Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

意識が低い子弟ゴリラ回し

2013-01-05 | 雑感
本年のクライミング初めはシーズン通算で第二十三日目となった。相棒から電話がなかったので、若い男を頼りに出かけると、電話が入った。旅行から女と連れて帰ってきているのだと言うことで、お休みにするということであった。そこで若い男のことを話してやった。気がかりなのは、相棒がまたそうした切っ掛けを得て実力不相応な挑戦を繰り返さないかである。先ずは来週あたりから、相棒の限界超え域の六級へと突入していくのだが、どのように効果ある練習としていくかは頭の痛いところである。もちろん其の域とその下を上手に組み合わせて、技術の足りないところを実感させていくしかないのである。

偶然にもホールにつくと、若者の顔は見えなかったが、眼鏡親方のパーティーがいたので一緒に登った。そしてまさしく前記メソッドを使うことになる。早々に六級マイナスの場所を親方の弟子が所望してくれたので、ウォミングアップ代わりに登って見せることにした。そこは相棒の医者が登れない場所で、残念ながら親方と弟子には無理なことはわかっていたのだが、体感してもらうには良いと思った。

そこを登るのは二度目だが矢張りレッドポイントでザイルにぶら下がることなしには難しかった。それほど手足の組み合わせがややこしいのである。なるほどザイルにぶら下がらずにオーヴァーハングの下でルートを観察する技術も身につかなければいけないのだが、ぶら下がるほど楽なことはない。

先日来の筋肉等の疲れで力は八割も出ないぐらいであったが、最後の乗り越しの核心部は二度ほど試して上手に超えられた。前回はダイナミックな動きが多かったが今回はもう少し貯めた動きが可能になった。足の使い方が全てである。

さて親方がゴリラ登りでようやく其処に到達して、こちらが目を離したすきに滑り落ちていつものように降りてきた。所望した弟子はそれを見てから挑戦したが、最初の乗り越しの上で足を滑らせたのか脛をしこたま打ち付けたようだった。少しして親方に大分へりくだって降りてきていた。彼は、大晦日の飲み過ぎの話から、BASF中国の化学プラントで日本の建築会社が建てたその完成式典で樽酒を飲んだという話になった。

その後五級のところなどを登ったが、二人ともゴリラ種族で、同じような腕力登りに終始しているのがよく観察できた。年中パートナーとして登っているとこうなるのは当然だろうが、そうした功罪織り交ぜた影響を最後に少し指摘しておいた。本来ならば親方が断然の経歴からしっかり指導ができないといけないのだが、全然だめなのである。

そのあとも観察していたが、親方が三週間前ほどに降りてきていた六級マイナスの凹角も私は初見で登ったが、親方は既に腕力を使い果たして諦めている。なるほど私が登るのを見ていると様々な体位を駆使しているので叶わないと思ったのだろう。兎に角、スポーツクライマーにもなっておらず、アルパインクライマーでもない親方の立場はとても微妙なのだ。その微妙な親方の弟子はさらに微妙である。

改めて感じたのは、彼らの多くがなぜかリードに拘ってトップロープでじっくりと自分の登りを磨いたり技術を試したりすることなしに、自らの限界域をああしてクライミングホールで試してみるやり方である。なるほど昨年はそうした傾向が私にもあったのだが、今シーズンは誤りを繰り返さないように、外で使えるまで技術を精査する方法を採用して、確実な技術の習得に全力投球しているのである。その結果として、室内での難易度のスカラーが下支えされて押し上げられていくに過ぎない。

パートナーの登り方が自然に似てくるならば、来週からも期待できるが、さてどうなることであろう。日曜日の初心者の話を親方にすると、「あまり連れて行くな」と、数か月の初心者がいよいよ親方自らの実力に迫ってきていること危機感として感じてもらえただろうか?正直なところ、親方を鍛え直すには、急がば回れでシーズン最初から三級から五級へと導くしか方法はないのだろう。数学の問題と同じように分からないところが分からないから厄介なのだ。

西穂高で遭難した登山者が凍死で収容されたという。そのようなニュースを読むと日本の遭難対策の程度の低さを改めて感じる。なるほど冬の西穂高は風も強いからこうした悪天下では初めからヘリコプターを飛ばせないのは当然で、人が行くしかない。その危険性は数人のグループで固定ロープなどを上手に使えば安全に数時間で収容までは出来なくても遭難者を保護することは可能で全く問題ない。収容は天候が回復するのを待てばよいだけで、必要ならば装備を持って医者がそこまで行って処置をするだけで凍死は避けれる。要するに技能も職業意識も低いものだから見殺しにしても勤まる職業なのだろう。あまりにも日本人は職業意識が低すぎる。



参照:
身をもって分かることの困難 2012-12-22 | 雑感
スポーツクライミング事始 2012-11-26 | 生活

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 積極的に加速し続ける合理 | トップ | C・クライバーとサルコジ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿