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聴いたCD ブラームス : 主題と変奏 Op.18b | バラード集 Op.10 | 幻想曲集 Op.116 (コジュヒン)

2020年01月15日 | クラシック
ブラームス : 主題と変奏 Op.18b | バラード集 Op.10 | 幻想曲集 Op.116 (Johannes Brahms : Ballades & Fantasies / Denis Kozhukhin (piano)) [SACD Hybrid] [輸入盤] [日本語帯・解説付]
デニス・コジュヒン,ブラームス
Pentatone / King International

〔曲目〕
 ・主題と変奏 Op.18b(1860)
 ・バラード集 Op.10 (Ⅰ.ニ短調/Ⅱ.ニ長調/Ⅲ.ロ短調/Ⅳ.ロ長調)(1854)
 ・幻想曲集Op.116(Ⅰ.奇想曲 ニ短調/Ⅱ.間奏曲 イ短調/Ⅲ.奇想曲 ト短調/Ⅳ.間奏曲 ホ長調/Ⅴ.間奏曲 ホ短調/Ⅵ.間奏曲 ホ長調/Ⅶ.奇想曲 ニ短調)(1892)

 これは新年早々、あまり期待せずに聴いて、しかしそれがすごく良かったのでうれしかった盤。

 (「期待せず」というのは演奏うんぬんでなくて、要するに自分がブラームスが苦手だったからというだけの話なんだけど)。

 でも、ここ数年、以前苦手だった作曲家がけっこう聴けるようになってきたことも多いので、ではそろそろブラームスもどうかということで、実は交響曲とかクラリネットの曲とか、ちょこちょこ探検を繰り返してはいたのです。それが今回、やっぱり自分には結局ピアノ曲なのか、という感じでプチ(←今のところはまだ)開眼。

 (ところで、最近嫌いだった作曲家が聴けるようになったというのは、ひとつにはようやく青少年時代の最初の「刷り込み」が薄れてきたのも大きいと思う。これも「保守性」のひとつということなのだろうか、ぼくの場合は10代、20代の初め頃に最初に決まった「好き嫌い」がいまだにけっこう尾を引いていて、特にブラームスは20代の頃にかなり自分の中で否定的な感情を持ってしまっていたので、そのわだかまりみたいなものをずっと引きずってしまっていたようなところがあった)。

 で、このCD。

 デニス・コジュヒンは最近けっこう名前を耳にするロシアのピアニストで、個人的にはまだほとんど未聴。まだ30代前半で、若手といっていいのかも。

 しかし、その若いはずのコジュヒンが、1曲目の『主題と変奏 Op.18b』の冒頭、あの『弦楽六重奏曲第1番』第2楽章をブラームス自身がピアノ曲に転用したというコテコテ(というべきか)の主題からして全然感情過多とかにならずしっかりとした精神性と深みも感じる演奏で、もういきなり安心して身をゆだねられる感じ。何だかスケール感や包容力みたいなものも感じるし、これは今後巨匠みたいな人になるんじゃないか、とさえ思ってしまった。

 そして、中盤から後半はブラームスの若い頃と晩年のピアノ曲集が2つという構成で、まず『バラード集 Op.10』はグールドほかで聴き覚えがあったけど、後半の『幻想曲集Op.116』に至ってはほぼ完全に未聴曲。

 ということで、とりあえず今はまだ何も考えずに拝聴するだけ、という段階なんだけど(でも、今調べた限りではこの曲はかなりほかのピアニストの録音も少なめという印象。ブラームスの後期ピアノ曲の中でも、ややマイナーな作品なのだろうか)、しかしどうも現時点での印象としては、この曲って元々かなり「渋め」の曲集というか、かなり人生の経験を経た後の、大人の人向けの作品だったのではないかという気がする。

 まあ、これから人生の夢や希望、将来というものを前にした段階というよりは、明らかにその後の段階ではないか、というか。そして、そういう面はどの作曲家の晩年の作品にもある程度備わってはいるんだろうけど、ブラームスの場合はかなりその年齢の「限定度」みたいなものが高いんじゃないかと。

 で、そういう風に考えるなら、やっぱり昔の20代の自分なんかにはこのあたりの作品はもともと向かなかった作品ではないかと思うし、そしてその後自分もようやく今になって、ブラームスの後期作品の「対象年齢」になってきたとも言えるかもしれないわけで、結局はそれが今こうして耳に入るべき時期に耳に入り始めているのかもしれないなあ、なんてことを考えたのだった。

 まあ、まだたった1枚聴いただけなので、今後どうなるかは分からないけど・・・。

コメント
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