どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ノガモのうた

2020年11月24日 | 絵本(昔話・外国)

       ノガモのうた/木島 始・文 スズキ コージ・絵/ほるぷ社/1992年

 

 アメリカのお話ですが、不思議といえば不思議、奇妙といえば奇妙。

 撃たれて落ちるときも、羽をむしられても、料理にされても「ぎゃあっくっ ぎゃあっくっ ぎゃあっ! るっ ぐるっるっ ぎょぇーっ ぎゃあっ!」と楽しそうに歌うノガモ。

 男がナイフとフォークを ノガモにつきさそうとすると、ノガモの集団が、一枚一枚の羽を、料理されたノガモに さしこんでもちあげ、窓から外へ 飛び出していってしまいます。

 ノガモだって、料理されるのはごめん。それいらい男がノガモにあえなくなっても同情することはありません。

 何度も繰り返されるノガモのうたは、作者がコクガンやマガン、ヒシクイの鳴き声を、繰り返し聞いて表現していて、自分で発声しやすい、発声したいノガモの鳴き声を自分でつくってくださいと、あとがきにありました。

 おくさんがノガモの羽をむしると、羽が窓からとびだし、空いっぱいにとんでいくさまは、圧巻。鉄砲うちの男、料理している奥さん、ログハウスの家、広い大地の風景なども見どころです。

 背景には黒人民謡や黒人の昔話があって、どんな逆境にあっても生き延びようとする逞しさを表したかったかのかもしれません。


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