サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

「SHISHAMO6」全曲レビューその13「曇り夜空は雨の予報」

2021-10-17 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    








君は星の見えない曇り夜空見上げて
明日は雨が降るのかな、なんて
私は明日なんてどうだってよかったから







最後の曲です・・・
本作が出たのって去年の1月なのに、
全曲レビューが終わるのが今年のケツの方~ってどんだけタラタラやってんだよ、という話ですよね笑
でも、なんだろう、体力がある時に書き溜めとけばもっと早く終わったんだろうなとは思う
もう既に次の作品出てっけど、
これが終わってないので後回しにせざるを得ないという。

で、
この曲は、
一言で書くと、
「ダメそうでもやるよ。」という曲ですね
明日は晴れ、とか
明日は雨が上がる、とか、
明日は明日の風が吹くとか一切言わずに、
堂々と明日は雨が降ります。という曲になってて
それもまた朝子さんらしいですけど・・・
ただ、
別に希望的観測を否定してるという訳でもなく、
結局、、、
(比喩的な意味合いで)晴れでも雨でもやる事って別に変らないから。
ぶっちゃけネガティブな事言ってる人もなんだかんだやる事やってるでしょ。

だから・・・
出来るか出来ないかとか、成功するかしないか、とかよりも
やるかやらないか、という事ですよね。
ただ、やりたい自分が居て、
例え雨の中でも譲れない「何か」があって、、、
その芯さえ揺らがなければ大丈夫ですし、
ま、
雨だろうが何だろうが、自分の感覚を信じます~という歌詞なんですよね
そう考えると、とても‟強い”歌だとは感じます
メロディはとても美しく、アレンジも荘厳なバラッドなんですが、
そのしみじみした雰囲気もまた逆にこの曲の‟強さ”を際立たせているようにも思います

パッと見、
ラブソングにも聴こえるんですが、
正直何に置き換えても大丈夫な作りにもなってる(特にサビの歌詞はね)、
そういう意味では非常に汎用性の高い近年を代表するアンセムに仕上がってるなあ、と。
勿論、誰か大事な人が出来た後に聴いても普通にグッと来るでしょう
でも、そうじゃなくても、
ジーンと来るメロディと歌詞の作りになってます、という事ですね。









でも、
実際、
一切ポジティブなイメージが浮かばなくても(晴れるとは到底思えなくても)、
自分のやりたいこと、したいことやって、それで自分は幸福だと思えたなら、
それはそれで勝ちなんじゃないか、とは思いますね
例え、雨でも。


「SHISHAMO6」全曲レビューその12「君の隣にいたいから」

2021-10-03 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    








君を馬鹿にする奴がもしもいるなら
そんな奴気にすることはない
そんな奴の言葉に
律義に傷ついてあげることはない 
優しい君でも







この曲は今作でも唯一のCDシングル曲です
もうとっくに出てる「7」にはデジタルシングルしか入ってないので、
現時点で最後のSHISHAMOのCDシングル曲・・・っていう形にはなりますね
ちなみに初めて聴いたのはラーメン屋でラーメン食べてる時に有線で流れて来ました。
その時から正直アレンジもメロディもキレイでお気に入りの一曲ではありましたね。

「君の隣にいたいから」は、
まずものっそい美しいアルペジオのイントロからして素晴らしいです
ことアレンジだけで言えばどこを切っても瑞々しいポップで爽快な一曲に仕上がってます
そして、
意外とギターサウンドが耳に残る曲でもあります
間奏では宮崎朝子さんの小気味良いギターソロが聴けますし、
音自体も適度にザラついてて気持ちが良い
おまけに、
アウトロのフレーズまで美しくて、
昔ライブで聴いた時にはあまりの美しさにゾクッと来たほどです(笑
軽やかだけど聴き応えもあるキラッキラのリフを聴いてるだけでも面白い楽曲かな、と。





君のやつほど立派じゃない羽
精一杯広げて
自分の空を探すよ



しかし、
「君の隣にいたいから」って曲はラブソングじゃないんですよね
タイトルを初めて見た時はラブソングなのかな、って思ったけど実際聴いたら違かった
この曲の歌詞がどういうものなのかと言うと・・・
結構難しいですね
まあ端的に書くと、
‟頑張ってる他の誰かに負けないくらい自分も頑張りたい”という曲だと思うんですが、
意外な事にこの曲の歌詞って大体がコンプレックスの事を歌ってるんですね
サビの最後のフレーズからして、
「君のやつほど立派じゃない」と自分が比較対象の誰かより劣ってるのを認めてるんですよ
そういう意味ではちょっと捻くれてる宮崎朝子さんの歌詞っぽいな、とは思う。
そして、
個人的には結構(聴いてて)感情移入もしてしまいますね
あなたほどは素晴らしくないけど、それでも、自分だけにしか見つけられない空を探す・・・
言い回しとしては多少卑屈なんですけど、でも正直気持ちとしては理解出来るんですよ
自分「しか」出来ないやれない‟何か”を示せれば、きっと意味があるんじゃないか
「それ」を追い求めて想像して生きるのも一つの生き方なんじゃないか、と。

もっと言えば、
そういう生き方にシフトすれば、
自ずと他人と自分を比較せずに済むんですよ
だって、
「自分だけの空」を探す訳でしょ?
そこで頑張る事が出来たなら、意味を見い出す事が出来たなら、
それって身近に羨望の目で見ていた「誰か」にはきっと‟出来てないこと”なんですよね
そう、
出来ないんじゃなくて、
出来てないんです。
だって「自分だけの空」を羽ばたいてる訳ですから・・・。
そういう観点からすると視点切り替えの歌でもあり、そして哲学的な一曲なのかもしれません。
カラフルで爽快なアレンジの割にはペーソスが滲んでる歌詞とのアンバランスさが面白い楽曲ですね。
こういう曲をシングルの表題曲として切れる辺りにSHISHAMOのセンスの良さを感じますね。








個人的には、
自分にそこまで自信のある人間では無いので、
この曲に潜んでる反骨精神には聴く度に感情を動かされちゃいますね。
んで、
リアルタイムで買ったしライブでも何度も聴いてたので、
あの流麗な、祈りさえ感じるようなギターリフをいっぱい味わえたのも今となっては良い思い出です(笑
CDシングルの表題曲ですけど定番曲って訳ではないので今秋のライブで演奏するかは未知数ですが、
やっぱり歌詞が抜群に良い曲なんでまた機会があったら生で聴きたい一曲でもあります。



「SHISHAMO6」全曲レビューその11「またね」

2021-09-14 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    






十年後でもいい
ずっと先でもいい
いつか私を惜しいと思って
また会いに来てね
それまでまたね






この曲がどういう曲なのかと言うと・・・
相手に自分に対する気持ちがもう無い。と肌で理解していて
だからこそ引き留められないし引き留める事自体が罪になると思っている
なので、
「その時」まで待ってるね。っていう曲だと思います
恋人でも友達でも応用出来る汎用性の高い歌詞に仕上がってると感じます。

個人的に、
この曲に対して思うのは、
「こういう事もある。」って事ですね
未練がましいかもしんないけど、
でも、
「いつか笑って話せたら。」っていう気持ちもあったりもして・・・
そう考える事自体が間違い~だとか、楽観的な思想だ~とか言われたらグウの音も出ないんですけど笑


ただ・・・
そう考える事自体は自由だし、
逆に言えば、
全部を現実的に考える必要性も無いと思うんですよ
例え自分に都合が良い未来を想い描いたって別に良いと思う
そういうのがむしろ生き続けるエネルギーになるかも、、、とは感じますからね
何より、
この曲聴いてるとそういう過去の未練に対して
気持ちがスッキリする効能があったりもしてね、それもまたイイんですよ
自分らしく健気に懸命に頑張っていれば、いつか何かが報われるかもしれない・・・。
最初からあっさり失望して抜け殻みたいに生きるよりはそっちのがずっと健康的だと感じますね。


アレンジとしては、
ピアノを基調としたロッカバラードになってます。
静かな始まりからサビで感情がじんわりと滲むような曲調に仕上がってるので、
物憂げな・・・
そう、
雨の日に聴くのにも適している曲かもしれません
意外にもライブ映えするロック感も持ち合わせてるのでそれもまたおススメの一曲です
とは言えご時世柄中々ライブの本数少ないので聴けるチャンスも限られますが。
この間の野音で演奏してたのはとっても気持ち良かったですね♬







言葉に出せない、
出しちゃいけない気持ちが
形を変えて溢れてく




最後に、
この部分も個人的に大好きです。。
自分なりに歌詞を解釈させてもらうと、
恐らくはもっと自分を見て、気にして、好きになって~みたいな想いなんでしょうけど、
それを直接口に出してしまったらどうなるのかは・・・言わなくても想像付きますよね。
だから、
口に出したら他人にとって理不尽ですけど、
その前に自分にとって理不尽なんです
ただ、
そういうのもまた現実的だし人生なんだよな~とも思う
そして、そういう確かにあるけど、言ってしまったらきっと誰かに迷惑を掛けるであろう、
“間違ってないし間違ってもいる正しい感情”を歌詞にしたためてくれる宮崎朝子さんには感謝しています。
ちょっと長くなったかもしれませんが、自分にとってはこの曲はそういう曲ですね。好きです。



「SHISHAMO6」全曲レビューその10「キスをちょうだい」

2021-08-27 | SHISHAMO6全曲レビュー







いよいよ6の全曲レビューも終盤ですね・・・というか、
もう既に7が出て1か月以上経ってるんですけど笑
あと数曲ですので、
頑張ってラストスパートかけたいと思います。。


「キスをちょうだい」に関しては、
凄く良質のポップスに仕上がっていて・・・
ライブ向けではないかもなんですが、
正直これシングルでも良かったかもな、とか、思うぐらいポップな曲です。
爽やかなアレンジに、
軽やかな口笛が響いてるのが尚素敵、
かつ、
歌詞の内容も良い意味でライトというか、
恋人同士のちょっとしたハートフルなやりとりを描いている類の楽曲に仕上がってるので
結構聴いてて気分が良い楽曲でもあると個人的には感じています
特に、
妄想ソングとしても聴けるので、
そういった観点からしても秀逸なナンバーじゃないでしょうか笑


この曲を聴いてて感じるのは、
もっとSHISHAMOのポップス職人というか、
メロディメーカーとしての才能が知れ渡っても良い。という事ですね
や、
紅白にも出たバンドなので、
正直それなりに知られてるとは思いますが・・・
でも、
個人的にはまだ足りない
だってこの曲ノンタイアップな上にアルバムの後半に密かにある曲な上にライブでも聴いた事ないのに、
それでもこんなに良い曲なんですよ、というのがもう凄いというか、手抜き無しのバンドというか。
また、跳ねる感じのサビやユニゾンによる歌唱など聴いてて気持ち良い要素てんこもり
恐らく今作の中では知名度の低い類の楽曲じゃないかとは思いますけど、
それでもこんなに爽やかで良い曲~というのが宮崎朝子さんの才能の迸りっぷりを証明してるかと。
 今回、
改めて聴いてみて、
本当にそう感じた一曲でした。
タイトルはセクシーですが実際はかなり可愛らしくてポップな一曲です♬



「SHISHAMO6」全曲レビューその9「フェイバリットボーイ」

2021-08-13 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    






傷付いたりしないで
明日も笑っててフェイバリットボーイ







この曲は、
6の中でも特に好きな曲の一つです
と、
いうのも、
物凄く邪気がない曲というか・・・
色々な意味でピュアな曲に仕上がってるんですよね
妄想全開だし、
能天気なんですけど、
ただ、
今現在の世の中って素直さを失ってしまう事の方が多いから。
だから、無我夢中に「好きな人」に対する称賛を歌うこの曲が大好きなのかもしれません。
歌詞の内容もラブコメ漫画の世界に入った?って思う位ストレスフリーで気持ち良いですもんね笑


もう一つ、
この曲はアレンジがダンスポップっぽくなっていて、
その良い意味でレトロなアレンジもまた聴いてて楽しい曲でもあります
ポップって言ってもしっかり楽器の音は鳴ってるのでちゃんとロックでもあるんですけどね
そんでこの曲、
直近の野音のライブでも演奏してくれたんですよね・・・!
6のリリースツアーは実質生では無かったのであれも個人的にはかなり嬉しい出来事でした。。


先述の通り、
この曲は全部恋模様の「楽しいトコだけ」を歌っています
どういう聴き方でも多分大丈夫・・・
妄想として聴いても、
逆に、
誰かを想って聴いても大丈夫
なんでもござれのスーパーハッピーソングなんですが、
恐らくこの曲って6に入ってるからこそ、ここまで輝くとも思うんです。
デビューしたてでこういう曲を歌ってもあんまり説得力に欠けてたと感じるので、
そういう意味では中堅に差し掛かる時期での発表のタイミングも手伝ったと思うし、
また6って結構渋いというかダークな曲の多いアルバムでもあったので(笑
そういう意味では、
「ただただ楽しい」という事すらちょっと切なくも感じる、
絶妙な塩梅のキラーチューンに仕上がってる曲だな~とか実直に思える一曲です。







一番最初に引用させてもらった歌詞はある種の「祈り」も感じます
そして、自分のHNが西京「BOY」なので、
このタイトルもちょっと意味深ですよね♬(ニッコリ)😊👍✨
・・・なんてなっ!笑



「SHISHAMO6」全曲レビューその8「真夜中、リビング、電気を消して。」

2021-03-06 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    







君がいなくても
私を私たらしめるものは
こんなにたくさんあるってのに






この曲は初めて聴いたのはライブ・・・だったかな
発売の1か月前くらいに新曲として聴いたと思う
その時から好きで、
その時から名曲と思ってました
サウンドはここに来て原点回帰のシンプルなロックチューン
活きの良いギターリフを皮切りに疾走感溢れる爽快なアレンジにまとめている
ポップなメロディでありながらきっちりバンドサウンドも聴かす塩梅は流石シシャモと言ったトコロ。


ただ、
この曲の魅力はやはり歌詞にあります
人って・・・
正直良くも悪くも過去に固執するところがあるじゃないですか
もっと具体的に書くと、まあ、昔仲良かった異性とか、或いは同性でもいいですけど。
でも、
何て言うのかな・・・
「何か」に依存し過ぎてしまうと大事な「今」を見失うというか、
その角度だけが自分にとって幸福だと思ってしまうと危険だったりするんですよ
自分の好きなこと、
幸福を感じること・・・に、
自発的に感情を傾ける事で自分で自分を救済する作業が必要になってくるんですね。

この曲で歌われてるのは、
「自立」だと思います
もっと言えば、
「共依存からの脱却」、かな。
これが自分らしさ、
これが自分の幸福~である、という自分で自分を縛るような固定観念を外して、
もっと別の視野を持ったり、もっと別の角度から自分の充足を満たす努力をしよう、って事。
いや・・・努力かあ。
本当は、
努力なんてせずとも、
上記に引用させてもらった歌詞のように、
いつの間にか気付く、というか思い出すのが正しいのかもしれません
自分の中で色々考えて、色々割り切って、自分自身の思考の中で話し合って何とかする、
個人的には人間っていうのは「それ」が出来る生き物だと信じていますから。




明日からはもう一人で大丈夫
自分の機嫌は自分でとる
笑ったり泣いたりできるんだよ
ほらね、君がいなくたって。




また、
自分がめちゃくちゃ好きな歌詞・・・
好き過ぎて一時期ツイッターのプロフにも書いてたくらいお気に入りのフレーズが上記の歌詞です
「自分の機嫌は自分でとる」
正直、
何て素敵な歌詞なんだろう!とか思いました
この曲が出た後に某週刊誌の漫画で偶然同じフレーズが出て来た時は、
インスパイアされたのかな・・・?とか感じてしまった程に笑

この歌詞はね、
自分の中に刻みたいくらい格言だと思ってるんですよ
自分の気持ち良さやいい気分で過ごすのを他人に任せない、
他人を執拗にアテにしない、
自分の気持ちを救うのはいつだって自分だから。
自分の好きなものを見たり、
自分の好きな事を感じたり、
自分で努力して何かを掴んだり、
自分の中で捉え方の角度を変えて今を肯定したり・・・
色々と自分の機嫌を自分で取る方法は溢れている
いっぱいある
それに気付いて欲しい
そして、自分の幸福を他人に任せず、自分で自分を満たして欲しい。
そんな風に思います
思います、というか・・・
そんな風に生きてみたいですね。自分が、ね。








この曲、
先述の様に初めて聴いたのが生で、
朝子さんの表情豊かな歌とソリッドな演奏に魅せられてすぐ好きになったんですよね
そういう体験も加味して自分の中では思い入れが深い曲の一つでもあるので、
自分なりに色々考えてちょっとでも魅力が伝わればいいな、と
考えて書きました
で、ちょっとでも伝わってたら嬉しいですね
何にせよ一番重要な事は自身の感受性を豊かにする事じゃないでしょうか
そしてそれはその人の努力というか研鑽次第で大なり小なり何とかなる・・・はずです。

この曲の歌詞はシンプルなロックサウンドと相反して、
人の感情の繊細な部分を掘り下げまくってるので大好き、です!!
またいつか、もう一度生で聴きたいなぁ。



「SHISHAMO6」全曲レビューその7「今だけは」

2021-02-26 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    








この曲は凄いですね
所謂リハスタでテレコ回したような音・・・
もっと言えばいきなりインディーズのバンドみたいなサウンドになってるんですよ
エレキ弾き語り、声も演奏も朝子さん中心、でも、それが新鮮で良い。

というのも、
本作も13曲入りと長丁場のアルバムなので、
恐らくこの曲で一息入れたかったんでしょう
サウンドも静かだし、
抜けが良くほのぼのしてるし・・・敢えて録音を安っぽくする事で独特の味を付ける、っていう
ある意味物凄くアーティスティックな発想から生まれている楽曲、、、ではあります。


ただ、
優しい歌声とアレンジに反して、
歌詞は・・・
「いつまでもこの楽しい時間が続くとは限らない。」
「いつまでもこの関係性が続くとは思わない。」
っていう・・・
ある種の悲観主義から生まれた切実な想いが歌われてるんですよね

もっと突っ込んで書くと、
「だからこそ今を全力で味わいたい」
「今だけは幸福を感じていたい」

そんな、
逆説的にポジティブな感触も内包されている楽曲にも個人的には思えて。
そういう意味だと淋しい曲に感じつつも
「今」に対する真剣な意識を搔き立てられる曲にもなっているんじゃないか、とも。
何かを失くしてから後悔するよりも、
今を全力で楽しみ尽くして心に刻んだ方が・・・
「方が」じゃないか、
“そうありたい”という確かな気持ちが込められている小休止に聴こえて実は重要な一曲。








瞬間瞬間を味わって生きる。
その積み重ねが、
後々に「やり切った。」と振り返れる自分を作っていく。
個人的歌詞解釈でそう実直に感じる曲ですね。
 先述の様に、
今やインディーズでもこんな音ないだろ!というくらいのインディーズ感溢れるサウンドなので、
そういう意味でも是非・・・そしてこの曲だけ歌詞が手書きなのも良い味出してます。
こういうのはフィジカルならではの良さ、ですねえ。



「SHISHAMO6」全曲レビューその6「ハネノバシ」

2020-12-26 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    






ここには誰もいないから
どんなことでもいいんだよ
君の話を聞かせてよ







元々は「OH!」のカップリングだった曲です。
あのシングルはベストに表題曲が先んじて収録されてたので、
この曲が唯一あのシングルから新譜に収録されてる曲だったりする訳ですが・・・
正直、
かなり良い曲だと思う
いや、かなりじゃないな、めっちゃかな笑
小気味良いリズムと瑞々しいドラム、伸びやかなグッドメロディ。
どこを切ってもSHISHAMOらしい入り口の広さとロック感に満ちている珠玉の一曲、
多分当時はこれもシングルでもいいのでは、とか感じてたんじゃないかな
個人的に「許してあげるから」もシングルっぽいとか思ったけど笑


この曲は、
友情の曲・・・と、
同時に人同士の繋がりの曲かな。
この曲の歌詞は個人的に凄く理解出来るというか、
ぶっちゃけ他人のプライベートな話って聞いてる分には凄く楽しいんですよ(笑
特に、
表立って出してないお話だったりすると余計にね。
それは、自分には話してくれる~という想いもあるし、
純粋に自分とは違う他人の日常を垣間見るのって意外と興味深いもんなんですよね
どうやって考えても、
自分一人で体験出来る人生に於けるエピソードって限界がありますし。
実は、
あんまり他人に興味無さそうな人ほど、
そういう他人の裏事情のお話に興味津々だったりしますしね(笑

この曲を聴いてると、
今まで自分と出会った人たち・・・及び、
出会ってくれて色々お話ししてくれた人々の顔が浮かびます
そういう時間に於ける楽しさだったり感情の共有だったり、
その人の本心を聞いてるからこそ、
なんか応援したくなる気持ちだったり・・・
この曲には、
そういう気の合う人とのコミュニケーション、
言葉のやりとりから生まれる楽しみや喜びなどがきれいに詰まっていて、
聴くだけで気持ちワクワク出来るような、未来に想いを馳せれるような。
そんな雰囲気に満ちているこれまでとはまた趣が違った名曲、だと思います
5曲目とは違って一気にポジティブなエネルギーに満ちている、そのメリハリもまた素敵かな、と。







この曲は、
ライブでは何度も聴いてるんですが、
実際に聴くと後半の朝子さんのギターソロが炸裂するパートが実に最高、
っていうかバッキバキのロックンロールに変化しててめちゃくちゃ痺れた記憶があります
数日前に朝子さん誕生日迎えましたけど、来年こそシシャモの生ライブ久々に観たいなあ、と。
「ハネノバシ」もまた聴けたらすっごく嬉しいですね・・・!

普段会えない仲の良い人に会いに行く時のBGMにもまた最適な一曲です!



「SHISHAMO6」全曲レビューその5「忘れてやるもんか」

2020-11-24 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    







あんたの持ち物なんて
本当はこの世に1つもないよ







この曲って、
言ってしまえば「負け惜しみ」の曲なんですよ
傷付けられた相手に対する恨みつらみ・・・が中心の曲なんですけど、
不思議とそこまでねちっこくない印象があるのは朝子さんの性格故なんでしょうか
結構、
一方的にぞんざいに扱われて、
そのぞんざいに扱った相手に対して、
怒りと呪いを投げかけるような凄い曲なんですけど、
なんていうか、
歌い手も「負け惜しみ」と分かってて歌ってる気がするんですよね・・・
こういう激情というか情念を吐き出す類の曲って割と攻撃的だったり或いはジメジメしてたりするけど、
この曲は曲調もレゲエだし、いや、そもそもこういう歌詞にレゲエっていうのも凄いな!って思いますが(笑
雰囲気としてはカラカラ乾いていて、それでいて、やっぱどこか悔恨が滲んでる楽曲なんですよね。

もう一つ、
この曲の最後の歌詞、
冒頭で引用した歌詞ですが、
(個人的な聴き方ですけど)自分自身にも向けられてる気もするんですよね
そう考えると・・・
物凄い自虐的でネガティブな曲にも聴こえて来ますけど、
ただ自分はそういうシシャモの内向的な部分こそ大好きなので(笑
この曲の・・・
精神の深淵まで辿り着いてしまったような“最果て感”が兎角大好きです
溜め息とか、途方に暮れてるとか、ヤケクソとか、誰かを呪うような気持ちだったりとか、
決して明るい感情だけではない切実で生々しい、剥き出しの情感が宿っている大好きな一曲です。
 でも、
先述のように楽曲自体は聴きやすいレゲエのアレンジに仕上がってるんで、
そういう意味だと相反する要素が絡み合っていて面白い楽曲ですね
サビでバン!と勢いのあるメロディに変わるんですが、
その感情の吐き出し方もまた秀逸な曲、です。






聴いててスカッとする曲でもありますが、
やっぱりどこか負け犬臭も漂ってる曲なので、
そういう意味では激情と哀愁が同時に味わえる、
そんな稀有な曲になっている~と、言えるでしょう
でも個人的にはやっぱりどこか満たされない気分に作用してくれるとこは・・・強い、かな。



「SHISHAMO6」全曲レビューその4 「二酸化炭素」

2020-10-29 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    









きっとこの部屋の息苦しさは
私達二人の二酸化炭素のせい
言いたいこと言わない
理由もないのに口を紡ぐ
そのかわりで吐き出した
ため息は私をひどく虚しくさせる







この曲は、本作の中でも一番好きな曲・・・いや、「フェイバリットボーイ」とちょっと迷うけど笑
うん、でも、やっぱり一番好きな曲、、、かな。あんまり断定するの好きじゃないですけどね。
正直、
この曲に関しては、
「よくこんな曲書けたな!」っていうのが率直な感想で、
ここまで人間特有のモヤモヤした気持ちを曲の歌詞として落とし込めてる楽曲も早々無いと思うんです
なんていうのかなあ、凄く細かいところまで人の心情を描写出来てるな、って深く感じますね。 
 ちなみにこの曲は、
宮崎朝子さんがリリース前に最も好きな曲に挙げていて、
でもそういう曲って往々にしてややマニアックだったりするんですけど、
この曲に関しては本当にファンの間でも高評価の名曲だったんで朝子さん間違いないな、って(笑


ただ、
この曲の良さを文字にするのは結構難しい
それでも敢えて言葉にしてみると、
正しくない感情と
正しい感情を、
両方漏れなく歌ってるような曲に感じるんです
自分が間違いなく抱えてる強い本音があって、
ただ、それは自分のエゴだったりわがままだったりもした場合・・・
結局、
強く感じてる事があっても、
強く言えなかったりするんですよ
口に出しちゃいけない個人的な感情
口に出した瞬間に“間違い”になっていく
けど、
間違ってても、
自分が「本当に思ってること」だった場合、どうします?っていう・・・
そういう曲に感じるし、そういう状況を描いてるとても複雑な歌詞にも感じます。

突き詰めれば、
分かり合えない人とは、
どれだけ思い入れがあったとしても、
永遠に分かり合えない、その狭間でずっと苦しむだけ。という
ある種物凄い達観した作中観なんですよ
その上で、
最後まで徹底的に分かり合わずに、
この先も関わり合う事で何かしらの軋轢が生まれるのならば
一生このままでいい
二人の中にある(あった)感情は一瞬でも本物だったんだから、
その喜びも距離感も誰に知られずともお互いだけが知ってれば良い
だから、もう二度とそんな空気が生まれぬよう関係自体を葬る歌なんですよね。
完全に諦めて潔く消滅する感じがまた切なくて大人っぽくて、沁みて・・・っていう、
正直今までのキャリアの中でも随一の名曲に仕上がっていてこの曲もっと売れてもいいかな、と笑




嫌いにもなれなかったよな
最後まで中途半端な二人よ
どうか永遠に目を覚まさぬよう



しかし、
売れてもいいかな。とは感じますけど、
間違いない名曲の割に所謂「分かりやすさ」はそこまで無いので、
今のままファン大絶賛の名曲!ってポジションでもそれはそれで良いと思う
よくよく考えれば刺さる人にはとことんまで刺さる類の楽曲なのでね。
めちゃくちゃシリアスな歌詞の割には、
メロディもアレンジもポップで
ミドルチューンなのにかなり聴きやすい曲に昇華されてるのも素晴らしい

何かに必死にしがみつくのもいいですけど、
時にはお互いの分かり合えなさを察して潔く身を引くのも一つの「正解」で。
そういう大人になった気持ち、センチメンタルを最大限に表現している名曲で、
その上で「嫌いにもなれなかった」というフレーズがまた色々な意味合いで象徴的で、
聴いてるとある種達観しつつも胸を締め付けるような感傷も味わえる、唯一無二の楽曲ですね。
「お互いだけが知ってればいい」というフレーズがまた聴いてると気持ち泣けます。

この世にはどうにも出来ないことがあって、
そのどうにも出来なさと、
そこからの大人な価値観を紡ぎ出している、
今のシシャモだから書けた渾身の一曲として完成されています。
行き場をなくした自分の気持ちに自分で蹴りを付ける、その潔さと切なさが何より素敵で大好きな曲です。
 少なくとも、ここまで事細かく複雑なモヤモヤ感を歌詞として曲として表現している曲は、
あんまり聴いた事がなかったし、最後に完全に諦める辺りは本当聴いた事なかったです
それも自分の中の判断だけで諦めてるのが物凄く生々しくて発明とすら感じますね。
「私の夜明け」系統の曲だと思いますが、
「私の夜明け」も約1年半越しくらい?でようやくライブで聴けたので、
是非この曲も一回生で聴いてみたい・・・ですね。泣きそう。