入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「秋」 (47)

2016年10月18日 | 入笠牧場からの星空

                                                   Photo by TOKU氏

 お馴染みの昴と、夥しいまでの星の数である。この中には生命が誕生するにふさわしい、地球のような惑星を持った星があるかも知れないと、つい空想してみたくなる。
 先日も、われわれに最も近いケンタウルス座の三重連星のひとつであるプロキシマに、地球のように岩石で構成され、水の存在さえも期待できるような惑星・プロキシマbが見つかったというニュースが流れた。
 また、われわれの太陽系の中でも早くから水の存在が予想されていた木星の衛星エウロパから、200キロもの高さにまで上がる水煙(water plumes)が、ハッブル望遠鏡によって捉えられたということで、地球外生命の可能性が俄然と熱を帯びて語られるようになった。
 しかし、こうした惑星や衛星に仮に生命が発見されたとしても、それらは極めて原初的な生命に過ぎないだろう。地球人レベルの知的生命の存在はこれだけの星が存在しながらも、またSETIのように地球外知的生命体の探査に関与する機関や研究者の努力にもかかわらず、いまだに見付かってはいない。
 地球から出ている電波はすでに200光年をこえる領域にまで達しているとか、これらをもし受信解析できる能力を持った生命が存在するならば、すでに先方からも何らかの反応があってしかるべき。よって、この範囲にはそういう高度な知性並びに文明を持った生命体は存在しない、と考える人もいる。

 1977年に打ち上げられたボイジャーは、地球からついに200億キロを超える距離を突破した。39年をかけ、最も遠くまで到達した人工物である。ところが、1光日は約250億キロ、この距離を光ならたったの1日もかけないで達してしまう。そして、その光が4年以上もかけなければ到達できない先述の太陽系に最も近い恒星プロキシマに、ボイジャーなら、なんと7万年以上もかかる計算になる。

 互いの星々がこれほど近接して見えるのに、その間の距離は膨大で、夜空全体はまさに気が遠くなるほどの「無窮の遠(おち)」である。その昔、羊飼いが酔っ払って(?)星々に名を付けたように、現代の牛飼いも、牧場から眺める星々にあれこれと詮もない思いを馳せている。
 
 秋の夜空を眺めにお出掛けください。小屋は暖かくしてお待ちします。

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