Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

狩人の健康な食欲の特権

2010-08-10 | 生活
週末は飲み過ぎた。運動量が増えている最近は、その傾向が強い。息をあげて帰って来て、麻酔のようにアルコールをあおり、明けた週は酒疲れというか、肝臓疲れというか不健康さを感じつつ、暴飲暴食に明け暮れて、また気が向いたら運動をするという極端なトレーニングをしていた十五年以上前のことを思い出す。

しかし今は大分状況が異なり、週内の運動量も少なくなく、長い期間にわたって徐々に体力をつけてきており、なによりも週日に運動もして習慣性があるのが異なる。更に暴飲暴食からは甚だ遠く、やっと走るようになって胃腸の状態は過去のレヴェルに近づきつつある。

それでも毎年訪れる夏の終わりの夏バテは、涼しくなってから十日間以上は脱力感としてあった。それでも胃がしくしくするような状況も無く、胃腸の調子はこの十年間ではもっとも順調に推移しているように思える。その意味からは酒量も増え、消費肉量が増えることは必ずしも悪くは無い。

げっそりとした顔で戻ってきて、買ってきたばかりのパンなどを齧り、冷蔵庫に天然酵母醸造の新傾向商品ゴールトベッヒェルを冷やし、前日に購入した豚の背肉を、最も味が良い茸と言われるシュタインピルツソースで楽しむべくゆっくりと準備をする。

食前に飲む渇いた咽喉に流れるそのワインがまた美味いのだ。兎に角、甘みを感じさせないのみならず、通常ならば吹き上がるフルーティーさもここでは憚られる。所謂塩味の辛口リースリングなのである。酸も鋭くも無く、全く不足しない伸びやかさで長く尾を引く清涼感は、まさに良質のミネラルウオーターの咽喉越しのようである。これ以上の飲みものがあるだろうか?

そして、舌に残るのは、ワインの色が示すような葉緑素のエキスのようであり、ハーブのなにかのようなカルシウムのような甘くも苦くも無い味覚が気持ちよい。一ヶ月ほど前に飲んだそのときよりも開いてきており、最初の頂点に差し掛かっているに思われる。今までに飲んだ2009年産のワインで最高のものであった。

その前日に飲んだザールの「グラウシーファー」が既に最初の山から完全に落ちて早くも閉じつつあるので、この更に上級のリースリングが今開いてくるのは当然だろう。それでも閉じてくるものも開いてくるものもその時点で可也のピークが確認できれば、少なくとも一年から二年以内には更に期待できる本格的なピークが訪れるのは間違いない。もちろん人によっては、最初の新鮮なそれが、本当にワインらしくなる次の山の味覚よりも良いと思う人もおり、それはそのワインの素養にもよるのである。

もちろん、この「ゴールトベッヒャル」も二年後も四年後も十分に楽しめるのは分かっているのだが、乗っている土深くの岩盤から吸い上げたそのミネラル質とこの若さは、まるで体格の優れた健康な女性のような感じで、まさに生の味を楽しんでおきたいと思われる。恐らくワインとして熟成すると、その資質に媚も化粧っ気もない分、どうしても物足りなさを感じてしまいそうなのである。案の定、女性にこれを講評してもらうと、難しい通向きのリースリングとされてしまった。決して難しいとは思わないが、若い女性の無垢で健康的な美しさを愛でるのは男性の特権のようである。

さて食事との相性は、なにも果実風味も付け加えることも無いこれで悪い筈が無い。昼から幾らでも飲めるから我慢して飲み干さずにおいた。ミルクを使わないバターとワイン風味だけの茸のソースと塩コショウだけの狩人風の森の苔臭いような香りと、葉緑素とハーブのそれが合わない訳がないのではないか。

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2 コメント

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取り合わせは、申し分なし。 (yokun)
2010-08-11 04:19:26

豚肉にシュタインピルツに

リースリング辛口

しかもゴールトベッヒャル瓶詰め仕立て、、ですか??

合わないわけありませんよ。

おいしそう、読んでるだけで、

よだれ出てきた。

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この夏一番の食事 (pfaelzerwein)
2010-08-11 13:06:27
いやー、腹が減っているだけでなくて、塩胡椒だけの豚ステーキも久しぶりで美味かったです。シュタインピルツは夏物なので、床屋の親仁にそんなものだと簡単に言われてしまいましたが、安かったので価値がありました。

ゴルトベッヒャルは大変満足この上ないですが、その状態でも女性受けしないというのはやはり女性向けワインというのは存在しているということで、味も素っ気も無いレープホルツのリースリングなどは女性に飲ませても無駄ですね。

大した材料ではなかったのですが、ワインを含めてこの夏一番の食事でした。付け合せはジャガイモサラダでした。
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