今年は仕事仲間の未亡人を誘ってラインガウで試飲した。今年から数ヶ月に渡って数回行われたロベルト・ヴァイル醸造所の最終日の土曜日は今まで以上に盛況であった。もちろん最終日はグロセスゲヴェックスが購入出来る。
2009年産の特徴はやや量感も薄い酸であるが、逆に醸造法の進展によって、上のクラスに行くほどその酸が丸みを帯びながらも良いミネラルとのバランスを見せることになる。そしてそれは今までに無い風味の豊かさとなってきており、州立醸造所で酸化醸造法へと大きく舵を切った昨今のラインガウの傾向が顕著である。つまり、これでももって漸く、ミッテルハールトのグランクリュとなんとか比較に価する品質に達したとしても誤りではないだろう。
つまり、この醸造所のリースリングも2008年度までは鼻抓み状態のモノトーンな香りしかなかったのが、2009年度から一転して華やかな香味を放つ素晴らしいリースリングとなっていた。それも辛口のみならず、アウスレーゼなどの貴腐ワインにも波及しており、中間クラスのシャルタヴァインや半辛口の一部を除いては格段とその魅力が増大した。同時に屑のワインが少なくなったことも特筆に価する。
そして今年度からはビュルクリン・ヴォルフ醸造所が導入したブルゴーニュシステムの、グランクリュ、プリュミエクリュ、地所名付き、村名付き、ハウスヴァインとクラス化が明確となった。最後のグーツヴァインはバランスも取れていて酸のマイルドでなかなか良いのだが、十ユーロはないでしょうという気持ちが強い。それに比べて、十四ユーロのキードリッヒのリースリングはミネラル風味も立派で、シュロースザールシュタイン醸造所の九ユーロのグラウシーファーと比較してもその価格に偽りは無い。しかし、その対抗馬の価格が割高で、それよりも五ユーロも高い価格はやはり高いだろう。それでも味の純度は高く、密度も十分である。これを基準とするならば、ビュルクリン・ヴォルフ醸造所のゴールトベッヒャエルやランゲンモルゲンの十六ユーロなどは格安である。
その上のPCに価する三種類の地所、つまりクロスターベルク、テュルムベルク、グレーフェンベルクからの所謂ラーゲンヴァインは、価格も二十ユーロと飛躍するが、流石にどれも各々十分なキャラクターを出している。最初のものは石灰がかった味質であり、最後のものはなかなあ芯が強く十分な熟成が期待できる。そして中間のものこそが今年のこの醸造所の特徴であり話題であろう。新しい葡萄からの収穫らしいが、昨年までとは打って変わって激しい特徴を放つ。つまり、殆どソヴィニオン・ブラン同様のリースリング味でこれは今まで経験の無い味覚であり、まさに州立醸造所が推し進める酸化醸造所の成果と見た。
「これは全くソヴィノオン・ブランだよ」と聞いた隣の親仁が「お前なんだ、サントリーの人間か」とかかって来た。どうもヴィースバーデン出身のエンジニアのようでデュッセルドルフで技術部長をしているらしい。趣味でワインを造っているというからもともと家業に関係があったのかもしれない。そこから、ミッテルハールトのグランクリュの話や取って置きの話をしてやると、熱心にメモを取り、本気でこちらに訪ねて来るという。特に先日来ブログで話題になったベクサーの問題を話し出すと、こちらの肩を突いて来た。なぜならば彼の知識では樽から樽へと移す事でそれを除去する方法は遣っているのだが窒素によるサーキュレーションはそもそも設備が無いと出来ないことでもあり毛頭頭に無かったからである。2009年産の天然酵母醸造の成果はどうしても確かめたくなったようである。しかし、健康な葡萄で無ければ上手く行かないことを実感で知っているようでこれはこちらもなるほどと感じた。
さてこうなると最高級のグラーフェンベルクのエルステスゲヴェックスが悪いわけが無い。今年のそれは香りも華やかでいよいよ本格的なグランクリュになって来たと実感した。それどころかアウスレーゼなども充分に酸が効いていて、これはヴァイル氏のコンセプトとそのマネージメントがいよいよ製品に活きて来たと感じさせる出来である。
2009年産の特徴はやや量感も薄い酸であるが、逆に醸造法の進展によって、上のクラスに行くほどその酸が丸みを帯びながらも良いミネラルとのバランスを見せることになる。そしてそれは今までに無い風味の豊かさとなってきており、州立醸造所で酸化醸造法へと大きく舵を切った昨今のラインガウの傾向が顕著である。つまり、これでももって漸く、ミッテルハールトのグランクリュとなんとか比較に価する品質に達したとしても誤りではないだろう。
つまり、この醸造所のリースリングも2008年度までは鼻抓み状態のモノトーンな香りしかなかったのが、2009年度から一転して華やかな香味を放つ素晴らしいリースリングとなっていた。それも辛口のみならず、アウスレーゼなどの貴腐ワインにも波及しており、中間クラスのシャルタヴァインや半辛口の一部を除いては格段とその魅力が増大した。同時に屑のワインが少なくなったことも特筆に価する。
そして今年度からはビュルクリン・ヴォルフ醸造所が導入したブルゴーニュシステムの、グランクリュ、プリュミエクリュ、地所名付き、村名付き、ハウスヴァインとクラス化が明確となった。最後のグーツヴァインはバランスも取れていて酸のマイルドでなかなか良いのだが、十ユーロはないでしょうという気持ちが強い。それに比べて、十四ユーロのキードリッヒのリースリングはミネラル風味も立派で、シュロースザールシュタイン醸造所の九ユーロのグラウシーファーと比較してもその価格に偽りは無い。しかし、その対抗馬の価格が割高で、それよりも五ユーロも高い価格はやはり高いだろう。それでも味の純度は高く、密度も十分である。これを基準とするならば、ビュルクリン・ヴォルフ醸造所のゴールトベッヒャエルやランゲンモルゲンの十六ユーロなどは格安である。
その上のPCに価する三種類の地所、つまりクロスターベルク、テュルムベルク、グレーフェンベルクからの所謂ラーゲンヴァインは、価格も二十ユーロと飛躍するが、流石にどれも各々十分なキャラクターを出している。最初のものは石灰がかった味質であり、最後のものはなかなあ芯が強く十分な熟成が期待できる。そして中間のものこそが今年のこの醸造所の特徴であり話題であろう。新しい葡萄からの収穫らしいが、昨年までとは打って変わって激しい特徴を放つ。つまり、殆どソヴィニオン・ブラン同様のリースリング味でこれは今まで経験の無い味覚であり、まさに州立醸造所が推し進める酸化醸造所の成果と見た。
「これは全くソヴィノオン・ブランだよ」と聞いた隣の親仁が「お前なんだ、サントリーの人間か」とかかって来た。どうもヴィースバーデン出身のエンジニアのようでデュッセルドルフで技術部長をしているらしい。趣味でワインを造っているというからもともと家業に関係があったのかもしれない。そこから、ミッテルハールトのグランクリュの話や取って置きの話をしてやると、熱心にメモを取り、本気でこちらに訪ねて来るという。特に先日来ブログで話題になったベクサーの問題を話し出すと、こちらの肩を突いて来た。なぜならば彼の知識では樽から樽へと移す事でそれを除去する方法は遣っているのだが窒素によるサーキュレーションはそもそも設備が無いと出来ないことでもあり毛頭頭に無かったからである。2009年産の天然酵母醸造の成果はどうしても確かめたくなったようである。しかし、健康な葡萄で無ければ上手く行かないことを実感で知っているようでこれはこちらもなるほどと感じた。
さてこうなると最高級のグラーフェンベルクのエルステスゲヴェックスが悪いわけが無い。今年のそれは香りも華やかでいよいよ本格的なグランクリュになって来たと実感した。それどころかアウスレーゼなども充分に酸が効いていて、これはヴァイル氏のコンセプトとそのマネージメントがいよいよ製品に活きて来たと感じさせる出来である。
去年の今頃のことを、
思い出しています。
RW今年は、去年とは出来が全く、
違うのですね。
香り立つワインという感じでしょうか?
やはりラインガウも今年は買いですね。
早くそちらにうかがう日が
決まればよいのですが、、、。
もちろんその土壌の個性は、石英の多い片麻岩ですから、ダイデスハイムなどのエレガントさは求められませんが、香りの豊かさでは、フォン・ブールやシュロース・ザールシュタインといい勝負をしていて、純度ではシェーンレーバーともいい勝負です。一年でこうした醸造上の進歩を見せるのは流石にドイツ最高の技術力といっても間違いないでしょう。批判すれば直ぐに修正できる設備と技術力は凄いです。更にテゥルンベルクのそれは驚きでした。
つまり、年度ではないと思いますが、他のものを比べてみないとなんともいえません。しかし現時点で、ヴァイルの実力は年度の利点以上のものを示しているということでしょう。恐らく、ラインガウではこのレヴェルにある醸造所は他に存在しないかと思います。