どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

千葉わらい・・千葉

2016年10月11日 | 昔話(関東)

       子どもに贈る昔ばなし5 千葉わらい/再話・南総昔ばなし大学再話コース 小澤俊夫・編・監修/小澤昔ばなし研究所


 士農工商の身分差が厳然としていたころ。

 さむらいは百姓や町のものにいばりちらし、さむらいも上のものは下っ端にいじめられていたが、大みそかの年越しの行事では、おかめやひょっとこ、鬼の面で、だれがだれだかわからないようにしてうさをはらしていました。

 この年越し、地主の悪口や年貢のとりたてへの不平不満が続出。悪い品物を高く売る商人もお面をかぶってこっそり聞くにきていたが、ここではおこることもできません。

 殿さまもお面をかぶってきていましたが、「お城の殿さまは頭が悪くて、役立たずから、わしらが苦労する、あんな殿さま、早く死んじまえばいいだ」と散々。

 殿さまが場所柄も忘れて「ぶれいもの」と殴り掛かろうとしますが。みんなは大笑いして、「おもしろいおもしろい、殿さまのものまねのうめえことうめえこと」と大喜び。

 殿さまは家来をひきつれて、すごすごお城に帰っていきます。


 年越しに大笑いしてあたらしい年をむかえるという話ですが、庶民のうさばらしが妙に実感されます。

 笑うだけではすまないことも多い昨今です。