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マイナカード

2023年06月12日 | 社会派らぼ
マイナンバーカードは、マイナンバー(行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号)に基づいて発行されるカードで、カード取得は本人の自由ということになっています。政府は2024年の秋で今の「健康保険証」を廃止し、マイナンバーカードに一体化させる方針を示しており、医療機関の受付での手続きが簡素化され、本人の同意があれば過去の受診や薬の処方歴なども閲覧できるなど、そのメリットを強調しています。

が、公金受取口座の登録や健康保険証利用申し込みは本人の自由になっており、手続きをした方が良いのか、しなくても良いのか、毎日の報道に戸惑っている人も少なくはありません。公金受取口座は、本来個人名義の口座であるべきなのですが、家族名義など本人ではない登録がおよそ13万件確認されたと発表されています。また他人の年金記録などが閲覧できてしまった事例が1件確認されたと発表されましたが、おそらく氷山の一角であると誰もが想像します。

日本はIT化が遅れていると言われます。何につけ、新しい提案には必ず反発があり、定着するにはそれなりの時間を要します。マイナカードが完備すれば、様々な面で合理化が図れるのはよく理解しています。ただ、短時間で強制的に移行させることで、多くの無理やひずみが生じることは否めないと思います。

まちの連絡手段として、メール連絡網システムの導入を模索しています。ただ、こうしたツールも「使わないとダメ」といった進め方には、反発が強くなります。ですから、利用したくない人は、利用している人を情報源として確保して欲しいといった取り組み方を想定しています。短時間で「これまで」を駆逐するようなやり方でなく、時間をかけて「これから」を確保していくようなやり方でなければならないと思うからです。

そんな悠長なことでは、ますますIT化が進まない…という危機感が一方にはあります。が、これまでこうした分野を棚上げしてきたことのツケだと思えば、仕方がない事かも知れません。早い時期に導入をスタートしていれば、無理なく徐々に移行して来れたはずなのに、その時期には根本的な導入を妨げる障害が存在して、今になって焦っているという感じでしょうか。

話は唐突ですが、写真の世界では「加工」が、当たり前の時代です。審査員を務めるような大御所の先生が、そうした技術に無関心な頃は「加工なんてとんでもない」といった風潮だったものが、そうした人にもパソコン技術が行き渡り出した途端「加工も腕の一つ」という考え方に変わる。それと似たようなことが起きている気がします。

先進的なものを初めて導入しようとするときには、根強い反発に遭遇します。提案があっても、ブレインがそうした分野に疎いと、頭ごなしに「要らない」としてしまいがちです。ブレイン世代がそんなものも必要なのかも知れないと思いを改める頃には、時すでに遅しで、短時間に無理やり方向転換を迫るような動きにならざるを得ません。

世界を挙げてIT化が当たり前のような時代です。乗り遅れれば、経済的にも技術的にも置いてきぼりを食うのは目に見えています。ただ、もう一つ先の世界を予見すれば、ITを妄信する必要もないのかも知れません。

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2 コメント

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時間をかけて「これから」を確保していく!!! (やすむぅ)
2023-06-15 00:37:56
またまた【大事なことば】に出会えました!本当にありがとうございます。

町の連絡システムという、とても身近な例にこそ、本当に知恵が必要だと思います。本当の知恵なら、大きな場所でも、きっと役立つと思います。

時間をかけることは、何でもありだとは思えないだけに、限られた時間、でも公平に与えられた時間を、どう使うか、自分に問い続けたいと思いました。

隣国でコロナ対策の給付金等の迅速さが話題になってから、何年たったのでしょう…どれだけ、他者から学ぶ時間があったのか、私自身を含めての自戒です。

若い人達に諦めてほしくないものです!自分自身を棚に上げておいて…
トップの責任 (らぼ)
2023-06-15 15:22:59
大きな組織には重責を担うトップが、小さな単位にはそれなりの旗頭がいるはずなのですが、そうした立場にある人間は、自分の狭い見識を人に押し付けるやり方をしてはならないのだと思います。リーダーが大切だというのは本当ですね。

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