Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

基地阻止基金の値踏み

2015-04-11 | 歴史・時事
辺野古新基地阻止基金が発足するという。数億円規模の寄付が想定されているようだ - 送金先は「辺野古基金」。その資金によって沖縄県知事の訪米とその活動などに弾みがつくだろう。ワシントンでの工作がどの程度功を奏するかは分からないが、「日本の対中関係の悪化を維持させる国益」を第一とする合衆国と、沖縄県の「極東アジアのハブであろうとする積極的全方位外交」はどこまで行っても平行線をたどるかもしれないが、少なくとも沖縄からの米軍の撤退に関しては合衆国の国益にも適うに違いない。

石垣島に諸外国の記者が招聘されたようである。フランクフルターアルゲマイネ新聞は第三面で殆ど一面を使ってそれを伝える。市の博物館には漁の歴史やシナの影響を受けた竜頭の船の展示などがあり、そこの最も重要な所蔵物は、釣魚島に纏わるシナの公式文章である。1919年12月にシナの漁民が遭難して、魚釣島の従業員が31名のシナ人を救出したことから、当時のシナの長崎在領事が出した公的な感謝状七枚のうちの所在が確認された二枚の一枚がそれに当たる。記者たちはそれを閲覧できると思ったようだが、絹に書かれたそれは保存が難しいとしてコピーしか観覧できなかったようである。早速記者たちは、「そのように大切なものならば、なぜ東京で公文書として保存しないのか?」と質問すると、館長の霜野氏は何も答えず、「政府がオリジナルを要求したことはありません。」と断言したようだ。

これを読んだ読者は、何か腑に落ちないものを感じるのは当然で、安全のために緊急港を作りたいとすることにも政府は、「右翼の上陸等を避けるために」との理由でなんら手をつけないのも不思議である。そもそもここに書いてあるように2012年の十五億円を支払った買取運動が起こらなければ実効支配として、中共の海底資源掘削活動にもある一定の阻害活動は出来た筈だ。

そこで石垣島の現状に触れて、経済的には漁業や農業そして観光に依存しているのだが、円安の影響からシナからの観光客が増えて、台湾からは週に二回の沖縄本島への中継地点として寄港するようである。そのような観光の島で上の博物館は年間七千名の入館者しか迎えていないと言うから、いくら安部政権が世界に向けて広報活動をしても、ここで報じられるように竹島や尖閣問題を歴史問題として教科書に採択しても話しにならないのである。

尖閣問題では多額の資金が集まったようだが、それに匹敵するような資金が上の新基地阻止基金に集まるか?沖縄の当事者のレアルポリティックに日本の国民の意識が覚醒することが出来るだろうか?観光に関して、様々な情報源から、シナ人の日本観光熱はとても熱いものがあって、中共の長く行ってきた抗日宣伝が如何にそこでは意味をなさないかが良く表れていて、そこに希望があるのだ。ある程度経済的に余裕が出てきたシナ人にとっての日本旅行は今後の重要な社会的な意思に繋がるに違いない。中共の人民は、日本のそれに比べると現実を値踏みする力が遥かに優れているのである。不幸中の幸いは、日本にも本物の保守政治家がいたことだろう。イデオロギーは飯の種にもならないと言うことである。



参照:
Ziegen, die auf Inseln starren, Patrick Welter, FAZ vom 9.4.2015
日本の情報統制の進行? 2014-01-22 | 歴史・時事
民主主義の品格の欠乏 2014-11-18 | 歴史・時事

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