鹿姫ものがたり/三木 卓・文 アグネセ・マティソーネ・絵/2015年
大きな森の小さな小屋に、あたまのまっしろなおじいさんがひとりっきりでくらしていました。
森にはまっしろでとてもきれいな鹿もいました。
森のムクドリやセキレイはとても鹿がすきで、いつも鹿の上を賑やかに舞います。
ところがある日、鹿は猟師に追われ、おじさんの小屋に、にげこみます。
「ならぬ。ならぬぞ」と両手をひろげ、猟師の前にたちはだかったおじいさん。
「この鹿はおれのもだ。じゃまだてするな」と、猟師。
「命をかけても 守るぞ!」と おじいさん。
たたかいはつづき、おじいさんは倒れてしまいます。そして鹿のからだからも血が。
ところが次の瞬間・・・・。
出版は、写真文化首都 北海道「写真の町」東川町で、発売は、かまくら春秋社です。
東川町が出版するラトビアを舞台にした2冊目の絵本といいます。
文は、日本語、英語、ラトビア語の併記で、日本だけでなく英語圏の人も対象にした町の意気込みをかんじさせるスケールの大きい絵本です。
東川町は、北海道のほぼ中央に位置し、人口8000人弱(H26.3)、世帯3,500弱 (H26.3)とありました。
「写真の町」宣言したのは30年以上前のこといいますが、写真文化首都とネーミングする町の取り組みに感銘を受けました。この絵本も、もっと多く読まれてほしいと思います。
にゅうどうぐも/野坂勇作・作/福音館書店/1996年
縦長で、下からページをめくっていきます。
夏休みのまさるくんがおにいちゃんが、セミ取りのとき、みたのは綿雲(積雲)。
綿雲はぐんぐんのびて、入道雲の誕生。
入道雲がのびると、うす雲が横に広がっていきます。
入道雲がつかずき、風が急に冷たくなると、稲妻が走り、雷鳴がとどろきます。
バケツを、ひっくり返したように、雨がふりだします。
でも、雨があがると、空一杯に虹がかかります。
自然現象をえがくのに写真がつかわれるケースが多いのですが、この絵本では、絵でえがかれ、カミナリや雨、夕焼けが迫力満点です。それからトビが上昇気流にのって、とびまわる姿も印象に残ります。
雲を見つめる人の姿が影絵で、空一杯に広がる雲のようすが雄大です。
夏休みに読みたい本でしょうか。