Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ナイロン編みロープの末端処理

2017-07-08 | テクニック
アルプス行の荷物を準備である。軽量化を徹底するためにも装備上の煩雑さを避けるためにも、氷河行向きのシュリンゲなどを購入して、普段のクライミング用の装備と峻別した。使い慣れているものの方がいざの時に心強いが、無駄が出そうなので、其々4m、2mのシュリンゲを作った。6m毎で安く、軽いシモン社のものを二つ購入した。

気が利いたことに二種類の赤と青を送ってくれたので、長い方を青にして、短い方を赤にした。切断して作ったシュリンゲの場合の問題点は、ザイルでも同様だが末端処理をしないと解けてきてしまうことである。だから太いザイルを切断した時はアルパイン協会の地元支部の切断装置を使わせてもらった。半田こてのようなものの先端がブレード上になっていて、それをザイルに押し付けることで熱をもったブレード切断するので、切断面が焼けて溶けて固まるというものだ。昔日本でもスポーツ屋さんにあったような、熱を持ったブレードに上からザイルを押し付けるものよりも簡便なものだった。

今回初めて自宅で試したのは、キッチンコンロのプレートに押し付ける方法である。日本ではガスコンロだったので、プレートに押し付ける方法は考えてもみなかった。ガスコンロでは黒くなって煤が付いて汚くなり、その他蝋燭なども駄目なことを経験していた。しかしプレートは殆んど理想的な結果で端末処理できた。

写真で比較したように、片方はフランスの販売業者デカトロンが発売しているシモンのそのままの切り口で、若干黒ずんでいるのがキッチンプレートで焼いたものだ。寧ろこちらの方が綺麗に処理されている。小さな方のプレートを最も強くして二分ほど焼いておいたところに、切断面を押し付けて、周りの解れを少し焼いた。セロテープで下止めしておいたが、それほど影響はなかった。

キッチンプレートの方は少し黒ずんで跡が付いたが、通常の清掃で落ちていく程度で、こびりついた分が少し焼けるかもしれないが全て通常の使用での範囲内のことである。今回処理したシュリンゲは直径が五ミリしかないので、それほど強度が無い。しかし昨今は主ザイルの太さも細くなって軽量化が図られるようになって来ているので、六ミリではプルージックとしてザイルに食い込まないのでブレーキが利かないのである。しかし五ミリならば一寸滑落すると伸びて切れてしまう。それ故に最近はケフラーなどの高品質素材を使うことも推奨されている。



参照:
ザイルの中間マーキング 2012-08-23 | 雑感
豪快にまどろっこしく登る 2014-10-05 | アウトドーア・環境
コメント
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