入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’17年「秋」(60)

2017年10月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



 雨。うんざりするほど聞いた雨の音を、きょうも朝から耳にしながら、上に行かないで下にいる。牛がいればこうはいかないが、もう、こんな天気を押してまで行く必要はなくなった。秋雨前線に「超大型の台風」がぶつかり、天気はひどい荒れ模様になるという。そうした予報だか警報を、幾日も前から聞いている。これで、今まで丹念に色付けがされてきた秋の山々や森も、色彩を失い、季節もそれらしく進むかも知れない。
 
 確かに、きょう届いたKさんのコメントが言うように、葉をすっかり落とした初冬の森や林を歩くのは紅葉の時期とはまた違って、枯葉の落ちつくした山ならではの深い山気や雰囲気を味わえるだろう。長い秋の続くことを願っていたのに、いつの間にかそういう季節を心待ちにしているというか、その用意が気持ちの上ですでにできている、そのことに気づかされて驚いた。
 こう書く間もなくすぐに、上越や秩父の寂しく、少し暗い印象の山々の記憶が甦ってくる。しかし不思議なことに、入笠周辺の晩秋の風景はその中にはない。その理由はよく分からないが、あえて書くなら、心に浮かんできた山々がもう行くことのない山域として、すでに整理がついた懐かしい記憶だけの山になっているのに対して、入笠は現実そのままの山で、絶えず変化している。まだ記憶やら心象やらも散らばったままの状態で、整理がついていないからかも知れない。こじつけのようだが、そんな気がする。
 やがては、もちろん、10年以上を過ごした入笠やその周辺こそ、一番懐かしく思い返す日が来るだろう。枯れ葉がいつしか大地にしみていくように、10年以上の牧人の日々が、年月が、記憶の中に場所を見付けてしみこんでいき、そしていつかは、芳醇な旨酒に変わるだろうと、そんなふうに考えて期待をしている。
 もっとも、それまで長生きできればだが。クク。

 芝平峠より迂回したあの山道は、旧武田の金山跡といい、晩秋のある日にぜひ歩いてみたい、お勧めです。

 これからの季節は時代遅れの山小屋がオススメ。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。

 
コメント
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