Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

不公平を避ける方へ究極の選択

2009-11-13 | 雑感
明日は出廷の日だったが延期となった。理由は知らないが、技術検査士か誰かが豚インフルエンザにでも掛かったのだろう。直前の延期のためか、私のところには連絡が来ずに弁護士の所に連絡が来た。気になったのでそれを電話で確かめた。最新の判例でスピード測定機の信憑性が薄いとされて無罪となった事例を知った。いずれにしても検挙された例が覆される事例が少しずつ増えているようで、私の場合ももし無罪放免となると重要な判例となりそうである。

此方もはじめ感じていた不幸な不公平感から生じるような気持ちは薄れてきていて、遵法精神を育むための無罪放免を勝ち取らなければいけないと言うような義務感の方が強くなって来ている。そのような心境から、体調万全に挑みたいのだが、現在の風邪気味の思考ではまた支離滅裂になりそうだったので取り直しは願ってもない。

昨晩、めったにないことだが甘いワインを空けた。空けたと言ってもハーフボトルであるが、アルコールはアウスレーゼでも11%と高いからモーゼル流域の辛口と同等である。しかし、葡萄はいつものリースリングではなくてショイレーベである。2001年産であるから決して悪くはないのだが、流石に酸が弱く二年ほど前の安売り放出品だけの値打ちである。熟成が進んでも特別に開花しないショイレーベが悪いのか、微かな熟成香に酸が足りなく新鮮さもないので特別に感動しない。1986年産のシュイレーベのアウスレーゼもフルボトルで放ってある。これも期待せずにいつかなにかのパーティーで余興で開けてみよう。

新聞に2009年産のドイツのワインの概況が載っていた。それによるとこの十年間で2003年に次ぐ少ない収穫量という。つまり乾いた長い残暑から秋への流れが稀にみる健康で熟成した葡萄を凝縮させて収穫量を更に10%落としてしまったようだ。その結果八百五十万五千ヘクトリッターへと下方修正された。つまり冷えた夜になされた酸に恵まれた、土壌を反映した香り豊かな高級ワインの収穫は、質量共に順調のようで、国内供給量も十分にあるので価格上昇は予想されていないと、消費者にとっては喜ばしいが、収穫量が落ちた生産者にとっては厳しい年度となると言うのである。

なぜ価格上昇が予想されないかと言えば、欧州全体が同じような状況にあるので輸入されるワインは増えず、恐らく景気ゆえにドイツワインの消費量の五分の一を占める海外市場も低調と予想されることから、国内供給量は十分に足りていると言うのである。

さらに既に本年度の消費状況を見ると、消費量は落ちているにも拘らず消費の高級志向から売り上げは落ちていないので、来年度も高級ワインを中心に売り上げは堅調と予想されている。その反面、樽売りなどの量産ワインは更に市場淘汰されて行くようで、こうした自然状況の変化による変化は市場を挟んだ自然淘汰としても差し支えない現象であろう。重要なことは、自然の猛威よりも人為的な不公平を避ける方へと ― 神の手が働く方へと ― 政治が引いては社会が対応出来るかという究極の選択しかないのである。



参照:
2009モーゼル収穫結果
収穫の風景 ザール 6 (モーゼルだより)

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