Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

カウンター攻撃の自己欺瞞

2015-06-21 | 歴史・時事
ギリシャ問題が話題となっている。特に金融界では注目されている。しかし一方の当事者であるEU内では比較的落ち着いて様子見がされている傾向があるかもしれない。理由は簡単で、欧州人はギリシャ人を知っているからだ。個人的に親密なギリシャ人はいないが標準的には分かっているつもりだ。

最後通牒が渡されて月末までは猶予期間があり、ギリシャ側は再度の申し立てを諮っているが、そのようなものに本気で耳を貸す者はいないだろう。皆が知っているように、そのサッカーの試合運びを見れば分かるように、最後のそこでカウンターをかけてきて一発逆転こそがギリシャの一か八かの戦略である。EUはなにもそれを知っていて乗っていくつもりはないのである。結果は大体分かっているのだ、ギリシャがオウンゴールをしない限りはである。

サッカーほど国民性が出る競技はないかもしれない。昨今話題の日本のそれを見ると尚更興味深い。落ちてきているとはいいながらもまだまだ安倍政権への支持は強いようで、その支持層の考え方などを見ることで、戦前の敗戦へと向かう神民の考え方を、まるで一億光年前の星座を観察するように、目前でそれを観察できるのだ。これほど興味深い観察対象物はない。

どうも安倍政権の核となる支持層は、現在の対米従属路線を認知しながらも、どこかで日本は大日本帝国へと舵を切り直せると考信じていて、その道筋をつけていくのが安倍政権と考えているようである。そのためには富国強兵が欠かせないとして、先ずはその準備をするのが肝心と考えているらしい。これは核武装戦略における外務省のその技術を保持し続けるための原子力政策と宇宙開発計画がそのまま軍事大国化としての条件としている政策姿勢と矛盾しない。

要するに、もはや米軍との合同作戦以外では骨抜きにされてしまっている自衛隊の国防力が原子力発電施設によって沿岸からの防衛も殆ど不可能になっていることにも相当していて、それらが名目上の戦略でしかなくなっていることと合一している。しかしその一方で、知能程度が低いとしか思われないような安倍政権支持層が、必ずしもその矛盾に気がついていないわけでもなく、それほど知能程度の低くない人も安倍政権を支持している事実がある。

そしてそこに共通しているのは何かを信ずる忘我のような境地であり、自らのおかれている環境などというもには出来る限り覚醒しないようにする心理構造なのである ― 最後には神風が吹き、忘我に心身を投げ出し尽くすことで救われると信じている。どのような選挙制度であれ社会であれ、そうした政権が成立している「現実」が全てであって、そこから想像力を馳せてというようなことを極力避けようとする考え方であると観察できるのである。

ギリシャ人は、現政権がなにをしようとしているかも、それがどのようになるかも十分に予測している。日本人は出来る限り見て見ぬ振りをする。しかし琉球人は少し違うようで自らの力で環境を変えようとしている。恒例のワイン祭りで何も出来ないので、昨晩YOUTUBEで名護市長らの訪米報告会などを流し観していたが、とてもその成果を冷静に分析していた。日本のネットでもその成果のあり方は十分に報道されていなかった。しかし実際は全く異なり、沖縄の主張を選挙で立派に選ばれたその知事がするということで、正当性のある声として確りと新基地の拒絶を当事者に伝えることに成功したようだった。大和民が出来ない、しようとしないことを琉球人は立派にやり遂げている。同じ島国でもなぜこれほど違うのか?



参照:
少しは春らしい話題を 2015-03-18 | 生活
基地阻止基金の値踏み 2015-04-11 | 歴史・時事

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-06-21 12:41:32
何言ってんだお前
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「安倍政権支持層」 (pfaelzerwein)
2015-06-21 16:16:11
図星のようですが、それを利用するポピュリストも同じ穴の狢なんですよね。戦前も全く同じだったことがとても興味深い。
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