぽくてお話にならないのもあって、09の方が良かったりしますし。
このデュモンは最近飲んでませんが、買いブドウでシャンボールの村名ってなかなか微妙なのかもしれませんね(笑)。
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少し尖っていたのでしょうか。 (Saar Weine)
2013-08-03 17:39:07
pfaelzerwein様、こんにちは。


ステーキと合わせたのはかなり意外でした。

僕もそろそろ飲んでみようかと思います。


タンニンは強めに感じられたのでしょうか?
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2009年で十分だった、新樽を使っている? (pfaelzerwein)
2013-08-06 22:36:26
ラブワインさん、そういうことで2010年を取ったのですが、どうも期待し過ぎたようでした。2009年で十分だったでしょう。そうなると適当に安いスーパー売りのSCでも変わらないということで、ドイツのものの方がよいものがあります。テロワールからして微妙なのでしょう。もう一本のボーヌのPCの方に期待しています。

Saar Weineさん、どうも選択が違ったようです。2009年の感想を期待してますが、その質は変わらないでしょう。タンニンなんて、新樽を使っているとのインフォメーションがあるのでしょうか?

全くそうした造りを感じさせない酸と薄い未成熟の葡萄のようですので、「尖っている」の意味も理解できません。寝かすとか何とかの問題ではなくて葡萄の成熟と質の問題だと思います。ブルゴーニュは、ステーキか鳥類でワインソースにすることが多いです。今回もステーキを焼く料理用に使いました。正直、ドイツよりもはるかにシュペートブルグンダー風で、ゼーガーのシュヴァルツリースリングとよい勝負だと思いますよ。
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