Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

腰にぶら下げる山靴の重さ

2009-07-19 | アウトドーア・環境
中高年の山での事故が日本では問題になっているようだ。高齢化社会において時間のある高齢者がより多くアウトドアー生活を楽しむようになれば、事故の件数が増えるのは当然であろう。

それは欧州においても似た傾向があるだろうか。本来ならば経験を積めば積むほど安全性は高まるので、若年層に比べてアルプスでの事故は比率としては少ないに違いない。しかしそこには別な問題がある。

先日も山で話題になったのだが、フリークライミングは盛んであるが大きな壁やアルプスの壁を攀じ登ろうとする層は必ずしも多くは育っていないと言うのだ。それ故に、その意志のある者に対して雨の中を退去方法や救助方法などの練習を実践したのだが、本格的にそれを真剣に考えている者はやはり少数に違いない。

アルピニズムの終焉から半世紀も経てば、今回の山行がプレジャー・クライミングと名付けられていたように、昔日の技術や経験を保持継承することすら難しくなって来ている。舟橋氏が自らをその残党と呼ぶような「岳派系クライマ-」が少なくなって来れば、益々技術や経験不足での事故が高齢となった現在の若年層にも増えるようになるだろう。

反対に、スポーツクライミング全盛の時代であるからこそそれなりの新たな対応が必要な学ぶ事がある。今回初めて経験したのは、山靴を腰にぶら下げて登る事で、例え軽いそれを選んでいるとは言え、今まで人のその姿を見て馬鹿にしていたものだ。

嘗てならば荷揚げもしくは一人が荷物を担ぐのが普通であったが、なるほど出来る限り一気に登る距離を伸ばす方が合理的である。なにもアイガー北壁のような有名なトラヴァースが無くとも、今回のような横へとしばしば登路が開かれる石灰岩特有の小さな岩壁においても退路は十分に絶たれる可能性がある。要するに天候が安定している内に一気呵成に登りきってしまうことが大切なのである。

そのためには、今回も議論となったが、難易度五級の岩場ならばリュックサックを担いでも問題ない者もいるが、六級ならば空身でなければ話しにならないとなる。なるほど、今回もリュックサックに靴を入れ飲み物や救急用品などを入れていたら余分な時間が掛かり、挙句の果ては途中でピクニックなどを楽しんでいたのは確実である。さもなければアルピニズムごっこへと確実に近づいて行くのである。



参照:
永いフィットネスの精華 2009-07-17 | 生活
観光資源の無かった田舎の村 2009-07-18 | アウトドーア・環境

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