Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

小さな新帝王誕生の可能性

2015-06-23 | 
「キリル・ペトレンコに決定した。」、晴れやかな声で三時間前の13時15分にベルリンで楽団長のコントラバス奏者によってそのように発表された。ニュースに続いて、SWR2で流れたので、バーデンバーデン・フライブルクの楽団の存続の話しかと思った。昨晩ベルリンのフィルハーモニカーの150名近い楽員選挙で選ばれたサイモン・ラトルの後任となる次期音楽監督である。実力からして他にはいないと思っていたが、昨年の面接試験コンサートをズル休みしたことで、指揮者本人の意思が読み切れていなかったので、思わず感動した。

昨晩の推挙後に既に電話で指揮者本人から承諾の回答を得ての発表となったようだ。噂が漏れてこなかったのは、指揮者が断るかどうかが定かではなかったからではないだろうか?拒絶されたら楽団の不名誉となる ― この点は最初の投票で決定しなかった理由でもあろう。これを書きながら先日購入した唯一のCDであるコミッシュオパーとのライヴ録音を流している。管弦楽団の実力の限界も明らかだが、熱心に誠意を持って楽譜から音楽を引き出そうとしている感じはよく伝わる。生であればこれで十分なのだ ― 車中のラディオはシュツッツガルトの放送饗とのリムスキーコルサコフを流していたが、流石に響きが違う。

今回の推挙の理由として、その音楽に語らせる面も大きく評価されたようである。現在の管弦楽団の可能性を期待させてくれる唯一の指揮者であり、容易にメディアに媚びない姿勢と、それ故の市場での期待感は、ベルリンの管弦楽団にとってはとても大きな推挙理由であったに違いない。

個人的には、これでラトル以降のバーデン・バーデンでの復活祭音楽祭を意義つけてくれたことが大きい。次期監督が素晴らしいオペラ上演を約束してくれたのだ。これで、ミュンヘンからは、ザルツブルクへではなくバーデンバーデンへと流れえる音楽通が押し寄せる。券の入手は難しくなるかもしれないが、先ずはこれに素直に喜びたい。



参照:
耳を疑い、目を見張る 2015-05-27 | 音
竹取物語の近代的な読解 2014-12-31 | 文化一般
意味ある大喝采の意味 2014-08-06 | 文化一般
嵐過ぎ去って、その後 2015-04-02 | 音

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