Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

大統領選出後の喧騒

2016-11-11 | 歴史・時事
トラムプ氏大統領選出を受けて、「地元」の様子が伝えられる。FAZでは何度目かは分からないが、伝えるところの苦情の喧騒に相乗りしている。パン屋の「ジップ」のことが書いてある。私が行くパン屋のその次の自家製パン屋であるが、息子さんがカイザースラウテルンのゴールキーパーとして有名な店である。そこの売り子が開店前にノックする人がいて、外を窺うとTVチームが寒そうにコーヒーを求めた。朝早くから起きて働いているのはトラムプのためではないと訝る。そしてそもそもその選挙での言動が気に食わない、「何よりも床屋に行け」という。

そこから一分も掛からない一画に祖父フリードリヒの育った家がある。そして11歳若い美しい妻エリザベスの実家クリスト家もその近くだ、1885年に合衆国へと渡り、1892年にはフレデリックに名を変えて市民権を獲得、1902年に地元のエリザベスとルートヴィッヒスハーフェンで結婚をして、1905年に再び合衆国へと家族で旅立っている。

そしてその肝心の生家には紙がシートに入れてぶら提げられていて、「歴史的物件として適価買い上げ」を市に要請とある。つまりパン屋と同じく朝から呼び鈴を押されて住居環境がここ数か月悪化しているというのである。名誉町長のBASFの化学者は、当選の知らせを受けて急遽社に遅刻を申し出たという。取材に対応するためである。

新聞は人口1200人の町に2000人の椅子があり、ベット数400であるから、一時間足らずのラムシュタインのベースからも多くのアメリカ人が訪れていると書き、町自体も観光環境の保護から拡張を抑制していて、それほど今回の歴史的町化での発展は考えていないように見えるとされる。

昨年合衆国に旅行をしてトラムプ氏に招待された人が語るには、トラムプタワーで迎えたのは甥でご本人はゴルフに出かけていたという。同郷のハインツとの郷土奉仕への大きな差異が囁かれていて、その言動と合わせて人気もブームも起きていないというのが報道である。

それでも勝利の結果を聞いて、「それはよかった、我々の政治家は汚職とエゴだけで、少なくともトラムプがそれを暴くことだけは信じるに足りる」とする感想を伝える。

そして町行く人は、トラムプはここには要らないが、分断した合衆国を統合していけるのかが気になるようだ、そして今最新のツィターではこの機に及んでも反対派選挙民をプロ市民と呼び選挙中と同様の戦略を止めないでいるようだから、危惧通りに分断は「ブッシュゴアの選挙後」以上に激しくなる可能性がある。

ノオム・チョムスキーがハイデルベルクで講演をするようで、その知らせを受けた。参加料が28ユーロで若干高いので断念するが、彼はこの現象をどのように語るだろうか?ポピュリズム的な言動は政治家として変じることが可能なのかどうかである。選挙民は抜本的な改革を求めて支持した筈だが、反対派はそこには解決策がないと見ている筈だ。

国民がエスタブリッシュメントとその他の層で大きく二分化されていく傾向はどこの国にも共通しているかもしれない。その原因を経済力とするならば容易であるが、トラムプ勝利はその反対の結果が出ている。要するにポピュリズムの勝利であり、そこには解決策があるとは思わないのが反対派なのだろう。その一方で、それでもそこに民意を示そうとしたのが支持者ならば、抜本的な解決方法を矢継ぎ早に予告もしくは示していかなければいけないのだろう。

子ブッシュの就任時には九月にはニューヨークのビル破壊が起こった。2017年に同じようなことが起これば人々の関心は分断された国民へとは向かわなくなる。



参照:
トラムプ、合衆国の民主主義 2016-11-09 | 歴史・時事
都合の悪い真実を窺う 2016-02-23 | 雑感
保守系経済高級新聞から 2015-10-06 | マスメディア批評
ポストデモクラシーの今 2016-07-08 | 文学・思想

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