いまに語りつぐ日本民話集8/動物昔話・本格昔話/監修:野村純一・松谷みよ子/作品社/2001年
おじいさんが女の人からしばらく赤子を抱いてくれるようたのまれ、さらに履いている草履を貸してくれるよう頼まれます。
気の毒に思ったおじいさんが貸してやったところ、しばらくして赤子の泣き声を聞いてあわててかえってきた女は「おじいさん、力が欲しいか、金持ちになりたいか?」と聞きます。
おじいさんは「力が半分ばかり、金持ちを半分ばかり」と、答えます。するとおじいさんの子孫には力持ちが生まれ、さらに倉を三つもたてる金持ちになります。
「力が欲しいか、金持ちになりたいか?と聞かれ、金持ちになりたいというと富はえられるが病弱に、力が欲しいといえば、バカ力はえられるが貧乏になる」というのが前段にあります。
何事も、ほどほどにということでしょうか。
むかし草履の貸し借りはあったのでしょうか。草履を貸してやるとハナ緒が切れるまでは待っても待っても帰ってこないといいますから、草履は貸すなということかも。