サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

syrup16g Hurt リリース記念ツアー『再発』@東京国際フォーラム ホールA 14.9.22

2014-09-23 | LIVE










シロップ16gの、本当に久々の東京でのワンマンを観て来ました。











まあ去年の「生還」自体ある意味シロップのワンマンではあったんですが名義的に完全でなかった、という事で
東京でやるのは実に2008年の武道館以来。その時も私は生で観られたんですけど
なんだか不思議な気分っちゅうか、
半分夢見心地というか・・・今となってはあれは確かに現実なんだなと振り返る事が出来ますが
当日は本音を語ればそういう感じだったというか、ないはずのものが今ここにある感覚?それを味わってたような気がします。
つまりはその夢見心地な気分だけで凄く嬉しくて楽しくて、無条件に聴き惚れてしまう公演だったということです。

もうひとつ、この日の五十嵐さんはとても「楽しそう」でした。
間近で観てた訳じゃないので細かい表情等は分かりませんがそういう雰囲気は大いに伝わって来て
精力溢れるライブパフォーマンスに連られてこちらまでエネルギーをもらったり笑顔でいられるような・・・
そんなワンマンライブだったなあ、と振り返ってしみじみ思いました
とにかく、“掛け値なしに楽しかった”っていうのが正直なところですかね
新曲群も想像以上に生で聴いてもすっごく良くて旧曲群の印象に負けてなかったのが何気に誇らしかったですね。

色々な想いや感情を引き連れつつ、また新しく始まったんだな、と深々と思わせる一夜でした。










私、東京国際フォーラムには初めて行ったんですけど
駅から近いわデカいわキレイだわ近代的だわ夜景が凄いわ移動もしやすいわ音も良いわで
初見であったのに正直一発でこの会場を大好きになってしまいました
キャパは5000人くらいだと思うんですが、その割に帰りもそこまで込み合わず帰れたのは凄いの一言ですね(色々広々としてるので)
席は限りなく、っていうかほぼ末席付近でしたがそれでも大満足出来たのは収穫でした。当然ライブのクオリティあって、ですが。

即日ソールドアウトだったので末席までビッシリお客さんで埋め尽くされる中、「Share the light」でライブはスタート。


中畑さんの勇ましいドラミングが響く中音源と同様に不穏でソリッドな演奏でもって一気に聴き手を引き込んでいく
その調子で人気曲「神のカルマ」を演奏して早々と往年のファンを喜ばせるシロップの面々

アルバムでも人気が高い(と思われる)「Stop Brain」はやっぱりキタダさんの哀愁に満ちたベースラインが最高でした
「君とおんなじように生きてみたいけど 君とおんなじように生きてくのは とても大変で」のあたりが個人的に沁みました
 お客さんのテンションを徐々に上げていく中こちらも新譜から「ゆびきりをしたのは」、
この曲は音源以上に歌声に悲しみが宿っているように感じられて聴いてて涙が出そうになりました
「何でもないことが出来ない 当たり前のことが出来ないんだよ」っていう大好きなフレーズも手伝って相当揺さぶられてました
そんな哀愁を拡げるように「君待ち」、これまた大好きな一曲なのでこういう会場で聴けるのは贅沢だなあ、と
演奏もホントよくてあの頃の作中観を完璧に再現されてたのが素晴らしかったです。

アンサンブルが非常にイキイキしてた印象の「生活」はちょこちょこ原曲と歌い回しも変えててその意味でも楽しかった
この曲は一発で雰囲気を変える力を持ってますし歌詞のインパクトやメロディを含めて本当に名曲だと改めて。 声の伸びも良かったです
 で、次の「哀しきShoegaze」はやたら楽しかったですね(笑
イントロの盛り上がりは勿論ちょっとパーティみたいなノリが心地良くてこの日唯一派手なイメージ。この曲が更に好きになりました。
それが証拠に帰ってから何気にリピート率が高かったです
「刹那い」ってフレーズが好きなんですよね。
 新譜からのリード曲「生きているよりマシさ」も惜しみなく投入して相当気分的にアガりました
生で「生きているよりマシさ 死んでいるほうがマシさ」って歌われると色々と感じるものも強いですね。
特に聴きたかった曲の一つだったので演奏するのはある種当然、と思いつつも個人的に嬉しかった。すごく沁みた。


これも聴いてる最中に泣きそうになった「ex.人間」
美味しいお蕎麦屋さん~の部分が特に大きく感傷に作用して嗚咽しそうなくらい感情を揺さぶられました
メロディもちょこちょこ原曲と変えていてみずみずしい演奏も相俟って一つのハイライトだったんじゃないかと
凄く美しいものを観たような感覚でした。

音源よりも性急に、ストレートに歌われた「ニセモノ」の圧倒的格好良さ、演奏も迫力もキレッキレでインパクト大でした
ベタな書き方で申し訳ないのですが五十嵐隆自身の魂が伝わって来た気がしました。
そしてこれまた名曲「ハピネス」ではアコギの音色がとにかく流麗で心地良くて歌もしなやかでこれまたこの日のベストテイクの一つだったのでは、と
やっぱり国際フォーラムって音良いですよ。

実は新譜からの曲ではこの曲が一番演奏クオリティ高かったんじゃないか、って思う「理想的なスピードで」
音の良さも手伝ってアンニュイでナーバスな雰囲気がしっかりと過不足なくこちらに伝わって来たのに大いにカタルシスを受けました
歌も相当良かったですし緑のライトがぐるぐる観客を照らす演出も冴えてて個人的に出色の出来だったかなあ、と
何よりもすごく「キレイ」でしたね。色々と、切ない感情の表現も含めて。 最初弾き語り風で始めたのも良かったなあ。

生命のエネルギーが躍動感と共に拡がっていた「宇宙遊泳」、
この曲も本当に最高でこの時点で楽しさ度はクライマックス級でした
妙に明るいテンションが逆に胸を締め付けられる印象で堪らなかったですね・・・。
ああこの曲も生で聴けて良かったなあ。


凄まじいドライブ感と鬼のようなドラミングで転がし続けた鉄板の「落堕」、
出だしの時点で大盛り上がりで、ノンストップで駆け抜ける滾り切った演奏にはかなりの「現役感」を内包されてました
多分この曲の時は脳から快楽物質がドバドバ出てたんじゃないか、と思う(笑)。
これからのライブでも演奏すると思うので是非生で触れて観て欲しい一曲。

ソリッドに決めた「リアル」は正にヘドバン推奨な勢いで実際にヘドバンは抑えられませんでした
バンド演奏の気持ち良さ、旨味がたっぷり出し切られたところで最高のテンションで本編は終了
いやもう夢見心地な上に現実の演奏自体が凄く良くて終始堪らなかったです。心から楽しかった!


アンコールでは丁寧に「イカれたHOLIDAYS」を演奏して聴き手をしみじみとさせると
続く「希望」でそのテンションを更に拡げて情感的なステージングでもって魅せていました
一言一言が沁みていく感覚がとても心に残りましたね
あと音もキレイでした

「あんまり好きじゃない曲をやります。」と前置きして観客席からドッと笑いが零れていた「旅立ちの歌」
ほっこりしつつも歌詞がちゃんと伝わって来る塩梅が実に素敵でした 正直やるとは思ってなかったので私的には不意打ちでした(笑
うん、この曲めっちゃ好きですよ。


「久しぶりなので、41歳なんですけどはしゃいでいいですか」というMCなんかをしつつダブルアンコールも敢行
「パープルムカデ」「coup d'Etat~空をなくす」という盤石も盤石の構成で鬼のような格好良さを観客に刻みつけてライブは終了
バッキバキの演奏でシビアに振り切った「パープルムカデ」の冷徹な凄みだったり
「邪魔するな その目に釘を刺す」とアドリブ的な歌詞も飛び出した「空をなくす」の殺意の表現は相当キマってたと思います
最後の決めもバッチリで歌詞的には充足してないのにはっきりとした充足感の中で帰路に着きました。
ほんと、ありがとう、シロップ16g。












1.Share the light
2.神のカルマ
3.Stop Brain
4.ゆびきりをしたのは
5.君待ち
6.生活
7.哀しきShoegaze
8.生きているよりマシさ
9.ex.人間
10.ニセモノ
11.ハピネス
12.理想的なスピードで
13.宇宙遊泳
14.落堕
15.リアル

アンコール
16.イカれたHOLIDAYS
17.希望
18.旅立ちの歌

ダブルアンコール
19.パープルムカデ
20.coup d'Etat~空をなくす










割とほぼ全アルバムからまんべんなくやってくれた感じで大満足のワンマンでした
加えて新譜からは9曲、全曲ではなかったんですがこれはこれでバランス的に最良だったかと思います
旧譜の楽曲が素晴らしかったのは当然なんですが新譜の曲もホント楽しくて全体的な仕上がりの良さを感じました
演奏も言葉も両方ともイキイキしてる印象でまだまだ五十嵐隆及びシロップ16gが(ある意味)これからのバンドである事を示唆させた一夜
純粋に行けて幸せだった、というのもありましたがそれ以上にただただ「楽しかった」、その感情に尽きる公演でした。
ハイライトは「ex.人間」「理想的なスピードで」「宇宙遊泳」「リアル」「パープルムカデ」辺りで。
でもほぼほぼ気持ち良かったな!

また、ワンマン観たいですね。観れたらいいな。
でも取り敢えずはこの日もらった感情を携えていきます。
重ね重ね本当にありがとう。